企業がオウンドメディアなどのWebサイトを運用する際、商談に繋げることを目的として問い合わせフォームやランディングページを設置したり、メールマガジンを配信するなどのWebマーケティング施策を行なっています。
このようなWebサイトにおけるリード獲得からアフターサポートまでを1つのツールで完結できる、高機能なインバウンドマーケティングツールとして世界的に知られているサービスが「HubSpot」です。
HubSpotはCRM(顧客管理機能)を軸に様々な機能が搭載されているため、マーケティング初心者にはハードルが高いと言われることもありますが、アカウントを作成するだけで無料で利用でき、公式パートナー企業によるコンサルティングや設定代行などを委託できるなど、導入のハードルが下がる部分もあります。
この記事ではHubSpotを利用したことがないマーケティング担当者に向け、「HubSpot」のサービスの概要と導入に際し知っておくべきポイントなどを解説します。
はじめに
HubSpotとは?
HubSpotはアメリカのHubSpot社が提供するインバウンドマーケティングツールです。
HubSpotの中心となるのは「CRM」機能であり、HubSpot CRM プラットフォームを構成する主な機能として以下のような機能があります。
- Marketing Hub(マーケティング機能)
- Sales Hub(営業支援機能)
- Service Hub(カスタマーサービス機能)
- CMS Hub(Webサイト作成などの機能)
- Operations Hub(オペレーション支援機能)
上記の各機能それぞれに無料プランと有料プランがあり、複数の機能で有料プランを利用する際は各機能毎の料金が発生しますが、中小企業のマーケティング担当者へのおすすめとしては、Marketing Hub、Sales Hub、Service Hub、CMS Hubの各サービスのStarterプランを利用できる「Starter CRM Suite」を契約することで複数の機能でStarterプランを契約する場合よりも費用を抑えることができます。
HubSpotを使うメリット
無料で基本機能を利用することができる
HubSpotのCRM機能はコンタクト(登録情報)の総数が1,500万件に達するまで無料で利用することができ、さらにHTMLメールの送信やランディングページ作成、問い合わせフォームの作成などの基本機能もアカウントを作成するだけで利用することができます。
様々な外部サービスと連携させることができる
HubSpotはAPIを連携させることで、広告管理や顧客とのコミュニケーションに関する様々なサービスと連携することができます。
<連携できるサービスの例>
Google広告、Facebook広告:HubSpot上でWeb広告の管理をすることができます。
Sansan:取得した名刺の情報を自動的にHubSpotに登録し、商談状況を管理することができます。
LINE:HubSpotの情報とLINEを紐づけることで、一人ひとりに合ったメッセージを配信するこができます。
kintone:社内の業務アプリをkintoneで作成している場合、HubSpotの情報とkintoneの情報を自動的に連携させることができます。
ユーザーが多くサポートが充実
HubSpotを利用開始した後も、HubSpotが無料で使い方を解説する動画をまとめた「HubSpotアカデミー」やユーザー同士で情報交換ができるコミュニティが用意されているなど、サポートが充実しています。
また、自身で運用することが難しい場合にはHubSpotが認定したパートナー(公式パートナー)に相談して初期設定やWebサイト制作、マーケティング施策の代行などを委託することも可能です。
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HubSpotの利用方法
HubSpotの各機能はアカウントを作成するだけで利用を開始することができます。
アカウントを作成しただけで費用が発生することはありません。
HubSpotのアカウントを作成する流れ
HubSpotの利用を開始するときには、メールアドレスとドメインが必要になります。
アカウントを作成したい場合、HubSpot公式サイトにアクセスし、「無料ツールを使ってみる」を選択します。
HubSpotのアカウント作成では、GoogleアカウントやMicrosoftアカウントと連携してログインするか、業務で使用しているEメールアドレスを入力します。
Eメールを入力した場合、入力後に受信したメールに記載されているURLにアクセスします。
その後、ドメインに関するや自社の業種など必要事項を入力すると登録が完了します。
登録が完了するとHubSpotで無料提供されている機能を利用することができます。
HubSpotの料金プランと使える機能
HubSpotの各機能ではそれぞれのサービスにおいて無料で使える機能の他、有料プランとして以下のプランがあります。
- Starterプラン
- Professionalプラン
- Enterpriseプラン
この記事ではマーケティング施策に必須となる「Marketing Hub」における各プランについて解説します。
無料で使える機能
「Marketing Hub」では以下の機能を無料で利用することができます。
ただし、メールテンプレートやランディングページの下部やメッセージの中に「HubSpot」を使用している旨のロゴやテキストが表示されます。
メールマーケティング機能
メールを送信するためのデザインテンプレートが複数用意されており、自動的にメールを送信できるプログラムを1つ設定することができます。
Marketing Hubの無料で使える機能としては、1ヶ月あたり2,000通までメールを送信することが可能です。
ランディングページの作成
無料で使えるテンプレートが複数用意されており、画像やテキストを入れ替えるだけでランディングページを作成することができます。
また、公開後はランディングページに関する分析機能を利用して、アクセス数やCVRなどを確認することが可能です。
フォーム作成
問い合わせや資料請求の際に必要となるフォームを簡単に作成することができます。
ウェブチャット機能
Webサイト上でユーザーとリアルタイムで個別チャットをやり取りすることができます。
Starterプランの詳細と使える機能
Marketing HubのStarterプランは月額2,400円から利用でき、無料機能では満足できないマーケティング担当者におすすめのプランになっています。
メールやランディングページにおいては利用できるテンプレートの種類が大幅に増加し、無料利用時に表示されていたHubSpotロゴが非表示となります。
Starterプランに登録した時点では1,000件以内のマーケティングコンタクト(*)が登録可能で、マーケティングコンタクトの上限を超える場合は自動的に追加料金が発生します。
Eメール送信については月額2,400円のStarterプランに登録している場合、1ヶ月のメール送信上限数はマーケティングコンタクトの5倍が上限となるため、5,000件になります。
*マーケティングコンタクト:HubSpotはメール送信や広告表示の対象となるコンタクト数に応じた課金形態となっており、プラン毎に決められているコンタクト数の上限は異なります。
Professinalプランの詳細と使える機能
Professionalプランは月額106,800円から利用できるプランで、ProfessionalプランおよびEnterpriseプランはStarterプランに満足できない大企業が利用することを想定したプランになります。
マーケティングコンタクトの上限は2,000件となり、Eメール送信については月額106,800円のProfessionalプランに登録した状態では、1ヶ月の送信上限数はマーケティングコンタクトの10倍が上限となるため、20,000件になります。
また、ランディングページのABテスト機能や、ABMツールなどのマーケティングオートメーション機能はProfessionalプラン以上で提供されています。
<Professionalプランで利用できる主な機能>
- SNSアカウント管理機能(Twitter、Instagram、Facebook、LinkedIn)
- ユーザーのチーム分け機能
- カスタムレポート機能
- ランディングページのABテスト機能
- ABMツールなどのマーケティングオートメーション機能
Enterpriseプランの詳細と使える機能
Enterpriseプランは月額432,000円から利用できるプランです。
10,000件のマーケティングコンタクトが含まれており、Eメール送信については月額432,000円のProfessionalプランに登録した状態では、1ヶ月の送信上限数はマーケティングコンタクトの20倍が上限となるため、200,000件になります。
<Enterpriseプランで利用できる主な機能>
- ユーザーによる行動をより細かくトラッキング
- チームをより細かく編成可能
- 契約情報や配送管理などを入力可能
まとめ
HubSpotを活用することでリード獲得から商談、カスタマーサポートまで様々な作業を効率的に行なうことができるようになります。
マーケティング初心者でコストを抑えたい場合はアカウントを作成して無料で利用できるフォーム作成機能やメールマーケティング機能を利用し、メール送信数が増えた段階でStarterプランへの移行を検討する形がおすすめです。
HubSpotを使いこなすためのポイント
メールやランディングページのテンプレートが大幅に増え、強制的に表示されるHubSpotロゴを削除できるため、HubSpotを活用できるようになったらStarterプランに変更することがおすすめです。
Starterプランを運用する場合は、以下の点に気をつけながら運用するとマーケティング施策の幅を広げることができます。
メールの配信数をコントロールする
メールマーケティングの効果を高めることを目的に、ユーザーに何度もメールを送ることがありますが、HubSpotで作成および配信するメールには送信上限数が設けられています。
どのタイミングで何通配信するかなどを計画しながら配信計画を立てることが重要です。
Web以外で獲得したリードもHubSpotで管理する
Webサイトで獲得したリードはHubSpotで自動的に顧客情報として登録されますが、展示会などWeb以外で獲得したリードもHubSpotに追加登録することができます。
ランディングページの内容を定期的に見直す
HubSpotで作成したランディングページを公開した場合、ランディングページに関する統計情報を参考にしながら画像やテキストの内容を定期的に見直すことでコンバージョンレート(CVR)を改善することができます。
HubSpotではランディングページを公開する際にSEOに効果的なポイントをアドバイスしてくれる機能もあり、それらを参考にしながら適宜ページの内容を見直しましょう。
HubSpotの導入を検討する際に知っておくべきこと
マーケティング施策の自動化を意識する
マーケティングツールを利用する利点として、条件にあった顧客に対し、自動的に施策を実行できる点があります。
HubSpotのメールマーケティング機能では無料機能で1件、Starterプランで10件自動化でき、Webサイト上ではチャットボットを利用した質問回答などを行なうことができます。
これらの機能を利用することで、迅速かつ効率的にユーザーにアプローチすることが可能です。
Webサイトのリニューアルなどのタイミングでの導入が効果的
HubSpotを導入するタイミングとしてはWebサイトを新規作成するタイミングや、Webサイトリニューアルを計画しているタイミングが効果的です。
Webサイトリニューアルを検討する中で
- Webからの商談獲得を強化したい
- すでに活用しているツールと組み合わせてリードの管理を効率化したい
- 格安かつ高機能なマーケティングツールを探している
などのご要望はHubSpotを導入することで解決することができます。
ディレクターバンクはHubSpot公式パートナーとして、導入時の初期設定やページ作成、キャンペーン施策のお手伝いなど、HubSpotに関する様々なご相談をお受けしています。
「HubSpotに興味があるけど、どうしていいかわからない」「もっと詳しい話を聞きたい」などお悩みがありましたら是非一度弊社までご相談ください。
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