連載企画「新米担当におすすめ!SNSマーケターへの道」。第4回は「Twitterでウケる投稿コンテンツの作り方」がテーマです。Twitterは「ツイッターランド」とも呼ばれる独特な世界観のあるソーシャルメディア。そのTwitterをマーケティングに活用するにはどんなポイントを大切にすべきなのでしょうか?今回教えてくれる先輩マーケターは、ホットリンク・朝山高至さんです。
株式会社ホットリンク 朝山高至さん
《会社概要》「ソーシャルメディアマーケティングにスタンダードを創る」をビジョンに、SNSマーケティング支援サービスを提供。最先端のAI(人工知能)技術を搭載したソーシャル・ビッグデータ解析ツールと、独自の売上アップにつながるSNS活用メソッドにより、クライアントの販売促進・認知拡大を支援。(本社:東京都千代田区、代表取締役グループCEO:内山幸樹、2000年設立。) |
インタビュー担当はディレクターバンクの高野です!
ユーザーが話題にしてナンボ!ネタにされるTwitter投稿を
ディレクターバンク高野(以下、DB高野):今日はズバリ、Twitterでウケる投稿作りのコツを教えてもらいにきました。よろしくお願いします。
ホットリンク朝山さん(以下、敬称略):こちらこそよろしくお願いします。高野さんご自身は、Twitterで投稿がウケるためには何が大切か、持論はありますか?
DB高野:んー、そうですね。ちょっと奇抜な投稿をしたり、キャラが立つような演出をしたりして、面白い投稿を続けていると、リツイートやリプが増えるのかなと思っていました。
ホットリンク朝山:Twitterって、そのイメージありますよね。企業アカウントを運用する「中の人」が奇抜なキャラクターで、ツイートがバズっていた時期も確かにあります。
DB高野:ということは、今はそうでもないということでしょうか?
ホットリンク朝山:その戦略も選択肢の一つですが、企業アカウントの場合は、その方が異動した途端に別人格になってしまってフォロワーが離れてしまうという危険性も持ち合わせています。属人的な運用は長期的な視点ではデメリットも多いんです。
私たちが企業様の運用支援をする際に大切にしていることは、自社サービス・製品について「約4,500万のTwitter住民たちに、どれだけ語ってもらえるか」という視点です。
DB高野:語ってもらう?企業側から発信するコツ、だと思っていましたが、語ってもらうコツ、なんですね?
ホットリンク朝山:そうなんです。「SNSマーケティング」というと、アカウントで何を発信するかという運用自体を重視しがちですが、UGC(User Generated Contentsの略。ユーザー投稿で、SNS上のクチコミのこと)の活用も忘れてはいけません。特にTwitterはその傾向が強いソーシャルメディアです。例えば、食品の場合。メーカーから直接「美味しいよ!」と言われるよりも、実際に誰かが食べて「美味しい!」と投稿しているのを目にする方が信憑性が増しませんか?
DB高野:確かに。知人から勧められる方が「試してみたい」という気持ちになります。
ホットリンク朝山:この購買行動のフレームワークを、私たちは「ULSSAS(ウルサス)」と呼んでいます。
U:UGC(ユーザー投稿コンテンツ)
→友人が「美味しい」と投稿する
L:Like
→その投稿をいいねする
S:Search1(SNS検索)
→SNS上でその他の投稿を検索する
S:Search2(Google/Yahoo!検索)
→ウェブ上でさらに情報収集する
A:Action(購買)
→実際に買って試してみる
S:Spread(拡散)
→その感想を自身が投稿する
ですので、いかにユーザーが投稿しやすいネタを提供するかが、TwitterでUGCを醸成するポイントとなります。
DB高野:概念は理解できましたが、具体的にはどうすれば、Twitterユーザーの投稿を促すことができるのでしょうか?
ホットリンク朝山:例えば、ジュースメーカーが、自社製品を使ったカクテルのレシピを紹介し、ユーザーに「作ってみた!」という投稿を促したり、車メーカーが「旅行の思い出」の画像投稿を呼びかけたり、ですね。
DB高野:なるほど、製品・サービスを使った「体験」を投稿してもらうイメージですね。
ホットリンク朝山:はい。さらに、ユーザーの投稿を拾って公式でRT(リツイート)してあげると、ユーザーも喜びますし、公式にRTされたユーザー同士が繋がるきっかけにもなります。一種のコミュニティ形成が始まります。そうなってくれば、UGCをシェアするだけでも、充実したTwitter運用をすることができます。
自社製品・サービスがどんな文脈で語られているのか、熟知せよ
DB高野:UGCを盛り上げるネタを創る上で大切なことは何でしょう?
ホットリンク朝山:そのサービスや製品が、どんな風に語られているかをチェックしておくことです。例えば、同じスポーツドリンクでもA社の製品は「熱中症」というワードと一緒に投稿されているのに対し、B社の製品は「ジュース」として投稿されている。そうすると、今後の投稿コンテンツも、A社は「暑さ対策」という訴求の方がユーザーに刺さりやすいことがわかりますし、B社なら休憩時間やおやつタイムを意識したコンテンツ制作を展開できると思います。逆に、自社の商品については発生していないクチコミの切り口を知ることで、的外れな投稿コンテンツの作成をしないで済む、という点も大きなメリットです。
他にも、チョコレートの名前がよく投稿されているな、と気づいてツイートを分析してみると、チョコ自体ではなくパッケージの二次利用が流行っていた、なんていう事例もありました。
DB高野:消費財などC向け商材ならイメージが湧きますが、例えばBtoBサービスなど、あまり日常会話のネタにならないような製品・サービスはどうすればいいのでしょうか?
ホットリンク朝山:工夫次第でうまく切り口を見つけられることもあれば、バッサリとTwitterマーケティングを諦めが方がいいこともあります。Twitterユーザーが語りやすい商材・語りづらい商材の差は、どうしてもありますから、向き不向きは出てしまうんですよね。一度、クチコミを分析してみた上で、Twitter運用に予算を投下するかどうか検討するのが良いと思います。
目につく数字に惑わされるな!売り上げに直結するのはリアルのクチコミ
ホットリンク朝山:突然ですが、問題です。これまでの話を踏まえて、以下のAさん、Bさん、Cさんのうち、フォロワーとしてつながる価値が大きいユーザーは誰でしょうか?
フォロー数 | フォロワー数 | ツイート数 | |
フォロワーA | 300 | 10,000 | 3,000 |
フォロワーB | 2000 | 350 | 10,000 |
フォロワーC | 30 | 50 | 50,000 |
DB高野:本当に突然(笑)!うーん、一番フォロワー数の多いAさんでしょうか?
ホットリンク朝山:そうお答えいただくことが多いのですが、我々の見解はCさんです。
Aさんは、フォロワー数が多いもののツイート数が少ないので、RTしてもらえない可能性が高い。Bさんはフォロー数が多く、タイムラインの流れが速すぎてそもそも投稿をみつけてもらえない可能性が高い。
一方、Cさんは、フォロー数が少ないのでタイムライン上に自分のツイートが表示される可能性が高い。また、ツイート数が多く、リツイートやUGC投稿してもらえる確率が高そう。さらに、フォロワー数が30〜120程度の場合は、プライベートなつながりでTwitterを使っている可能性が高く、UGCツイートをしてくれた時の影響力が大きいと考えられます。
DB高野:意外に奥が深い…!
ホットリンク朝山:こういった特徴をもつユーザーさんと積極的につながっておくことが大事です。フォロワーさんの中に良質なUGCをよく投稿してくれる方がいれば、フォローバックやリプなどをして更に繋がりを強くするようにしましょう。
DB高野:ありがとうございました!
InstagramやXなどのSNS運用を経験豊富なディレクターが代行
ディレクターバンク(株)のSNS運用代行は、Instagram、X、LINE、Facebookなど、企業のSNSアカウントの企画、運用業務を、経験豊富なディレクターが代行。御社のファン作り、潜在顧客へのリーチを拡大させます。