日本国内で3,300万人以上のユーザーが利用しているインスタグラムは、1日700万件もの投稿があり、1日に公開されるストーリーズは映画1万本分にも匹敵するとされる人気のSNSです。(2019年3月時点)
参考:ソーシャルメディアラボ
インスタグラムのマーケティング活用は、様々な企業で積極的に行われていますが、なんとなく運用をしているケースも少なくないのではないでしょうか?
そこで今回は、インスタグラムの企業アカウント運用のメリットを改めて解説していきます。これから運用を開始する担当者の方はもちろん、「この運用で合っているのかな?」と迷った際にも、基本に立ち戻る意味でぜひご一読ください。
企業がインスタアカウントを運用する4つのメリットとは?
企業がインスタグラムアカウントを開設し、運用するメリットには以下の4つが挙げられます。
1. インスタグラムを使って企業の認知獲得
インスタグラムでは同じ興味関心を持ったユーザー同士がつながりを持てるようなアルゴリズムが働いているため、アプローチしたいターゲットユーザーがコミュニティを形成している場合があります。企業や商品サービスの認知獲得を目的とする場合も効率よくターゲットにアプローチすることが可能です。
相互フォローの関係にあるユーザー同士がリアルで知り合う場合も多く、自然にクチコミが発生することも少なくないでしょう。
2. インスタグラムからECへの誘導
インスタグラムのショップ機能を使えば、投稿画像から商品詳細を見ることができるだけでなくその場で決済も可能です。C向けの製品(アパレルや生活雑貨など)の販路拡大に有効です。
3.インスタグラム上の見込み客とのコミュニケーションを継続
直接サイトやECサイトを訪問するような顕在顧客ではなく、「いつか商品購入を検討したい」という潜在的な顧客との関係を維持することができます。インスタグラムでは、画像投稿だけでなく、ストーリーズやライブ配信など様々なコンテンツ投稿が可能なので、ユーザーが飽きないよう、様々な角度からの興味喚起を図ることが可能です。
4. インスタグラムでの双方向のコミュニケーション
各投稿へコメントをしてもらったり、ストーリーズのアンケート機能を使って意見を求めたり、フォロワーからのフィードバックを得やすいインスタグラム。顧客視点が欲しい時にさっとヒアリングすることができます。Twitterのようにワンクリックで拡散できる機能がなく、丁寧に投稿するユーザーが多いため、炎上リスクも低いと言えるでしょう。
また、自社製品・サービスに関するユーザー投稿を集める施策も一般的です。商品レビューや使い方の解説投稿など「こんな風に使ってみました」というようなユーザー投稿(UGC)は、企業が発信する以上にフォロワーへの影響力が高いことも多く、ユーザーの許可を得て、企業アカウントで紹介することでエンゲージメント向上を狙うことができます。
以上が、一般的なインスタグラムの活用メリットでした。
これからインスタ運用を始める方や、なんとなく運用開始した方は、これらのメリットを踏まえ、どんな目的(KGI)でインスタグラム運用をしていくか検討してみてください。
インスタグラム活用のデメリット、インスタは外部サイト誘導が苦手
ちなみに、投稿の文章中に直接リンクを貼ることができないインスタは、外部サイトへの誘導にはあまり向いていません。LPへの集客、キャンペーン告知などを目的とする場合は、広告出稿など他の施策を検討するか、他のSNS(Twitterなど)の方が適切でしょう。
ただし、フォロワーが1万人に達したアカウントであれば、ストーリーズ投稿にURLを設置することができるので、立ち上げから数ヶ月〜1年程度で、順調にフォロワーを増やすことができれば、上記の限りではありません。
インスタ企業アカウントの立ち上げ方とは
企業がインスタグラムでアカウントを開設する方法は、個人アカウントとほぼ同じですが、いくつか注意点があります。例えば、プロフィールに問い合わせ先を表示させたり、分析機能を利用したりするには、プロアカウントへの切り替えが必要になります。
また、うっかり個人のFacebookアカウントと連携しない、ユーザーネームは熟考してから設定するなど、設定時の注意点もありますので事前にこちらの記事を一読してみてください。
インスタグラム企業アカウント開設後に実施したい4つのフォロワー獲得施策とは
インスタグラムの企業アカウント開設後は、フォロワー獲得をKPIとおく場合がほとんどです。ここでは、開設直後から実践可能な、フォロワー獲得施策について紹介していきます。難易度・予算も記載があるので、判断材料にどうぞ!
1.自社HP、店頭チラシなどをフル活用してインスタグラムを宣伝する
難易度:★☆☆
費用:低コスト
HPに企業アカウントを掲載したり、店頭やチラシなどにフォロー用のQRを掲出するなど、まずは身近なところから着手しましょう。
店舗運営をしている場合は、来店した顧客に「フォローしてくれるとプレゼントがもらえる」などのキャンペーンを実施することが初期フォロワーの獲得にとても効果的です。飲食店で「インスタグラムのフォローでドリンク一杯無料」などがその一例です。
実施する際の注意点
自社・サービスの認知層、来店したことのある層は企業にとってすでに企業に価値を感じ信頼を置いてくれている、最も大切にすべき顧客です。リアルからインスタ上でコミュニケーションを継続することで、再来店の促進やブランド・商品サービスの理解度・好意度向上を図ることができます。忘れないようにしましょう。
2.プレゼントキャンペーンを実施してインスタグラムで認知向上を目指す
難易度 ★★☆
費用:自社商品などインセンティブ準備・発送費用
アカウントフォローを条件とするプレゼントキャンペーンは一般的に行われています。まずプレゼント企画を案内するフィード投稿を行い、賞品詳細・応募条件・注意事項などを投稿テキストに記載します。キャンペーンの告知方法として、適切なハッシュタグ(#プレゼント企画、など)をテキスト内に記載する他、広告出稿も効果的です。
ちなみに、フォロワー獲得を目的としたプレゼントキャンペーンの場合は、LPを準備しないケースも多くみられます。
実施する際の注意点
個人情報の取り扱い
賞品発送が必要な場合、当選者との個人情報のやり取りが発生しますので、DMでのやり取りなどで完結するのではなく、セキュリティ対策がされたフォームなどの利用がおすすめです。
インスタグラムプロモーションガイドラインの確認
キャンペーン実施に関するガイドライン(2020年12月時点)によると、
- キャンペーンのルールを設ける。
- 規約と資格要件を設定する。
- 懸賞などに置いては法律を尊守する。
ことでキャンペーンの実施を行うことが許されていますが、今後変更される可能性もあります。実施前に必ずガイドラインに目を通しておくことをおすすめします。不安な場合は、キャンペーン実施をサポートする外部パートナーへ相談するのもよいでしょう。
3.インスタグラム広告を出稿して企業の認知拡大を行う
難易度 ★★☆
費用:低コストから出稿可能(ターゲット設定と予算により変動あり)
インスタグラム広告は、性年代だけでなく興味関心軸からもユーザーを絞り込んでターゲティングできるので、自社アカウントとの親和性が高いフォロワーを効率よく獲得することができます。インスタ広告の運用相場は下記記事でご確認ください。
インスタグラム広告出稿での注意点
広告出稿にあたっては画像・動画の仕様に合わせた制作、ターゲットや目標設定など、ある程度の知見が必要になるため、初めての場合は、運用代行業者に依頼するのが無難でしょう。
4.インスタグラムを活用するインフルエンサーや著名人に拡散依頼をする
難易度:★☆☆
費用:1投稿10,000円程度〜(フォロワー数や知名度により変動)
自社アカウントとの親和性が高いインフルエンサー(フォロワー数が多く、フォロワーへの影響力が高いインスタグラムユーザー)のうち、数名にコンテンツの拡散を依頼することで、アカウントの認知獲得とフォロー促進を図る方法です。
予算は1投稿あたり数万円程度ですが、すでに自社商品・サービスを愛用しているインフルエンサーにアプローチすることができれば、商品提供のみで拡散に快く協力してくれるユーザーも少なくありません。
実施する際の注意点
インフルエンサーとそのフォロワーの興味関心は類似していることが多いため、適切なインフルエンサーの選定が大切になります。
また、インフルエンサーのフォロワー数は多ければ多いほど良いわけではありません。多額の報酬が発生する投稿依頼はユーザーにも不自然に映り、商品・サービスの信頼度を下げてしまう可能性も潜んでいます。また近年の傾向として、フォロワー数が3,000〜5,000人程度のインフルエンサーの方がユーザーと良好な関係構築ができている場合も多いので、ぜひ検討してみてください。
インスタ企業アカウント運用前に必ずチェックすべき3つのポイントとは
気の向くままに投稿できる個人アカウントとは違い、企業アカウント運用を始めるには、事前に戦略・運用設計を行い、社内で合意を取っておく必要があります。また、中長期的な視点で、運用継続が可能な体制を整えることも大切です。
ここからは、企業アカウント運用開始前の主なチェックポイントを解説していきます。
1.インスタグラムのKGI、KPIを設計し、運用目標を明確にする
何のためにインスタグラムアカウントを活用したいのか、運用した結果どんな課題解決につなげたいのか、とった具体的な最終目標を決めることをKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)の設定といいます。 例えば、ECサイトへの誘導を目的とした運用の場合、インスタグラム経由での売り上げUPがKGIとなります。
次に、最終目標の達成度合いを示すKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定します。ECサイトの例でいうと、インスタグラム経由での売上金額、その前段階の各商品ページの訪問数が重要なKPIとなるでしょう。それに準ずるKPIとして、商品を紹介した投稿のリーチ数やエンゲージメント数(いいね・コメント・保存の数)、アカウントフォロワーの数などもKGI達成に影響があるかもしれません。
どのKPI数値がKGI達成に直接関係しているかは、運用しながら精度を高めていくものですので、運用初期は考えられるKPIを複数設定しておくと良いでしょう。KPIが定まった後は、そのKPIが高くなるコンテンツを模索し、投稿パフォーマンスを向上していきます。こうすることで、明確なPDCAを回すことがでるようになります。
例えばKPIが商品ページ訪問数だった場合、どんな画像でどんなテキストの投稿が訪問数が高かったのか、という点を測定していけばよいことになります。
KPI設定方法については、下記記事でも詳しく解説しています。
2.インスタグラムアカウントの運用時の作業内容のイメージを持ち、体制を整える
手軽に開設できるインスタアカウントですが、運用の継続は決して簡単ではありません。ひとくくりにアカウント運用といっても、戦略設計(運用目的やKPIの設定など)、投稿画像・文章の作成、ハッシュタグの選定、レポート作成など、多岐に渡る業務をこなしていく必要があります。
どんなネタをどんな体制で制作してくか、シミュレーションをしていないと、すぐにネタ切れ、担当者(特に他業務と兼任の場合)の業務が逼迫します。
現在の運用体制では業務がさばき切れない場合や、初めてのことでどうしたら良いのかわからない場合は一度、インスタグラム運用代行会社の活用も検討してみてはいかがでしょうか。
3.インスタグラムのプロアカウントについてはこちらの記事をチェック
こちらの記事でも詳しく解説していますが、企業アカウント開設時に押さえておきたいポイントがいくつかありますので、簡単にご紹介します。
■ ユーザーネームの設定
検索しやすくサービスや商品が想像しやすい短い名前に設定しましょう。
『.』や『_』などを多用すると、検索しづらいのでなるべく使用していないuser nameがおすすめです。
■ ユーザーネームの変更
サービス名やロゴなどと同じように、一度設定したら、理由がない限り変更しないようにしましょう。フォロワーが混乱し、フォローを外してしまう原因にもつながりますので要注意です。
■ 連絡先・Facebookとの同期
アカウント開設のフローの中で「連絡先と同期しますか?」「Facebookと同期しますか?」と問われますが、必ず「いいえ」で次のステップに進みます。運用担当者の情報が表に立ってしまうリスクがあります。
■ アカウントの公開設定
プロアカウントに切り替えると、非公開設定ができません。テスト投稿をしているつもりが、すでに公開されていた、ということの起こり得ますので、気をつけましょう。
■ 2段階認証の設定
インスタアカウントの乗っ取りが多発しているため、アカウントの保護のためにも2段階認証を行うようにしてください。端末認証が入るので、どの端末で認証作業をしたか関係者間で情報共有をしておくと良いです。引き継ぎ時に後任がログインしようとした際に、前任の端末に認証番号が送られてしまうことになります。
■ 最低年齢の設定
酒類を扱う企業の場合や、購入・利用に年齢制限のある商品を扱っている場合は、最低年齢を設定を行っておきましょう
まとめ
インスタグラム企業アカウントを運用するメリットや運用方法についてまとめてみました。
企業アカウントを運用することになって、戸惑う担当者さんにとって最初の一歩が踏み出せるきっかけが見つかれば嬉しいです。とはいえ、理解はできたものの、現実的にリソース不足、知見不足を感じることもあるかもしれません。
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