Webマーケティングに大きな影響力を持つソーシャルメディア。そのなかで自社の商品やサービスがどう語られているのかを分析できるのが、ソーシャルメディアリスニングツールです。ツールを使えばさまざまなデータを得ることができますが、データをどう活かすかということこそが一番難しい部分かもしれません。その難しい部分を簡単にしたのが、データセクション株式会社が2019年7月にリリースした「Insight Intelligence Q(インサイトインテリジェンスQ)」です。同社の伊與田 孝志氏に、Insight Intelligence Qの特徴および活用法、利用料金を伺いました。
マーケター視点で施策に結びつくデータをアウトプット
「Insight Intelligence Q」は、弊社が2011年から提供してきたソーシャルメディアリスニングツール「Insight Intelligence」をリニューアルしたもので、現在は両方を並行して提供しています。
ソーシャルリスニングツールでよく課題になるのが、さまざまなデータを集めることはできても、たとえば、商品がどういうシーンで使われているとか、どういうメディアと連携すると効果的なPRになるかなど、データの意味や、どう施策を導いたらよいかがわからないということです。つまり、データを活用するためにはノウハウが必要で、これはInsight Intelligenceでも課題でした。
そこで、マーケター視点で、マーケターが求めるゴールにより近い形でデータを出せるようリニューアルしたのが、Insight Intelligence Qです。ソーシャルメディア分析ツールというと国内外にさまざまなツールがありますが、Insight Intelligence Qは機能で競うというよりも、マーケターがほしい切り口でアウトプットをするという点が、他とは違う位置づけです。
Insight Intelligence Qのような、自社の商品やサービスがソーシャルメディアにおいてどう語られているかを読み解くツールを、ソーシャルリスニングツールと呼びますが、2つのタイプがあります。ひとつは、特定のキーワードを設定してそのキーワードを追いかけるタイプ。もうひとつは、過去にさかのぼって自由なキーワードで検索できるタイプで、Insight Intelligence Qはこちらです。
Insight Intelligence Qの「Q」には、「Quick」「Quest」そして本質や特徴を意味する「Quiddity」がかけられており、「すばやく探索して特徴や本質をつかむことが重要」という考えが表されています。すばやく検索するための機能が備わっていて、手間なくさまざまな切り口で結果を見ることができます。
PRや商品開発のヒント、コンテンツ材料としても活用
Insight Intelligence Qは、広告代理店様やPRエージェンシー様などに多く利用されています。また、自社ブランドを複数もつ食品や日用品のメーカー様にも多くご利用いただいています。Insight Intelligence Qで得られるデータは、商品PRのヒントにもなりますし、商品開発のヒントにもなると考えています。
たとえば、歯磨きのための商品を販売する場合、「歯磨き」に関する発信を分析することで、その商品の利用シーンを調べるうちに、意外な利用シーンが見つかるかもしれません。それがPRのヒントになったり、商品開発のヒントになったりします。
意外な利用シーンを見つけた事例として、「オロナミンC」があります。オロナミンCに関する発信を調べていたときに、なぜか妊婦さんが話題にしているということがありました。さらに調べると、妊婦さんの間で、オロナミンCを飲むと産気づくというジンクスがあるということがわかりました。
このようにまずはキーワードで検索して、そこから見つかった意外なワードを調べたり、キーワードをつぶやいている人がどんな人かという人軸で調べたりすることもできます。
さらに、オウンドメディアの運用代行会社様から、コンテンツ材料探しに使いたいとお問い合わせいただいたこともあります。Insight Intelligence Qには拡散プロセスという機能があって、なにか話題になっているものやテーマがあるとき、そこに至るまでにどう拡散されていったかという構造を見ることができます。
無料トライアル2週間、月額10万円で定額利用
Insight Intelligence Qの利用料金は、初期費用無料、月額10万円(税抜)で、データ量に関わらず定額料金です。2週間の無料トライアルをおこなっており、お申し込み後すぐにアカウント発行が可能です。
従来は、データを活用するためにいったん抽出して人の手でわかりやすくレポートにまとめるという作業が発生する場合もあり、さらにコストがかかってしまうこともありました。しかしInsight Intelligence Qでは、具体的な施策に結びつくデータをはじめから出すことができるため、人手もコストも抑えることができます。
なお、現時点ではソーシャルメディアのなかでTwitterのみを扱っています。それは、Twitterが唯一オープンに情報が拡散するソーシャルメディアだからです。Instagramはリツイート機能がないので情報が拡散しにくいですし、Facebookはオープンではありません。ただ、今後ほかのソーシャルメディアも扱ったほうが良い切り口が提示できるということになれば、取り入れていきたいとも思っています。
また、さまざまな新機能もと考えていて、最近ではアカウント分析という機能を追加しました。この機能では、特定のアカウントの投稿内容や投稿パターン、投稿へどういう反応があるかを見ることができます。競合のアカウントについても見ることができるので、特にWebメディアを運用されている方に役立つのではないかと思います。
編集部のまとめ
特にto C向けの商品やサービスの評判を知りたいとき、ソーシャルメディアというのはとても役立ちます。ソーシャルメディアリスニングのデータを見るのはとても興味深いのですが、そのデータをどう活かせば良いのかというのはとても難しいところです。
「Insight Intelligence Q」はそのデータ活用の難しさを解決するよう作られたツールで、管理画面を見ていても、たしかにデータの意味がわかりやすいと思いました。ツールで出されたデータをそのまま使えるので、作業時間もずいぶん短縮できるのではないでしょうか。
メディア運営側としては、やはり、話題となっているキーワードがどのように拡散されていったのかという拡散のプロセスや、影響力のあるアカウントがどのようなアカウント運用をしているのかといったところを見ることができるのが興味深かったです。
無料トライアル期間が設定されているので、自社の立ち位置がいまひとつ見えてこない、競合の立ち位置を知りたい、あるいはソーシャルメディアリスニングツールを使ったことはあるけれどうまく使いこなせなかったというWeb担当者は、一度試してみると良いのではないでしょうか。
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