中小企業やスタートアップ企業が広報活動を強化する場合、無料で始めることができるSNSを活用することは外せないポイントになります。
しかし、SNSアカウントを開設した後も
- どのような内容を発信すれば良いかわからない
- 発信しても思うような反応がない
- フォロワーやいいね!が思うように増えない
など、お悩みの方は多いのではないでしょうか。
また、TwitterやInstagramなどいくつものSNSで広報活動を展開した場合、担当者への負荷が大きくなってしまうという課題もあります。
この記事ではSNSで広報活動を強化したい中小企業やスタートアップの広報担当者、経営者の方に向けて、広報で活用する際の各SNSの特徴や、それを活かした事例を10社ご紹介します。
広報にSNSを活用するメリットとは?
メリット1:認知度の向上
中小企業やスタートアップ企業の多くが抱えている課題の1つは「自社のことが見込み顧客に知られていない」という認知度の低さになります。
BtoC企業だけでなく、BtoB企業でもSNSアカウントを作成することは重要です。例えばTwitterでは企業公式アカウント同士の交流を行なうことでフォロワーの増加や認知度向上に繋げることができます。
メリット2:低コストで運用可能
SNSは無料で始めることができ、広告出稿を行なわずに運用することも可能であることから、低コスト・高効率な広報活動ツールと言えるでしょう。
TVCMなどマスメディアへの広告出稿よりもコストが低いだけでなく、SNSの強みとして効果測定がしやすい点も挙げられます。
また、有料で広告を出稿する場合でもターゲットを絞った広告配信が可能です。
広報におすすめのSNSサービスとは?
TwitterはSNSの中でも情報を広く発信することに長けており、認知度を向上させたい時に適しているツールと言えます。
企業公式アカウントを運用する場合、プレスリリースなどの告知だけでなく、運用担当者(中の人)を意識させることが重要です。
スタートアップ企業では社員それぞれが所属企業を明かした上でアカウントを運用し、社員一人ひとりが広報担当者の役割となっている事例も増えています。
投稿内容については、フォロワーとの接点を増やすために投稿を毎日行なうことが重要ですが、難しい場合は予約投稿ツールを利用したり、投稿ネタを思いつかない場合は投稿代行サービスなどを利用する企業もあります。
新商品・サービスを告知する目的でキャンペーンを展開する場合には、キャンペーンの実施についてのガイドラインを遵守することに注意する必要があります。
Facebookは実名で利用するユーザーが多く、匿名ユーザーが中心のTwitterよりは誹謗中傷や炎上が起きにくいSNSと言われています。
企業広報の活用手法としては「Facebookページ」を運営することが一般的です。
Facebookページにはテキスト、写真、動画など様々な投稿ができる機能の他、イベントやショッピングなど個人アカウントのままでは使うことができない機能も備わっています。
Facebookページを作成するときに広報担当者がFacebookで多くの友人とすでに繋がっている時は、作成後に「いいね!リクエスト」を送ることで迅速に初期のフォロワーを獲得することができます。
ただし、いいね!やフォローをしていないユーザーからはFacebookページを見つけにくい欠点があるため、フォロワーを増やしたいときは自社で地道に告知していくか、Facebook広告を使う場合が一般的です。
10-20代の流行への感度が高い女性が多いInstagramですが、近年では飲食店や自治体、メディア媒体がアカウントを開設するなど世代や性別を問わず、幅広い情報が発信されています。
企業公式アカウントを作成する場合はアカウント作成後にプロアカウントに切り替えることをおすすめします。
メリットや手順についてはこちらの記事で紹介しています。
Twitterと比較すると、ストーリーズやインスタライブがあることや、リツイート機能がないことなど相違点が多く、Twitterのノウハウだけでは上手く行かない点に注意しましょう。
また、画像や動画の制作スキルが不足している場合は代行企業を利用することも選択肢の1つです。
インスタグラムで集客する時のポイントはこちらの記事でも紹介していますので、併せてご覧ください。
YouTube
近年ではYouTubeを広報ツールとして活用する企業が増えています。
会社案内動画や新サービスの発表や講演をYouTubeで配信している企業があります。
テレビへのCM出稿が予算の問題で難しい場合でも、YouTube用のCMを作成し閲覧できるようにすることで見込み顧客の目に触れる可能性があります。
また、いわゆる「Z世代」と呼ばれる世代ではGoogleではなくYouTubeで検索する回数が多く、YouTube上に自社コンテンツを掲載することで、認知を広げることが可能です。
SNSで積極的に広報活動している企業アカウント10選
Twitter:やすもと醤油店
島根県の醤油製造販売事業を営んでいる「安本産業」が運営しているTwitterアカウントです。
中の人のキャラクターが愛されて、ナショナルブランドとは言えないながらも運用開始から約2年で90,000フォロワーを獲得しています(2022年11月現在)。
商品紹介だけではなく、何気ないTwitter担当者の日々のつぶやきが人気となっていて、「中の人戦略」で成功した事例の一つです。
Twitter:株式会社アイズ【公式】ウォークグループ
静岡県を中心に1都3県、直営店14店舗、系列店店舗を運営しているメガネ、コンタクトレンズの販売を行なっている株式会社アイズの公式アカウントになります。
企業公式アカウントの相互フォローを行なうことでフォロワーを少しずつ増やしており、2021年10月から約1年で6,000以上のフォロワーを獲得しています(2022年11月現在)。
企業公式アカウント同士の交流を行なうことで投稿内容を悩まずに済み、投稿頻度を確保することができるため運用開始後のモチベーション低下を防ぐことができます。
また、同社はInstagramも運用しており、Twitterで投稿内容を紹介することでInstagramへの誘導を行なっています。
Twitter:note公式アカウント
note公式アカウントは企業公式アカウントの「note株式会社」と、サービスとしての「note公式」に分かれています。
note公式ではユーザーが投稿したブログ記事や作品の紹介、サービス内で行なっているイベントの告知のほか、YouTubeなどと連動したTwitterスペースを定期的に開催しています。
TwitterスペースはTwitterが他社と差別化できる機能と考えており、ファンが増えたときに使用する企業が今後増える可能性があるため今回ご紹介しました。
Facebook:富士そば
FacebookページはTwitterやInstagramと比較してフォロワー獲得が難しい傾向にありますが、富士そばのFacebookページは14000以上のいいね!(フォロワー)を獲得しています。
このページでは
・店舗限定メニューの紹介
・各店舗の店長の紹介
・季節ごとのイベントなどの解説
などを投稿しています。
また、ユーザーが投稿に要望をコメントした場合、企業アカウントから返信を行なうこともあります。
Facebook:ブルーミングスケープ
福岡県で観葉植物の販売を行なっている株式会社ブルーミングスケープのFacebookページは約10,000件のいいね!を獲得しています。
観葉植物の育て方や検証動画などを投稿しており、親しみやすいコンテンツを提供することで人気のページになっています。
また、オンラインショップで販売している商品をFacebookページに登録し、オンラインショップに誘導して購入できるようになっています。
Instagram:茅乃舎(かやのや)
福岡県にある久原本家グループが展開する「茅乃舎」は「だし」の商品販売を行なっており、Instagramのフォロワー数は12万人以上になっています。
投稿内容は「茅乃舎だし」を使った料理とレシピの紹介や、旬の野菜の紹介が中心で、不定期で料理研究家の方が出演するインスタライブを配信しています。
ブランディング強化に特化したアカウントになっており、女性が多いと言われているInstagramを強みを活かしています。
Instagram:株式会社YNP
株式会社YNPはシステム開発会社ですが、同社は広報担当者と採用担当者を同じ社員が務めており、広報目的だけではなく、採用を意識したコンテンツで学生が親しみやすいものになっています。
中小企業で優秀な学生を採用したい場合、Instagramを運用して自社をアピールすることは有効で、近年多くの企業が採用担当のアカウントを開設しています。
Instagram:株式会社紀陽銀行
株式会社紀陽銀行のInstagramアカウントは同社のキャラクター「キヨー坊や」を主軸としています。
イベント告知などあらゆる投稿でキャラクターを登場させることで、銀行が持つ固いイメージを緩くさせ、若い個人の顧客を獲得したいという目的で運用していると見られます。
同社は企業の広報担当としてアカウントを運用していますが、キャラクター自身がアカウントを運用している形を取るケースも見られます。
YouTube:しまじろうチャンネル(株式会社ベネッセコーポレーション)
しまじろうチャンネルはベネッセグループのキャラクター「しまじろう」を中心としたコンテンツを配信しているYouTubeチャンネルで、チャンネル登録者が180万人を超えています。
2011年から開始している老舗の企業YouTubeチャンネルになりますが、現在でも1日1本以上のペースで子供向けの動画が配信されています。
YouTube:日本取引所グループ公式チャンネル
東京証券取引所などを傘下に収める「日本取引所グループ」は新規上場企業の紹介動画や経済に関するセミナーの動画だけでなく、CEOの記者会見や企業としてのサステナビリティに関する取り組みなど、企業広報の側面を交えて動画を掲載しています。
まとめ
SNSで広報活動を行なう場合、開設前にターゲットや投稿内容について戦略を練る必要があり、投稿内容もプレスリリースのURLを投稿するだけではなく、アカウントの「中の人」や社員の個性を活かしたり、自社キャラクターを使って親しみやすさなどをアピールすることも戦略の一つと言えるでしょう。
また、事業内容や投稿内容によって最適なSNSは異なります。
幅広い世代に向けて発信したい場合や認知度を高めたい場合はTwitter、画像・動画中心のブランディングを行ないたい場合はInstagramなど、それぞれのSNSの特徴を把握してどのSNSを活用するかを検討すると良いでしょう。
担当者の工数に不安があるときに複数のSNSアカウントを運用したい場合は、1つ目のSNSである程度ノウハウが溜まってから2つ目のSNSを開始するか、戦略策定や投稿代行の相談ができる外部企業にご相談されることをお勧めします。
ディレクターバンクでは、SNSアカウントの管理や投稿代行など、SNSに関するマーケティング活動だけではなく、広報活動についてのお手伝いも行なっております。
広報活動を強化したいがどのSNSを始めるか悩んでいる場合は是非弊社まで一度ご相談ください。
InstagramやXなどのSNS運用を経験豊富なディレクターが代行
ディレクターバンク(株)のSNS運用代行は、Instagram、X、LINE、Facebookなど、企業のSNSアカウントの企画、運用業務を、経験豊富なディレクターが代行。御社のファン作り、潜在顧客へのリーチを拡大させます。