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Zapierで作るデジマ運用業務のRPA化(第二回:Zapierの活用事例編)

2019年1月10日

様々なWebアプリケーションと連携して、業務の自動化ができるクラウドサービス「Zapier」を使って、実際にどのようなデジタルマーケティングの運用業務が自動化できるか、というテーマではじめた連載コラムの二回目です。

Zapier  https://zapier.com/

一回目は「Zapierをまずはざっと理解する編」と題して、Zapierの基本的な使い方の説明をさせていただきました。(まだ読んでいない方はこちらをご覧ください

二回目の今回は、ようやく本題です。
「実際どのような運用業務を自動化しているのか?」という疑問にお答えすべく、ディレクターバンク株式会社のデジタルマーケティング運用における、Zapierの活用事例を5つほどご紹介したいと思います。

ディレクターバンク株式会社では、この「Web担当者のための見積もり相場ガイド(以下、見積もり相場ガイド)」の運用をはじめ、様々な運用業務をZapierを使って自動化しています。

(2019/02/07追記:以下の記事内容をPDF資料としてダウンロード公開しました。よければこちらもご利用ください)

そもそもどんなWebアプリケーションをZapierで連携しているか?

見積もり相場ガイドでは、主に以下のWebアプリケーションを使ってWebサイトの運用をしています。そしてこれらのWebアプリケーション間のデータ連携をZapierが自動におこなっています。

図の中に表記しているWebアプリケーションを、以下、簡単に紹介しますね。

A.Webサイト

見積もり相場ガイドのWebサイトは、WordPressでコンテンツ配信をしています。また、お問い合わせ窓口や資料ダウンロードコンテンツの管理は、オープンソースのマーケティングオートメーションツール(MA)の「Mautic」を使っています。ちなみに、「マーケティングオートメーションツールって何?」と思われた方はこちらの記事をご参考にしてみてください。→ 「マーケティングオートメーションツールの最新相場調査:2018年7月版

B.SNS

見積もり相場ガイドで新しい記事を公開すると、Facebookページとツイッターで新着記事の案内をしています。

C.情報管理

見積もり相場ガイドでは、ユーザーの問い合わせや資料ダウンロードした人のリスト管理、記事作成の企画書、取材先データ等はすべてkintoneを使って管理しています。kintoneはサイボウズ株式会社が提供する、ブラウザ上で簡単に業務システムやDBが構築できるWebアプリケーションです。これはこれで使いこなすといろんなことができるので、興味のある方はkintoneのサイトをご覧いただければと思います。

D.情報共有

見積もり相場ガイド編集部内のメインの情報共有ツールはChatworkを使っています。また、各コンテンツの原稿入稿日や公開日はグーグルカレンダーで共有しています。

E.分析、レポーティング

見積もり相場ガイドのアクセス分析はグーグルアナリティクスを使っているのですが、レポーティングはグーグルデータポータルを使っています。グーグルデータポータルは、一度レポートフォーマットを作ってしまえば、毎回レポート作成する必要なく、データを柔軟に参照することができる、とても便利なBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールです。

また、グーグルデータポータルはグーグルアナリティクスの他に、グーグルのスプレッドシートのデータなども素材として簡単に取り込むことができます。例えば、見積もり相場ガイドの場合は、問い合わせ内容や記事公開履歴などの実績データもスプレッドシートからグーグルデータポータルに取り込んでいます。

それでは、これらのWebアプリケーションとZapierを連携させてどのような運用業務を自動化しているのか、具体的な事例をご紹介します。

事例その1.コンテンツ配信業務の自動化

例)新規記事公開をしたら、Facebookページやツイッターで告知をする。

こちらは、第一回の「Zapierをまずはざっと理解する編」でもご紹介した、WordPress上で新規ページを公開したらFacebookやツイッターに投稿する連携です。

事例その2.問い合わせ情報の管理と共有

例)問い合わせが入ったら、kintoneの「問い合わせ管理」アプリに登録する。

見積もり相場ガイドの場合、Webサイト上に設置した問い合わせフォームはMauticの機能で構築しています。Mauticの問い合わせフォームに問い合わせがくると、Zapier経由でkintoneの「問い合わせ管理」アプリに自動的に情報登録される連携を実装しています。

この場合、Zapierの「フィルタ」機能を使って、Mauticの問い合わせフォームに入った問い合わせのうち、ある条件をクリアしたものだけをkintoneの「問い合わせ管理」アプリに登録する、という設定をしています。(なかには問い合わせではないものもあるので。。。)

Zapierにはこのような条件付きの連携処理も簡単に設定できます。

 

例)kintoneに問い合わせ情報が登録されたら、チャットワークで関係者に知らせる。

kintoneのWebhook機能(別のWebアプリケーションにリアルタイムで情報をプッシュする仕組み)を使って、kintoneの「問い合わせ管理」アプリに新規で情報が登録されたら、スタッフ用のチャットワークグループに「問い合わせがありました!」という通知を自動投稿する仕組みも設定しています。

 

例)kintone上で問い合わせ情報のステータスを変更したら、チャットワークで関係者に知らせる。

前述の「問い合わせがありました!」投稿をチャットワークで受け取ったスタッフが、問い合わせ対応を行った後、キントーン 上の該当問い合わせ情報のステータスを、「未対応→対応済み」といった形に変更したら、今度は「問い合わせの対応が完了しました!」という通知を関係者に自動投稿する仕組みも作っています。これで毎回、手動で「対応しておきましたー」みたいな投稿を自分でしなくてもOKです。

事例その3.コンテンツ制作スケジュールの共有

例)kintoneで管理している「記事制作指示書」に記載した記事の入稿日と公開日をグーグルカレンダーで共有する。

見積もり相場ガイドでは、記事制作の企画や進行状況の共有をすべてkintone上でおこなっています。

例えば、毎回の記事制作をライターに作成依頼する「記事制作依頼書」をKintone上で作成し、そこで原稿の入稿日と公開日も管理しています。

上記の連携は、原稿の入稿日と公開日が「記事制作依頼書」に記載されたら、自動的に関係者で共有しているグーグルカレンダーにも表示される連携をおこなっています。これで、いつどんなコンテンツが公開されるのか、関係者で予定をスムーズに共有することができます。

事例その4.議事録の共有

例)kintoneで議事録を登録すると、チャットワークで関係者に知らせる。

弊社の場合、議事録もkintoneに登録しています。で、kintoneに議事録が登録されると自動的に該当するチャットワークのグループに通知が行われる仕組みも作っています。これで毎回、議事録を作成した後、関係者にメールで送付とかしなくてもいいので手間が減ります。

事例その5.問い合わせ履歴や活動履歴をレポートに自動的に盛り込む

例)コンテンツの公開日とタイトルをスプレッドシートに書き込んでおく。

例)問い合わせがkintoneに登録されたらスプレッドシートに問い合わせ種別と日付を書き込んでおく。

これらの連携でグーグルスプレッドシートに書き込んだデータは、グーグルデータポータルで作成するレポートの材料として使います。アナリティクスのサイトアクセスデータと組み合わせることによって、メンバー内の活動とアクセスデータ、そしてユーザーの反応といった一連の流れをひとつのレポートに自動的に盛り込むことが可能になります。

 

まとめ

Zapierで作るデジマ運用業務のRPA化、いかがでしたでしょうか?

長文になりましたが、このコラムで一番言いたいことは「Webアプリケーション間の情報の受け渡しや加工は手動ではなく、Zapierでやると便利ですよ!」ということです。

特に情報の管理や関係者共有、それにレポーティングはこれでほとんど自動化します。
ルーティン業務として、関係者への報告作業やレポート作成にかなりの時間を割いているようでしたら、一度検討してみてはいかがでしょうか?

 

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棟近 直広

1996年から大手IT企業で、コンシューマ向けの新規事業企画やサービス立ち上げをプロデュースした後、2017年に独立。 現在は、ディレクターバンク株式会社代表取締役、兼ディレクター