Webマーケティングにおいて広告出稿を検討する際、様々な媒体の中からSNSに広告を出稿する企業が増えています。
SNSはプラットフォーム毎に特徴があり、プラットフォームの選び方や出稿時の配信設定を誤ると広告費が無駄になってしまったり、費用対効果が上がらないことにつながるケースもあります。
この記事では、SNS広告に関心のある企業のWeb担当者の方を対象に、各プラットフォームの特徴と広告の種類、自社に最適なSNS広告媒体を選ぶためのポイントを解説します。
目次
SNS広告とは?
Webマーケティングにおいて広告の種類としてはバナー広告、リスティング広告など様々な広告手法がありますが、SNSの普及に伴いプラットフォーム各社から様々な広告メニューが販売されるようになりました。
広告主(クライアント)側としては、SNSに広告を出稿することで後述するようなメリットがあります。
なお、SNSでは訴求力の高い動画広告が有効ですが、動画制作には比較的大きな費用や工数がかかることに注意が必要です。制作工数をかけないことに重点を置く場合は、テキストや画像フォーマットで出稿したり、あえてSNS広告以外の広告手法(バナー広告やリスティング広告)を採用する選択肢もあります。
SNS広告を出稿するメリット
幅広い認知を獲得することができる
スマートフォンの普及によりメッセージアプリやSNSを利用するユーザーが増え、大手SNSにおいては日本国内で数千万人のユーザーが利用しているSNSが複数存在しています。
そのため、それらのプラットフォームに広告を出稿することで、これまで自社商品・サービスが認知されていない層に対してアプローチすることが可能です。
ターゲットユーザーを細かく絞り込んで指定することができる
SNS広告の特徴として、広告を配信するユーザーの属性を細かく絞り込むことが可能です。
性別や年代以外にも、居住地を市町村単位で指定したり、推定された年収や家族構成などで絞り込めるため、自社が想定しているターゲットユーザーにピンポイントで広告を閲覧してもらうことが可能です。
出稿時の単価を自社で決めることができる
中小企業の場合多額の広告予算を確保できないこともありますが、SNS広告の多くは広告出稿用のアカウントを作成し、管理メニューから広告出稿時の「単価」を自社で設定することができるため、予算を大幅に超えた出費が発生することはありません。
ただし競合企業と比較して大幅に単価が低い場合、自社の広告のインプレッション(露出量)が広告配信期間内の目標数に達しないことがあります。
SNS広告の活用パターン
SNS広告は交通広告のように継続的に出稿することもできますが、以下のようなタイミングで出稿するとより効果的にユーザーからのアクションを獲得することができます。
新商品や新サービスのプロモーション
これから認知を獲得していきたい新商品や新サービスについて広告を出稿することは非常に有効な活用パターンになります。
SNS広告の利点として、出稿時に配信対象を「商品やサービスが想定しているターゲット層」に絞り込むことで、配信効果をより高めることが可能です。
また、リンクからランディングページ(LP)やオンラインショップへユーザーを誘導することで、購買にもつながりやすくなります。
イベントやキャンペーンを実施した上でのプロモーション
ブランディングやリード獲得を目的にイベントやキャンペーンを実施するときに合わせて広告を配信することも有効です。
イベントやキャンペーンは商品・サービスが最も注目される時期に開催することが多いため、広告がユーザーの興味を惹きやすい利点もあります。
具体例:
- 年末に年賀状作成サービスの広告を配信する
- 新社会人向けに新聞購読キャンペーンを実施し広告を配信する
各SNS広告の特徴と費用
LINE広告
LINEは日本国内で月間9,400万人以上が利用するメッセージアプリで、属性を問わず幅広いユーザーがいるため、どのようなビジネスを展開している企業でも広告効果を期待することができます。
広告出稿にかかる費用は入札制で決定されるため、自社の広告予算に応じて設定することが可能です。
課金形式として、クリック課金とインプレッション課金の他、「友だち追加ごとに課金」を選択でき、友だち追加をコンバージョンとしたい企業は他の課金形式と比べて相対的に予算を抑えることができます。
また、LINEが提携する外部企業に対しても「LINEアドネットワーク機能」で広告を配信することも可能です。
Twitter広告
Twitterは日本国内で4,500万以上のユーザーがいるSNSです。
ツイート形式の「プロモ広告」やフォローを促す「フォロワー獲得広告」、トレンドキーワードの中にプロモーションを挿入できる「Twitterテイクオーバー」などの広告メニューがあります。
BtoCビジネスを展開する企業がユーザーの口コミによる話題の拡散を狙いたい場合にオススメです。
【主な広告の種類】
プロモ広告=ツイート形式でタイムラインなどに表示される広告
フォロワー獲得広告=アカウントのフォローを促す広告
Twitterテイクオーバー=トレンドなどに表示される広告
Instagram広告
Instagramは流行に敏感な女性ユーザーが多いSNSで、画像や動画を中心としたクリエイティブ(制作物)をユーザーにアピールすることで認知獲得や商品購入に繋げることができます。
広告の種類については、Instagram内の投稿の種類がフィード投稿、ストーリーズ、リールなど複数あるため、それぞれの投稿の特徴に合わせて広告を出稿することができます。
広告出稿のためにはFacebookアカウントが必要になりますが、具体的な運用開始までの手順については「担当者必見!インスタグラム広告の出し方&運用方法まとめ」の記事もご覧ください。
【主な広告の種類】
フィード広告=タイムラインでフィード投稿の中に表示される広告
ストーリーズ広告=ストーリーズ投稿の中に挿入される広告
リール広告=ユーザーがリール投稿を複数閲覧する際に挿入される広告
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Facebook広告
Facebookはビジネスパーソンや60代以上の利用者が多いSNSで、BtoB商材の広告出稿におすすめのSNSです。
実名制を採用しているため、ターゲティングした際の精度が高いこともFacebookで広告を出稿する際のメリットとして挙げられますが、20代のユーザーが少ないことや利用が活発でないユーザーがいる可能性があるというデメリットもあります。
【主な広告の種類】
Facebookフィード=Facebook上のタイムラインに表示される広告
Facebook動画フィード=ユーザーが投稿した動画の間で表示される広告
Facebookの右側広告枠=Webなどで右側に表示される広告
TikTok広告
Tiktokは他のSNSと比較してユーザー数は少ないものの若年層が多いSNSで、ショート動画を連続して再生する際に動画広告を表示させることで、ユーザーに対してストレスなく広告を表示させることができます。
広告の種類は単価や属性などを指定する運用型広告や期間や掲載位置を指定する予約型広告があり、特徴的な広告メニューとしては、特定のハッシュタグでユーザーが投稿する動画を喚起する「ハッシュタグチャレンジ」という広告メニューがあります。
YouTube広告
動画ジャンルで圧倒的な存在感があるYouTubeにおける広告メニューは動画再生時に動画枠内に表示する「インストリーム広告」や、ホーム画面や検索結果の中に広告が挿入される「インフィード動画広告」などがあります。
また、YouTube動画枠以外で動画広告として配信される「アウトストリーム広告」として、インリード広告、インフィード広告、インタースティシャル広告などがあります。
「インストリーム広告」は動画再生前や再生中に広告が挿入されますが、スキップを可能にする場合はスキップが可能となる前にユーザーの興味を引くメッセージを入れることに注意します。
また、スキップができない設定にする場合はユーザーが不快な印象を持ってしまうことがあるため長時間の動画はスキップを可能にすることをおすすめします。
YouTubeに広告を配信する場合はGoogle広告から配信設定を行ないます。
課金形態は1回視聴毎に課金されるものと、1000回再生される毎に課金される2つの形態があり、スキップ可能な場合は1回視聴毎、スキップ不可能なものは1000回再生毎の課金になります。
視聴毎課金の場合、スキップされた場合は費用が発生しません。
【主な広告の種類】
インストリーム広告=YouTube動画枠内で再生直後や再生中に挿入される動画広告
インフィード動画広告=トップページや検索結果画面に挿入され、クリックされると再生される動画広告
アウトストリーム広告=YouTube外の様々なサイトで再生される動画広告
バンパー広告=6秒以内のスキップできない動画広告
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SNS広告の選び方・失敗しないためのポイント
自社のターゲットを明確にする
SNSプラットフォーム毎にユーザー数や属性などに違いがあるため、自社の商品やサービスに合致したプラットフォームを選ぶことが大切です。
さらに予算に余裕があれば複数のSNSに広告を出稿し、効果を比較することで知見を得ることもできます。
今後プラットフォーム各社が公表する情報などを参考にしながら、自社が広告を出稿する際に最適なSNSはどれかを検討することが非常に重要です。
ユーザー属性絞り込み機能を比較する
広告配信時のユーザー属性などの絞り込み機能については、SNSのプラットフォーム毎に大きく異なります。
ユーザーの年収でセグメントできるSNSもあれば、ユーザーの居住地については「都道府県」で指定ができる場合と「市単位」で指定ができる場合があります。
広告を配信するユーザーを細かく絞り込みたい場合は、このようなユーザー属性の絞り込み機能について比較検討した上でSNSを選択することもオススメです。
日頃のSNS運用と合わせて広告出稿を検討する
SNS広告を出稿する場合、事前に自社でSNSアカウントを運用している場合は、そのアカウントのフォロワーも各種プロモーション活動に協力してくれたり、出稿時の目的であるコンバージョンを得やすくなることがあります。
また、広告出稿時に使用する画像やテキストについて、日頃のSNSアカウント運用で得られたユーザーからのフィードバックを活かすことも可能です。
そのため、今後SNS広告の出稿を検討している企業は事前にSNSアカウントを作成し、企業の認知度を向上させたり、企業のファンを増やすことも重要と考えます。
まとめ
初めてSNS広告を出稿する際には、予算の費用対効果を最大化するため最適なクリエイティブ(テキスト、画像、動画)を模索しながら運用することになります。
自社で広告運用のPDCAを回すことが難しい場合や、効率的に知見を得て運用することを希望する場合は、SNS広告運用を得意とする企業に広告運用を委託することも選択肢の一つとなります。
今回はSNS広告の基本について解説しましたが、SNS広告の運用を委託するときのポイントなど具体的なSNS広告運用のコツについてはこちらの記事でもディレクターバンクの経験豊富なディレクターが詳しく解説していますので、合わせてお読みください。
ディレクターバンクではSNS広告の運用や日頃のSNSアカウントの運用代行などSNSに関する様々な業務について企業のWebマーケティングのお手伝いを行なっています。
SNS以外にもWebマーケティング全般についてお悩みがある場合は、是非一度弊社までお問い合わせください。
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