ランディングページ(LP)とは、検索結果や、Web上の広告などを経由して訪問者が最初にアクセスするページのことです。1枚のページで、訪問者に自社の商品やサービスの理解を高め、購買などの行動を促進していきます。
BtoBのビジネスモデルにおいても、Web上で見込み顧客のリードを獲得するためにランディングページを提供している企業が増えてきています。
今回は具体的なLP事例を見ながら、BtoBのLP制作で外せない5つのポイントを確認していきましょう。
「LPの最新トレンドを知りたい」「LPを初めて作ろうとしているが参考事例が知りたい」「これまでLPを作ったが効果が出ず、改善策を探している」という方はぜひ参考にしてください。
-
集客に成功するLPとは?目的や制作のポイント、外部委託する際のコツを現役ディレクターが直伝!
こちらの記事で、SNS広告から自社サイトやLP(ランディングページ)へ集客をする方法について平野由梨子さんにインタビューさせていただきました。その中で印象的だった、平野さんのアドバイスは「集客方法の最 ...
続きを見る
目次
ポイント1)ファーストビューで導入メリットを端的に訴求する
まずはBtoBサイト(SaaS)の事例を見てみましょう。
参照元:ラクラク勤怠管理「シュキーン導入」5つの理由|株式会社インフィニットループ
ユーザーは忙しい勤務時間内でパソコンを使って情報収集をしていると考えられます。ページを開いた瞬間に「良い」と思わせることが重要です。
その商品・サービスを購入することで、どんな課題が解決され、どんなメリットがもたらされるのかをなるべく端的に表すようにしましょう。
引用:集客に成功するLPとは?目的や制作のポイント、外部委託する際のコツを現役ディレクターが直伝!
また、決裁権のある人を説得する訴求ポイントがわかりやすくまとまっているものが望ましいでしょう。
したがって、ファーストビューでは最も言いたいことを集約して見せ、それ以外はページの下部に配置する構成にするとよいでしょう。
ポイント2)BtoBのLPは「信頼性の訴求」が重要
BtoCのLPでは衝動的な「欲しい!」といった欲求を喚起するのに対し、BtoBのLPでは「信頼できそうか?」「本当にビジネス上の課題解決になりそうか?」慎重に検討したいユーザーの背中を押すような要素を伝えるべきです。
「お客様の声」「導入事例」「実績」「権威者のお墨付き」など、客観的なファクトを活用し、ユーザーの信頼を獲得することも大切です。
引用:集客に成功するLPとは?目的や制作のポイント、外部委託する際のコツを現役ディレクターが直伝!
具体的な策を見てみましょう。
有名人(著名人)の活用
BtoBにおいても著名人の活用は有効な手段となりえます。
ラクラク勤怠管理「シュキーン導入」5つの理由|株式会社インフィニットループ
たとえばこの事例では、日本サッカーチームで中心的な役割を果たし、実業家や監督としての顔ももつ本田圭佑選手を起用しています。
ビジネスパーソンにとって知名度・好感度が高く、サービスの提供価値である「強い組織」のメッセージ性が有名人によって強化されている事例です。
サービス名が思い出せなくても、「あの○○さん(有名人)が出演していた~」と想起されやすくなるのもメリットです。
導入事例の紹介
LPで商品・サービスを利用している人の導入事例を紹介するパターンも増えています。
使用者のリアルな声やエピソードは客観的なファクトであり、見込み客が知りたい情報です。
BtoBの場合は導入企業のロゴを見せることも効果的です。
ネームバリューのある企業が多く並んでいると「信頼できる」と感じさせます。
中の人を紹介する
コンサルティングや伴走型のサービスの場合、「パートナーとなる相手がどんな人か」はユーザーにとって大きな不安になります。その不安を解消する方法に「中の人をLPで見せる」があります。
参照元:ビジネスパーソン向けオンラインコーチング【ZaPASS Coaching】| ZaPASS JAPAN 株式会社
会社の「顔」となる人に出演してもらい、その人となりを分かるようにしましょう。
上記のコーチングサービスの事例では、代表取締役と異なるバックボーンをもつスタープレイヤーが紹介されており、人材の幅や腕の確かさが伝わってきます。
やや長めのインタビューにつなげることで、さらに信頼を増す作りになっています。
受賞歴を打ち出す
客観的な視点を示すにあたって、各種コンテストの受賞歴や認証、クチコミ評価ランキングの入賞実績などを打ち出すのもオススメです。
参照元:ICT完全対応。次世代油圧ショベル 320| 日本キャタピラー
こちらはBtoBで重工機のLP事例です。専門性が高い商材は一見して他社商品との違いや安全性はわかりづらいです。そこで、受賞歴や認証のロゴをファーストビューで視覚的に信頼性を訴えてます。
「重要なことはファーストビューで示す」というセオリーも踏襲しています。
次の項で紹介する「競合比較」の観点からも有効性が高い施策です。
ポイント3)競合に対する優位性をわかりやすく表現する
BtoB商材はSaaSやコンサルティングなど高額なサービスであることが多いでしょう。そのため、担当者がサービスを探す際は1社だけでなく複数社を比較し、検討します。
LPで競合他社商品との比較によく使われるのがチャートです。コーポレートサイトやECサイトではあまり使われる手法ではありませんが、1ページという限られたLPの中で、わかりやすく自社のメリットを伝えることができるので、活用されることが多いです。
引用:集客に成功するLPとは?目的や制作のポイント、外部委託する際のコツを現役ディレクターが直伝!
ここでは競合比較で差をつけるLPの事例を紹介します。
競合比較チャートのデザイン例
チャートにて類似するサービスと比較し、価格や優位性のある項目が目立つような情報整理をしています。3パターンのデザイン事例を見てみましょう。
参照元:ラクラク勤怠管理「シュキーン導入」5つの理由|株式会社インフィニットループ
参照元:名刺管理ソフト・営業支援システムの『ホットプロファイル』|株式会社ハンモック
いずれにしても価格や時間短縮、サービスの充実度などが直感的にわかるデザインです。
自社の旧製品・他サービスとの比較をする場合
サービス自体が革新的で、まだ競合が存在していない場合は、自社の旧製品や自社の他商品との違いを提示することも効果的です。
コストがどの程度削減できるかを伝え、担当者にお得感を与える見せ方です。
参照元:goo AI x DESIGN(エーアイクロスデザイン)|エヌ・ティ・ティレゾナント株式会社
サービスや価格帯の異なるコースが複数ある場合も並べて見せることで、予算規模の異なる幅広いターゲットを狙えるでしょう。
ポイント4)読者の心理に合わせて読み進められるコンテンツ配置を心がける
LPは縦長のページ構成であることが一般的です。
「スクロールするたびに次の要素・コンテンツが出てくる」など読み手が飽きないようメリハリをつけることが大切。
LPが長くなる場合は、離脱させないようにCTAをバランスよく配置することも忘れないようにしましょう。
情報量が多くても、意外とスルスルと最後まで閲覧できてしまうLPもあります。画像やイラストを適度に配置し、読みやすいテキスト量・フォントサイズを探りながら設計します。
引用:集客に成功するLPとは?目的や制作のポイント、外部委託する際のコツを現役ディレクターが直伝!
たとえば、こちらのキャンペーンLPの事例ですが、矢印が伸びて、ステップの説明がされています。
シンプルですが、自分がスクロールすることで物語が展開するようでついつい最後までスクロールをしたくなる工夫です。
動画を挿入する
伝えたい要素が多い場合でも、延々とスクロールさせるようなLPは良いとは言えません。
それを解決する一つの手段として「動画の挿入」が挙げられます。
参照元:ラクラク勤怠管理「シュキーン導入」5つの理由|株式会社インフィニットループ
動画のメリットは訴求ポイントが多い場合でも「視覚+音声」で端的に情報を伝えられ、飽きを感じさせません。
診断コンテンツでアイキャッチ
こちらのLPはBtoCの弁護士事務所の事例です。「残業代の簡易計算」という診断コンテンツはインパクトがあり、お楽しみ感覚でユーザーの興味喚起ができます。
ページ滞在時間を伸ばし、読み進めてもらうためのフックになる効果が見込めます。
参照元:【相談無料】東京・千葉を中心にご依頼者の状況に応じた未払い残業代の解決を目指す|弁護士法人リーガルプラス
「経費節約になるかの簡易計算」「タイプ別診断」などBtoBのLPでも応用ができるでしょう。
ハードルの高い商材の場合、診断結果を見るために情報を入力してもらってリードを獲得することで、ナーチャリングにつなげることも可能です。
ポイント5)インパクトだけではなく、あくまでターゲットユーザーに合うトンマナでLPを創ること
ターゲットが好む、そして自社ブランドや商品に合ったトンマナであれば、マンガやイラスト、キャラクターなどを活用すると親しみを持ってもらいやすくなり、効果的です。
BtoBの場合、インパクトを追求するあまりにチープなトンマナになったり、信頼感を損ねるようなことにならないように気を付けましょう。
動的デザインでインパクトを出す
次々と現れるバナーや選択することで課題解決に近づくチャットボット。
動的なLPは読み手のワクワク感を醸成しやすく、複数の情報に触れさせることができます。
参照元:医師限定手術教育プラットフォーム | 株式会社OPExPARK
こちらの医療人材育成のLPも動的な要素が多いです。スクロールすると横からコンテンツが出てくる作りもユニークです。美しいクリエイティブに目が奪われますが、しっかりとヘッダーにCTAが固定されておりCVを逃しません。
こちらのアウトソーシングのLP事例を見ると、マンガのようなコマ割りで課題解決のストーリーが読めます。インパクトも大きく印象に残りやすいでしょう。
一方で、動きが多いと目が奪われるあまり内容が印象に残らないというデメリットもありますので、やりすぎには注意が必要です。
漫画やイラストを採用する
マンガは起承転結でサービスがどのように課題解決できるのかを見せられるので、縦長のLPとの性質ともマッチします。
説明が難しい場合はイラストや図解・キャラクターを用いれば、わかりやすく、親近感も湧くでしょう。
この求人サイトのLPではファーストビューでマンガが読めることを訴求し、スクロールすると縦読みマンガが始まります。
転職サイトを始め時短ツールなどはBefore/Afterを見せることでユーザーに「いいな」「自分もこうなりたい」と共感してもらいやすいですね。
「若い女性で美容医療やマンガにも興味がある」といったターゲットをしっかり狙えており、少女漫画風のタッチも合っています。
まとめ
BtoBでCVを獲得するために必要な様々な手法をLPの事例と共に紹介してきました。
貴社のサービスに初めて触れ、アクションを生むLP。
Webデザインのトレンドはありますが、BtoBのLPは信頼感を築くことがなにより重要になります。
細部のA/Bテストを繰り返す前に今回ご紹介した基本的なポイントをおさえられれているか確認してみてください。
「いまいち効果が出ない…」「見直し方がわからない」という場合は一度外部のプロに見てもらうのもよいですね。
LPはCVに近い接触ポイントだからこそ、手を抜かずに見直しと改善を重ねましょう。きっと貴社の売上の大きく貢献することでしょう。