Web担当者のためのマーケティング・ノウハウガイド

効果的なメールマーケティングとは?メリット・デメリットや具体的な手法も紹介

2021年9月24日

メールマーケティングはターゲットユーザーと定期的に接点をもち、購入や売上につながるアクションを起こしてもらうために有効な手法の一つ。
「これからメールマーケティングを始めたいけど『開封率』や『クリック率』など言葉が難しそう…」「惰性でメルマガを送り続けていたけど効果的な手法を知りたい」とお考えの担当者は必見です!この記事ではメールマーケティングで効果を上げるためにおさえたい基礎をわかりやすく解説していきます。

メールマーケティングとは?

メールマーケティングとは、メールを活用した顧客(見込み顧客)とのコミュニケーションによって、商品・サービスの認知獲得・理解促進や資料請求・購買などのアクションにつなげるマーケティングの手法です。

またこれまでは「取得できたリードリスト(連絡先一覧)から、一斉メールを送る」方法が主流でしたが、近年では顧客の基本情報や志向、商談の進度に合わせて最適化されたコンテンツを個別に配信するなど、より戦略的で細分化されたメールマーケティングが普及しつつあります。

メールマーケティングの種類

「メールマーケティング=メルマガ配信の一斉配信」というシンプルなスキームだけは、細分化するニーズに応えきれずトレンドを適切に捉えきれているとは言えません。属性や興味関心を軸にターゲットを分類してメールを出し分けたり(セグメントメール)、ユーザーのアクションに合わせたメール自動配信(ステップメール)など、メールマーケティングの形は、日々進化しています。様々なメールマーケティングの種類をおさえましょう。

メルマガとは

メールマガジンはメールアドレスを登録したユーザーに対して一斉に情報配信をおこなう従来型の手法です。新商品のお知らせやキャンペーン情報など、広く告知したい場合に活用します。

ステップメールとは

ステップメールはターゲットユーザーの行動(メール登録直後、資料請求後、商談から一定期間が経過など)によって、購入・受注へ向けて温度感を高めるような適切な内容のメールを配信します。ステップごとのユーザーの心理やニーズを把握した上でコンテンツ設計をする必要があるので具体的なカスタマージャーニーを描けていると良いでしょう。

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ターゲティングメール(セグメントメール)とは

ターゲティングメールは登録者情報によってセグメント(条件で分割)をして、配信するメールです。たとえば誕生日のクーポンメールやエリア限定の求人情報メールなどもこれに当てはまります。

リターゲティングメールとは

サイト上のユーザーの動きに合わせて、サイトやサービスを思い出して再訪し、アクションを起こしてもらうために送るメールです。たとえばECサイトでカートに商品を入れたまま離脱してしまったユーザーに購買への背中を押すようなメールなどです。

 

メールマーケティングのメリット・デメリット

メールマーケティングは広告や紙媒体のPRと比べ費用対効果のメリットが大きい一方、人的コストがデメリットとなりがちです。メールを活用する前に詳しく見ていきましょう。

メリット

1.低コストで始めやすい

紙のチラシや手紙などの印刷物やWeb広告・FAXなどと比較しても安価で手軽に済むのがメールのメリットです。また印刷会社や外注先の制作会社との校正・やりとりの手間もなく自社内で完結できるので、時間的なコストも削減できます。

2.コストパフォーマンスが高い

メールマーケティングは既に一度は接触をしたことがある準顕在層へ効率よくアプローチできます。URLを本文中に挿入していればワンクリックで詳細ページの閲覧や資料DLができて、受信者にとってもアクションがしやすく、売上にもつながりやすいでしょう。

認知をとるための広告や潜在層向けのSEOコンテンツなどと比較すると、メールマーケティングはコストパフォーマンスが高いと言えます。

3.効果が定量的に計れて効果測定がしやすい

ポスティングチラシやFAXと比較すると効果測定がしやすいのも魅力の一つ。効果検証ツールやパラメータを仕込むことによって、メールの開封率やクリック率が分かります。ツールによってはA/Bテストも可能で顧客に刺さる訴求の仕方などPDCAを回しやすくなります。

 

デメリット

1.定期的なコンテンツの更新が必要

メールマーケティングはターゲットユーザーが知りたかった情報やお得だ思える情報を届けることが第一です。Web広告やSNS投稿でも同じですが、毎回自社の宣伝ばかりの同じ内容を配信し続けていると、読者も飽きてしまい購読解除につながります。「週に1回」など高頻度でメールを届けたい場合は配信コンテンツや見せ方を更新し続ける必要があります。

2.ユーザー動向を把握しながら運用するため、負担が大きい

ターゲットユーザーのメール開封率やクリック率、クリック箇所など、メール配信ツールを導入していれば、かなり細かい計測が可能雨になるのがメールマーケティングのメリットでもありデメリットでもあります。配信時間や件名や提供コンテンツなどの改善ポイントが多く見つかるため、精度を上げようとすればするほど分析や改善に時間を必要とします。

 

メールマーケティングの実施方法

では実際にメールマーケティングを始めようとした場合、どのようなフローでおこうべきでしょうか。ここでは基本的な実施方法とステップを紹介します。

0:実施目的、目標設定

まずはメールマーケティングの目的を明確にします。
「メール経由でセミナー申し込み月●件」とKGIを設定しても良いでしょう。
「登録者とのコミュニケーション、ファン化」を目的にする場合は、メール経由のサイト流入を指標とする、アンケートの回答をしてもらうなどの施策・コンテンツが決まってきます。

1:メールアドレス、配信リストの用意

名刺交換をしたり会員登録をしてもらっていたり、顧客のアドレスの取得はできていますか? 既にある顧客情報を基にメールの配信リストを用意していきます。
アドレスと名前だけでなく所属組織や住所、商談状況などが分かっていればセグメントができ、より効果的なメール配信が可能です。

まだメールアドレスを一定数取得できていない場合は「メール会員に登録しておくとお得なことがある」というベネフィットを自社ホームページ上の「メルマガ登録バナー」などで見せて、登録者数を増やしましょう。

2:プランニング(シナリオの設計)

マーケティングの基本である「誰に、どのように届けるのか」をプランニングしていきます。この段階でメールのトンマナや配信タイミングが決まっていきます。

【シナリオ設計例】
誰に:中小企業のマーケティング担当者
いつ:平日のランチタイム明けのメールチェックのタイミングで読める
どのように:軽めのお役立ちコラムを配信する
→自社の専門性の高さを訴求しつつ、月に1回無料相談会のお知らせをする(アクションを促す工夫)

ただしこの時点では仮説段階です。実際に配信をした後に、開封率、CTRなどを測定し、改善すべき点を洗い出してマイナーチェンジをおこない、改善施策の方向性に迷う場合はA/Bテストするなどして、メールの勝ちパターンを見つけていきます。

3:メール作成

メールを作成していきます。あからさまにCVポイントを散りばめるだけではなく、まずはユーザーのためになる情報提供を心がけましょう。また本文だけでなく、開封率をあげるためには件名も重要です。
定期配信をする場合は、ひな形(定型文)を決めてしまうと毎回ゼロからメールコンテンツを設計する手間が省けます。

4:メール配信

いよいよメール配信の設定を行います。大量送信する場合はメール配信ツール、細かいセグメントをおこないたい場合はMA(マーケティングオートメーション)ツールを利用するのが一般的です。

  • 差出人名、アドレス
  • 配信時間
  • 配信先(セグメント)および件数

はWチェックをするなど、配信間違いがないように気を付けましょう。

メール配信システムとは

メール配信システムとはメールマーケティングに特化した配信システムです。一斉メール送信だけでなく宛名を受信者名にする差し込み機能、画像も挿入できるHTMLメールの作成など、メールを送るうえで必要なツールが揃っています。機能がメールに限定されているので、使い方もシンプルなものが多いです。

MAツールとは

MAとは「Marketing Automation」の略で、MAツールとはマーケティング活動全般の自動化を助けるツールです。たとえば「HubSpot」や「Marketo Engage」などが世界的にも有名なMAツールです。メールだけでなくWeb上のユーザー行動を元にした効果測定や分析にも優れており、連続的なマーケティング施策をおこなえます。

5:効果測定および検証

メール内の各URLパラメータを仕込んでクリック数を確認したり、MAツールの結果から「誰がどのリンクをクリックしたか」「どんな属性の人がサイトを再来訪したか」を見たりして効果測定をおこないます。シナリオ通りの反応が得られたのかを検証し、効果が出ていない場合はシナリオの改善をしたり、同じシナリオでも時期が違うと効果が変わるのかなど、様々な角度から検証していきます。

細かい指標は「メールマーケティングの効果を上げるために見るべき指標(KPI)と改善方法」にて詳しく解説します。

6:改善

効果測定の結果、改善すべき点が明らかになったら、改善施策を実行します。
件名、配信タイミング、ターゲティング、コピーライティング、クリエイティブ(挿入画像)……など、どこがボトルネックになっているかを確認し、KGI達成のために、どんなテコ入れが必要なのかを検討し、優先度を決定していきます。

この効果測定〜改善策の実施を成功させるには、設計した戦略を常に念頭に置き、短期・長期の双方向の視点で現状分析をしていく必要があります。メール制作・配信の実務と両立することが難しい場合が多いので、担当者を分けるか、ノウハウを持った外部パートナーをチームに加えて運用していくと効果的です。

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メールマーケティングの効果を上げるために見るべき指標(KPI)と改善方法

ここではメールマーケティングの効果測定を行うための指標(KPI)にはどんなものがあるのでしょうか?ここでは、一般的な5つの重要指標は以下の通りです。

メールマーケティングで確認すべき5つのKPI

到達率

「到達率」は読んで字のごとく、「配信したメールのうちどれくらいのメールが届いたか」の割合です。登録時にメールアドレスを間違えて入力してしまった場合もあれば、相手先にブロックされてしまっている場合もあります。不達アドレスは次回の配信リストから外すなど小まめに配信リストのクリーニングもするようにしてください。

開封率

「開封率」は「届いたメールのうちどれくらいのメールが開いてもらえたか」を表す指標です。
件名や差出人、リード文からメールが開封されることなく削除されてしまう場合もありますので、これらは特に工夫して開封してもらえるようにしましょう。

クリック率

「クリック率」は「開封されたメール本文中のURLがどれくらいクリックされたか」が分かります。
たとえばメールで「商品A、商品B、商品C」それぞれのURLを設置しクリック率を検証すれば、どの商品が人気そうか、どんな訴求が刺さるのかを推測することができます。

コンバージョン率

「コンバージョン率」は「メール配信をしたことによって出た効果の達成度合い」の指標になります。メールマーケティングの場合、メール経由の資料請求数、問い合わせ数、購入数などをコンバージョン(CV)と設定することが多いです。

購読解除率

「購読解除率」は「到達したメールのうち何割が配信をストップしたか」、どちらかというとネガティブな反応を測る指標です。
単純に担当者が異動のため情報が不要になった場合もあれば、配信内容がターゲットに合っておらず改善が必要となる場合もあります。
購読が解除できる導線もメール内にあわせて用意しておきましょう。

KPIを改善する方法

「メールマーケティングの効果が出ない」と悩んだ時に見直したい3つのポイントを紹介します。

メールの件名を見直す

メールの件名は冒頭の「15~25字程度」しか目に入りません。人間心理を理解し、思わずメールを開きたくなるような工夫をすれば開封率が改善するかもしれません。

開封率を上げる件名に使われやすい訴求例:
【新着】、先着●名様無料、成約率が25%アップした秘密とは?……など

配信頻度や配信日時を見直す

配信頻度や日時もユーザー行動を推測して見直しをはかりましょう。
配信頻度は多ければ良いというわけでもありません。読者が「多い」と感じてしまえば、購読解除率の上昇につながります。
また配信日時も改善できる余地があります。たとえば13:00とピッタリの時間にメールを送る企業は多いですが、13:08に送ることで他社の配信時間とかぶらず開封率が上がったということもあります。

配信リストを見直す

読者の熱量(すでにサービスのファンか、まだ情報収集段階なのかなど)や志向によって、適切なメールの内容が変わってくるかもしれません。配信リストを見直したり、登録者情報の精度を上げたりしてベストマッチの内容を送れるようにしましょう。クリック率やコンバージョン率の改善が期待できます。

 

メールマーケティングを効果的におこなう方法

最後にメールマーケティングを効果的におこなうためのポイントをおさらいします。

中長期的な目線で運用し改善を重ねる

メールマーケティングは「1回送信したら終わり」ではなく、定期的配信で仮説検証を繰り返し、改善を重ねることで効果が現れる施策です。

また一方的に、商品・サービスの宣伝活動をおこなうのではなく、中長期的に顧客と接点を増やし顧客を育成(ナーチャリング)していくために、「本当に受け取りての役に立つコンテンツを提供できているか」という視点が必要でしょう。中長期的な視点でシナリオがうまく描けていれば、すぐに購買につながらなくても、数か月後、半年後、ニーズが高まった時に一気にアクションにつながる可能性を秘めています。

3Wを明確にする

3Wとは「Who(誰に)」「When(いつ)」「What(何を)」の頭文字です。メールマーケティングをおこなう上でもこの3つの要素は無視できません。計測ツールを用いたり、ユーザーインタビューをおこなうなどしてベストな訴求内容や配信タイミングを見出していきましょう。

A/Bテストを実施して改善を継続する

たとえば「件名だけを変更し本文を同じメ―ルをグループAとグループBに送った場合、どちらが開封率が良かったか」などを検証することをA/Bテストといいます。A/Bテストによって見つけた勝ちパターンを当てはめることでより効果的なメール配信がおこなえるでしょう。ツールを利用するとより簡単に実施ができます。

ツールを導入する

最近ではメールマーケティングに特化した配信システムやWeb施策と連動できる総合的なマーケティングツールも出てきました。コストはかかりますが、業務効率化や人力では難しいような分析をもとに期待以上の効果を出すことができるかもしれません。

 

まとめ

メールマーケティングは費用対効果の高い施策の一つです。この記事を参考に「ただなんとなくメルマガを配信する」から一歩進んで「効果の出るメールマーケティング」を実践してもらえたら嬉しいです。

売り上げにつながるWebマーケ支援やMAツール導入の経験豊富なディレクター陣が在籍しています! ぜひお気軽にご相談ください。

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