Web広告などのWebマーケティングは、Web上でCVを獲得する企業だけでなく、実店舗への集客施策、いわゆるO2O(Online to Offline)施策としても必要とされ始めています。ただ、一般的なWebマーケティングに関する情報は、Web上でいかにCVを獲得するかという話が多く、Webから実店舗への集客となると、何から始めればよいかわからないことが多いようです。そこで今回は、実店舗がWeb施策を強化する場合、どのようなことをすれば良いのかということと、その相場感を、株式会社オリコミサービス 営業本部 デジタルメディアチーム 矢嶋郁也 氏に伺いました。
折込チラシのノウハウを活かしたWeb施策
弊社のメイン事業は新聞の折込チラシです。創業は1922年(大正11年)で、長年折込チラシを扱ってきました。
しかし最近、若い世代で新聞を読む人が減っているという状況があります。そのため、折込チラシだけでなく、O2O(Online to Offline)施策としてWeb広告を検討される会社が増えています。
弊社の強みは、地理的な情報の分析ノウハウです。折込チラシは、新聞販売店の組み合わせにより配布エリアと部数を綿密に調整します。クライアントがお持ちの顧客データと、折込チラシで培われたエリア調整のノウハウを活かし、効果の見込めるWeb広告のエリア・配信設定をおこなっています。
実店舗への来店はユーザーの生活サイクルに大きく影響されるため、エリア設定や配信タイミングによって広告の効果も大きく変わります。そのため、顧客データなどを基にした提案や、分析検証も重視しています。
また、これまで折込チラシというアナログの世界をベースにしていた会社が、いきなりデジタルのWeb広告を始めるとなると、Web独特の用語が分かりにくいというようなストレスを感じられる方もいます。また、取り組みそのものが目指すゴールを社内での共通認識にしにくいという課題を相談いただくこともあります。
弊社はアナログとデジタル両方のことを知っている橋渡し役として、Web広告をはじめたばかりの方にもわかりやすい包括的なご提案ができると考えています。
独自の商品やサービスを届けることで来店動機を生み出す
新聞を読む人が減っているとはいっても、40代以上の方がよく利用されている店などでは、まだ折込チラシで十分な集客はできています。しかし、20代~30代の集客に注力したい企業や、店舗の立地環境から新聞では情報を届けにくくなっていると感じている企業や、昨年対比で集客が落ちているといった企業が、少しずつWeb広告に取り組みつつある状況です。
実店舗のWeb広告で効果が出やすいのは、ユーザーがわざわざWeb検索をして店を探すような、専門商材を扱っている場合です。たとえば、紳士服や靴、家具など、特定カテゴリーに特化した小売業者は効果が出やすい傾向があります。また、単価の高い商材のほうが費用対効果は合いやすいですね。
特に、その店にしかない商品やサービスなど、わざわざその店に行く理由がある場合は、Web広告が効果的です。その際、その商品やサービスについてWebページできちんと案内してあることも必要なので、広告だけでなく、そういった点もご提案するようにしています。
またチラシや店頭のプロモーションに合わせてWEB上で情報発信をする際に、ディスプレイ広告で認知を取るべき手法でも、集客につなげることができます。紙とデジタル、伝わり方に違いはありますが、それぞれの役割を理解したうえで、組み合わせ、使い分けていくことで、投資対効果を高めていきます。
弊社のクライアントは、チェーン展開をしているような大規模の企業が多いのですが、中小規模の企業であっても、こういったアナログとデジタルの関係性や、効果の出やすいケースは共通するところがあるので、参考になるかと思います。
月300万円以上で詳細な分析が可能、月50万円のお試しも
Web広告は、Googleなどの検索連動型広告をメインにご提案しています。検索連動型広告では、月のクリック数と、そのうちどのくらいの人が来店したのかを統計的に出すことができます。
ただし、ある程度のクリック数が必要で、目安としては月10万クリックくらいで、予算としては月500万円以上が必要になります。
ディスプレイ広告やバナー広告、YouTubeの動画広告などは少し予算を抑えることができ、月300万円~400万円くらいです。SNS広告も検索連動型広告に比べると予算を抑えられます。
Web広告では、いきなり大きく予算をかけるのではなく、長期的戦略に基づくコントロールが重要です。場合によっては、Webサイト強化など広告以外の施策も必要になります。Web広告は継続するほどに指標が見えてくるので、運用の効率も上がっていきます。
それ以外に、配信エリアをセグメントできるジオターゲティング広告という方法があります。これは50万円程度なので、お試しとしておすすめすることもあります。最近頻繁にご相談をいただきますが、業種によって向き不向きがあるので、実施を決める前に、まず相談をいただきたいですね。
折込チラシなどアナログだけで宣伝をおこなっていた会社がWeb広告にシフトする段階では、リソース不足に陥りがちです。また、どちらにどのくらい予算をかけたら良いかというのは、多くの方が悩まれています。
そんなとき、一人で抱え込むよりもご相談いただければ、そういったところからご提案できるかと思います。
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販促効果を上げる!「店舗出店に向けて」の準備必ず対応するべき4つのポイント
編集部のまとめ
Webマーケティングにはさまざまな手法があります。Web広告の種類もさまざまです。
しかし、折込チラシなどのアナログな手法で販促をおこなってきた実店舗が、予算の一部をWeb広告にシフトしたいとなった場合、意外と適切な情報がないのではないでしょうか。
O2O(Online to Offline)といわれるような、Webサイトから実店舗へと集客をおこなう施策は、Webサイトへ集客しそのままサイト上でCVを獲得する、Webマーケティングによくある施策と比べると、同じWeb広告を配信するのでも、適切な手法が異なります。
オリコミサービスの場合、基本的にはチェーン展開しているような規模の大きな会社の事例が多いのですが、それらも小さなテストから全体における広告運用の定着に至った取り組みがほとんどとのこと。折込チラシなどのアナログ手法とWeb広告などのデジタル手法の違いや、どういったところから着手するべきかという話は、デジタルにシフトしたいと考えている実店舗にとって、規模を問わず参考になるのではないでしょうか。
今後、若い世代の集客を見込むなら、Web広告などデジタルの手法をいずれかのタイミングで取り込む必要があります。早いうちから相談や情報収集をして体制を整えておくことが、今後成長を続ける鍵になるのではないでしょか。
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