Web担当者のためのマーケティング・ノウハウガイド

消費者ニーズやアクションに至るプロセスまで明らかに!インターネット上のユーザー行動を可視化する【story bank】

2020年7月22日

Webマーケティングにおいて、流入元の検索キーワードやPVなど、定量的なデータ測定ができるツールは多くありますが、ユーザー属性を把握しながら時間軸でネット行動履歴を知ることのできるツールはなかなかありません。Webマーケティングを活用する企業が増えるなか、そんな、ユーザーの人となりを知りたいという要望に応えて生まれたのが、story bankです。どのようにしてユーザーを分析することができるのか、それによりどんな効果が見込めるのか。story bank開発元の株式会社ヴァリューズ 岩村氏に伺いました。

モニター会員データに基づく確度の高いユーザー行動分析

story bankは、インターネット上のユーザー行動履歴を可視化して分析できるサービスです。分析には、モニター登録に同意いただいたクレディセゾンのネット会員30万人規模の行動ログモニター会員による消費者パネルを使っています。

story bankの特長は、従来の定量的なデータ分析では見えなかった「ユーザーの人となり」が見えることです。具体的には、特定のキーワードでの検索やWebサイトへのアクセスなど「特定ウェブ行動」を設定して、その行動の前後30分~3時間について、ユーザーが他にどんなキーワードで検索をしたのか、どんなサイトを閲覧したのかなど、インターネット上の行動を分析できます。

たとえば、「肌荒れ」というキーワードを考えたときに、「肌荒れ」で検索する人がどの程度いるのかということは、これまでも分析できました。しかし、なぜそのキーワードが伸びているのかまでは、なかなか見えませんでした。

それが見えるのがstory bankです。story bankは、特定ウェブ行動とその前後のインターネット上の行動は、何らかの関係があるという仮説に基づいています。

ユーザーの属性、興味関心まで分析できる

story bankでは、まずサマリーで特定ウェブ行動をしたユーザーの外観をつかむことができます。たとえば、「肌荒れ」と検索するユーザーがその前後に他にどんなキーワードで検索していたのか、どんなサイトを閲覧していたのかを、月別に分析できます。年代などのユーザー属性や、そのユーザーがよく利用するサイトやアプリなども集計可能です。


また、ユーザーをその行動に基づき機械的に分類するクラスタリング機能を使うことで、より深くユーザーを理解できます。たとえば、「肌荒れ」で検索しているユーザーを、他に検索しているキーワードによって、「皮膚科」「青汁・ミネラル・和漢」「スキンケア」「手荒れ」「マスク荒れ」「サプリメント」といったクラスターに分けることができます。


さらに、クラスターごとにプロファイリング機能を活用することで、クラスターごとのユーザーの特徴を把握できます。プロファイリング機能では、モニターのインターネット行動から得られるデータに、アンケートに基づくデータを掛け合わせています。これにより、年代や家族形態などのユーザー属性に加え、そのユーザーが普段どういうメディアをよく使っているのか、どこでよく買い物をするのかといったことも把握可能です。

そうやってクラスターを絞りながらデータを見ることで、明確なペルソナ像が浮き彫りになっていきます。定量的なデータ分析で検索キーワードからの流入やPVを見るだけでは分からなかった、ユーザーの人となり、そしてその分類が明らかになることで、より効果的な施策を考えられるはずです。

開発者としてこだわった点としては、集計条件の指定方法として、検索キーワードの他に、ユーザーが見ているページタイトルやURLも指定できる点です。たとえば、ダイエットに興味関心のあるユーザーを調べる場合、「ダイエット」と検索する人はダイエットに非常に強い興味関心を持っていますが、少数です。しかし、ページタイトルに「ダイエット」と入っているページを見ているユーザーや、特定のURLのページを見ているユーザーまで含めることで、より多くの、広い層のユーザーを分析できます。

顧客の人となりが知りたい、メーカーのWeb施策での利用が多い

弊社は以前より、インターネット行動ログ分析サービス「VALUES eMark+」を提供しています。VALUES eMark+は、story bankと同じ行動ログモニター会員の行動データを基にしていますが、競合サイト分析や検索ワード分析など、より定量的な分析に特化した機能を備えています。そのため、デジタルマーケティングに注力されている企業様に多くご活用いただいてきました。

しかし最近は、メーカー様などから、顧客とのコミュニケーションの接点としてこれからデジタルに取り組みたいというご相談も増えています。

そういった場合、定量的なデータだけではなく、サイトを訪れているのはどんな人なのか、その検索をしている人はどんな人なのかという、ペルソナを描くことがニーズとして高くなります。そういったニーズに応えるため、モニター会員の行動データにアンケート回答を掛け合わせ、より定性的な分析ができるstory bankを開発しました。

また、メーカー様に広告提案をする代理店様にもよくご活用いただいています。たとえば、スカルプシャンプーの広告を制作する場合、story bankを活用すれば、頭皮について悩んでいる人にはどんな人がいるのか、エビデンスのある提案ができます。ユーザーをクラスターに分けることで、どのクラスターを狙うと効果的かという考え方ができます。

さらに、VALUES eMark+と合わせてご活用いただくこともあります。たとえば、競合サイトの分析ができる機能をご利用いただいていて、競合サイトで特定のキーワードでの検索が突然増えたというときに、story bankで変化の前後の期間を分析することで、変化の原因となるユーザーの興味関心の変化を調べることが可能です。

story bankの特定ウェブ条件の指定では、キーワードの検索の他に、そのキーワードをタイトルに含むページの閲覧や、URLを指定することもできます。これにより、より広い層のユーザーを分析することができます。

たとえば、「ダイエット」と検索する人はダイエットに強い興味関心を持っている人ですが、そこまで数は多くありません。一方、タイトルに「ダイエット」と入っているページを閲覧している人は、興味関心の度合いは低くなりますが、より数が多くなります。story bankでは、そういった層のユーザーも分析できます。

定額で自由に条件指定、月1,000回まで検索可能

story bankの料金プランには定額プランとチケット式プランがあり、定額の場合、基本は月額35万円で月1,000回までの検索が可能です。一般的なデータ分析では一条件の分析一回で40万円程度かかることも珍しくないことを考えると、かなりリーズナブルで、使い勝手の良いサービスではないかと思います。

ユーザーの興味関心を分析できるという点で、story bankとソーシャルリスニングツールが比較されることもあるのですが、ソーシャルリスニングツールは、story bankのようなモニターデータに基づいて属性を分析しているわけではないので、そこまで正確ではありません。また、SNSをよく使う人、さらにSNSで積極的に投稿をする人というのは、一般的な消費者のなかの一部なので、消費者のリアルなデータとは距離があります。story bankは30万人規模のモニターのインターネット上の行動データを基にしているので、一般的な消費者の行動をかなり正確に反映していると考えられます。

story bankを使いこなせるか不安があるというお客様に向けては、コンサルタントがつき、お客様のご利用目的に応じたワークショップを開催するパッケージプランもご用意しています。利用料金についても、予算に応じたご提案も可能です。まずはお気軽にご相談ください。

編集部のまとめ

カスタマージャーニー作成などでユーザーについて分析するとき、定量的なデータはあるものの、ユーザー属性についてはわからないことが多いので、最終的にはなんとなく推測したユーザー像を基に作成するということも多いのではないでしょうか。story bankを使うことで、そのなんとなくの推測にエビデンスを与えることができます。

同じキーワードで検索している人、同じサイトを訪問している人だからといって、同じようなニーズを持っているとは限らず、そこには属性も興味関心さまざまなユーザーがいます。

たとえば「ゼクシイ」と検索しているユーザーが全員結婚の予定がある女性というわけではありません。男性が検索している場合もありますし、業界関係者が検索していることもあるかもしれません。そういった、従来の分析ツールでは見ることのできなかったユーザーのバリエーションも、stogy bankで可視化できます。

エビデンスに基づいたユーザー像はより現実に即したものになります。しかも複数のユーザー像から、自社がターゲットとするべきユーザーに焦点を当てることもできるので、より効果的な施策を企画できるようになるのではないでしょうか。

株式会社ヴァリューズ

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