営業やマーケティング部門でのDX化にともなって、自社のリード管理や運用の体制も見直したいというニーズが最近増えてきているように思います。
特にB2B企業の場合、今まで対面営業による名刺交換や、展示会出展によってリード獲得・管理してきたスタイルから一変し、Web広告出稿やSNSマーケティングによるリード獲得・管理の流れに大幅にシフトしている企業は多いのではないでしょうか。
自社のWebマーケティング活動を進める上で欠かせないリード管理について、必要な考え方の解説から、リード管理の体制構築のポイントについてまとめてみました。
自社のリード管理の見直しについて迷っている担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
リードとは?
まず、言葉の定義から。リードとは、自社の商品やサービスについて興味や関心をもっている、「見込み客」のことを指します。
具体的に言うと、例えば、自社のWebサイトから問い合わせをしてきた方や、商品説明資料をダウンロードした方で、メールアドレスなどが把握できていて、コミュニケーション可能な人を言います。
さらに獲得したリード(見込み客)は、対応する部署によって、レベル分けされることもあります。
例えば、マーケティング部門がコミュニケーション対応するリードをMQL(Marketing Qualified Leads)と呼んだり、営業部門がコミュニケーション対応するリードをSQL(Sales Qualified Leads)と呼んだりします。
リード獲得から商談管理までのプロセス設計については、以下にまとめた記事がありますので、よかったらご覧ください。
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見込み客とは?2021年DX化に向けた見込み客の獲得・商談化プロセス設計
2021年、今だに新型コロナの収束が見えない現状で、特にBtoBのビジネスを手掛けている企業においては、どのように新規の見込み客を開拓すべきか、お困りのマーケティング、営業担当者の方は多いのではないで ...
リード管理とは?
リード管理とは、リード(見込み客)獲得時の情報や、自社とのコミュニケーション履歴、購買プロセスを管理することです。
リード管理を効率化していくことによって、売上につながる見込み客を選別しやすくなり、効果的なマーケティング、営業活動が可能になります。
リード管理は主に3つのプロセスに分類されます。
1.リードジェネレーション(リード獲得)
潜在客に対して、自社の商品やサービスを広告などで認知させることによって、自社のWebサイトに集客し、問い合わせや資料ダウンロードなどを通じて、メールアドレスなどの連絡先情報を獲得することをリードジェネレーション(リード獲得)と呼びます。
リードジェネレーションに関して、手法選定のイロハを以下の記事にまとめていますので、具体的な手法については、こちらをご覧ください。
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リードジェネレーションとは?どの手法が効果的?手法選定のイロハ
自社のマーケティング活動を進める上で、最初に直面する課題が「リードジェネレーション(リード獲得)」。ここがスムーズに突破できない限り、マーケティング活動・営業活動のスタート地点に立つことができません。 ...
2.リードナーチャリング(リードの育成)
獲得したリードは、すぐに商談できる状態の見込み客から、まだ商談までにいたらない見込み客まで様々な見込み客で構成されていると思います。
まだ、商談までにいたらない見込み客に対しては、定期的にコンテンツを提供していくことによって、自身が持っている課題を明確にさせて、それを解決するためのソリューションに対する関心を高めていく必要があります。
リードを商談可能な状態にしていく活動のことをリードナーチャリング(リードの育成)を呼びます。
よく使われるリードナーチャリングの考え方に、以下のようなフレームワークがあります。
この場合、「まだまだ客」を「いますぐ客」に成長させていくコンテンツとして、2方向に向けたコンテンツ提供を検討していきます。
ニーズを高めるコンテンツ提供
課題の具体化・直近の必要性を訴求していくコンテンツを提供していきます。
ウォンツを高めるコンテンツ提供
解決策(自社商品)の受け入れやすさ、合理性を訴求していくコンテンツを提供していきます。
具体的なコンテンツの提供方法としては、
・自社Webサイト上でのブログなどの記事コンテンツ化
・ウェビナーの開催
などを用意し、メールやSNSなどでリードに対して上記のコンテンツをお知らせしていきます。
3.リードクオリフィケーション(リードの分類と絞り込み)
リード管理では、育成したリードをどういう状態になったら、営業部門に渡すか、あらかじめルール化して、その条件でリードを都度選別していく作業が必要となります。
これをリードクオリフィケーション(リードの分類と絞り込み)と言います。
選別には、いろんな手法がありますが、基本的には以下の考え方でリードを分類していけばいいかなと個人的には思います。
・リード登録時の情報
問い合わせや資料ダウンロードをする際に登録する情報の中で、見込み顧客の対象となる属性を選択した人でふるい分けていきます。例えば、職業区分や役職、企業規模など。
・リードの行動情報
メールマガジンの中で紹介したURLをクリックした人、自社のWebサイトで特定のページを閲覧した人などでふるい分けていきます。
リード管理のポイントとは?育成と絞り込みが重要!
リード管理の設計では、獲得手法ばかりが注目されますが、同じくらいに育成と絞り込みも重要だと思います。
大切なことは自社で保持しているリードの全体数ではなく、その中でどれくらいコミュニケーションに反応してくれて、将来の顧客になってくれる可能性の高いリードが占めているか、ということだと思います。
そのためには、リードナーチャリング(リードの育成)と、リードクオリフィケーション(リードの分類と絞り込み)において、以下の点を考慮に入れたリード管理体制が必要だと思います。
リードナーチャリング(リードの育成)
セールス情報ではなく、見込み客の課題解決に貢献できる有益な情報はなにか? コンテンツを常に改善し、提供し続けられる体制作り
リードクオリフィケーション(リードの分類と絞り込み)
反応のないリードを定期的にコミュニケーションリストから除外していく、リード管理体制作り
リード管理におすすめのツール選定ポイントとは?
弊社はHubSpotをベースにリード管理環境を構築していますが、HubSpotの他にもSalesforceやMarketoなど、最近ではクラウド型のCRMツールが数多くあります。
自社の予算や事業規模に応じて、これらのツールの中から、自社のサイズにあったリード管理システムを選べば良いと思いますが、その際にチェックすべきポイントは3つあると思います。
1.運用の効率化、自動化がはかれるリード管理システムであること。(MA機能など)
2.簡単に分析ができるリード管理システムであること。(コンバージョン分析、メール開封などのナーチャリング分析)
3.運用フローやコンテンツの変更が簡単にできるリード管理システムであること。(ローコードなCMS、CRM環境)
個人的には、できるだけ最小スペックのシステム構成からスタートして、自社メンバー内で学習しながら拡張させていくスタンスが大切だと思います。
ディレクターバンクでは、このようなリード管理についての環境構築、運用支援も手掛けていますので、お気軽にご相談いただければと思います。
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