こんな課題をお持ちのWebマーケティング担当者向けの記事です
コーポレートサイトのリニューアルを検討している、またはコーポレートリニューアルを控えており具体的な手順やノウハウを知りたい企業のWeb担当者の以下の課題にお答えする記事です。
- RFPとは何か、作成することでどのようなメリットがあるかを知りたい
- コーポレートサイトリニューアルを成功させるためのRFP作成時のコツを知りたい
この記事では自社のコーポレートサイトリニューアルを企画しているWeb担当者に向けて、RFPの概要や具体例、制作会社がどのようなRFPを受け取ればより良い提案が可能かなどを詳しく解説します。
その他、コーポレートサイトの具体的な事例やリニューアル時の注意点など、コーポレートサイトリニューアルの全体像を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
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コーポレートサイトリニューアルの進め方|成功させる手順とコツを解説
コーポレートサイトのリニューアルを検討している、またはコーポレートリニューアルを控えており具体的な手順やノウハウを知りたい企業のWeb担当者の以下の課題にお答えする記事です。 これからコーポレートサイ ...
RFP(Request For Proposal)=提案依頼書
RFPは「Request For Proposal」の略で、日本語では「提案依頼書」と呼ばれています。
RFPは例えば Web制作会社などに作業を依頼する際に、見積もり金額をはじめ、どのような条件で作業を受けることができるかといった提案を依頼するための資料になります。
RFPを活用して、サイトリニューアルの「背景」「目的」「狙い」を先方に伝えることによって、精度の高い提案を獲得することを目的とした資料です。
RFPを作成するメリット
RFPを作成するメリットは、精度の高い(=良いコストパフォーマンスの期待が持てる)提案資料をもらうことにあります。
精度の高い提案をもらうためには、そもそも事前にどこまで提案をしやすい情報や状況を提供していたかによって、大きく変わります。
発注者と受注者はいわば映し鏡、発注者がそれなりの事前対応しかおこなわないと、受注者もそれなりの提案しかできません。
初めての取引きの場合、受注者は依頼案件の「筋」や「中身」の善し悪しを、発注担当者から聞いた情報等を元に想像しながら、どこまでリスクを取るか考えながら見積書も作成していきます。
ここで、大切なポイントは発注者側で「どこまで案件の中身が落とし込まれているか?」です。
そして、提案者にそれらの情報を適切に伝える手段、それが「RFP(提案依頼書)」です。
制作会社に口頭で業務見積もりを依頼するのではなく、きちんと文字に落とされた情報を伝えることによって、誤差の少ない見積もり書が提示される可能性が高くなります。
また、その後の価格調整をおこなう際に「言った言わない」のトラブルを未然に防ぐこともできます。
何より、事前にきちんとした文面でRFPを出すことによって、受注者は発注者の期待に応えようと、より具体的な提案を行ってくれる行動につながっていきます。
RFP完成までの3つのステップ
RFPを完成させるには、以下の3ステップの流れで作成していきます。
◆情報収集
◆情報整理・仮説設計(RFP作成)
◆社内合意
■情報収集
リニューアルすることになった理由や背景、リニューアル後の成功イメージや、現在のシステム要件、予算感などの情報を集めます。
■情報整理・仮説設計
現在のコーポレートサイトが抱える問題点を洗い出し、改善施策を立案して、今回のリニューアルで達成したい目標値(KPI)を設定します。
そして、リニューアルの範囲や課題を解決させるための手段を仮説として考えていきます。
■社内合意
計画を開始した後に上長などから計画変更の指示があった場合、手戻りが余儀なくされてしまうため、上長や経営陣など、社内で決定権を持つキーマンにリニューアルの計画について事前に合意を得る必要があります。
情報収集プロセスで把握しておくべき6つの情報
1)今回、リニューアルすることになった理由や背景
リニューアルを決定したキーマンが自身でない(経営陣や上長から担当者に任命されたなど)場合は、理由や背景を確認する必要があります。
リニューアルを実施することになった理由については、企業名やブランドの変更、集客強化、コンテンツマーケティング強化など様々な理由が考えられます。
複数の理由や背景がある場合は、その中でも優先順位をつける必要があります。
リニューアルの目的(例)
- サイトのトラフィックを伸ばしたい
- ホームページの運営業務を効率化したい
- 今風なデザインに一新したい
2)リニューアル後の成功イメージ
リニューアル後の成功イメージについても、キーマンに確認したり、担当者間でイメージを共有することが重要です。
目標数値の設定としても、1年後なのか3年後なのか、10%増加が理想なのか、10倍増を目指すのかなど、達成すべき目標によってリニューアルの方針や企画内容、予算が大きく変化します。
3)現在のWebサイトのシステム要件
現在のシステム要件については、コーポレートサイトを管理するシステム部門などに確認しましょう。
どのようなサーバーを使用しているか、どのCMSを利用しているかなど詳しい内容については専門的な用語が多く理解しにくい可能性もありますが、制作会社に提案依頼する際に必要となる情報で、課題を解決するヒントにつながるケースもあります。
4)今回のリニューアルのための予算感
制作会社から見た場合、リニューアルの方向性は予算によって大きく変わるため、予算感をあらかじめ把握することはプロジェクトを成功させるために不可欠です。
まだ予算化されていない場合、前回リニューアルを行なっている場合は前回の予算を確認することで、正確ではなくても大まかな費用感を把握することは可能です。
前回のリニューアル担当者や経理部にコンタクトを取ってみることをおすすめします。
5)Webサイトの運営コストや関連予算
リニューアル後の運営コストについても、関係部署または経理部に確認する必要があります。
施策によって、維持費用が増減するため、増加する費用だけでなく、削減できる費用がないかチェックしましょう。
また、気づいていない関係部署が存在していないか、リニューアルの影響範囲を改めて確認できる効果もあります。
6)現在のWebサイトのパフォーマンス
リニューアル後の効果を測定する前提として、現在のコーポレートサイトのアクセス数など、サイトパフォーマンスを分析しておきましょう。
サイトパフォーマンスを確認する手段としては、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールや、Googleサーチコンソールなどの検索順位チェックツール、その他のサイト分析ツールを使用したり、直近のお問い合わせフォームからの問い合わせ数などの実績数値があります。
GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールは、Webに詳しい人に聞けば設定を依頼したり、使い方を教えてもらうことができます。
RFPの基本構成要素・例(WEBサイト制作依頼の場合)
- プロジェクト概要(全体視点)
- WEBサイト構築の背景と今回の依頼の目的
- WEBサイトのコンテンツ概要ならびにコンセプト
- ターゲット利用者とインサイト
- WEBサイト名称
- 提供サービス、コンテンツの骨子
- WEBサイトのKPI
- 想定する競合WEBサイト
- 参考としたいWEBサイト
- 提案の要件(現場視点)
- 依頼したい業務範囲
- .納品成果物
- 開発方針
- 優先すべき要素(スピード、コミュニケーション、企画提案力、クオリティ)
- 依頼する機能項目の要件
- コンテンツ制作、デザイン要件について(素材提供の有無など)
- サーバー環境について(自社環境で既にあるかどうかなど)
- 運用・保守要件
- スケジュール
- 予算
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RFP作成時の4つのポイント
集客方法やゴール設定
集客を強化するためにコーポレートサイトリニューアルを行なう場合、集客手段をどのように考えるかは非常に重要です。
集客方法としてはSEOによる集客以外にも、リスティングなどのWeb広告への出稿、SNS活用など様々なものがあります。
また、集客したユーザーを見込み顧客として商談に繋げたい場合、メールマーケティングやウェビナーを開催するなど、マーケティング活動を行なえる状態にすることが必要です。
PDCAサイクルを重視する
リニューアルを有意義なものとするためには、効果測定を行ない、リニューアル前に設定した目標(KPI)を達成しているかをチェックできる仕組みを導入することが重要です。
マーケティング活動を行なう際には、獲得できたリードが獲得したい顧客像からずれていないか、目標数に達しているかなどを確認しましょう。
獲得したい顧客像を絞り込むためには、カスタマージャーニーを作成し、どのステップにいる層を獲得したいかを検討してみましょう。
具体的なコンバージョン設計
コーポレートサイトにおいて、ターゲット顧客視点のコンバージョン設計を行なうことが重要です。
お問い合わせフォームを用意するだけでは見込み顧客の商談確度が見えづらいため、見積依頼や無料トライアルなど、具体的なアクションをコンバージョンとすることがおすすめです。
短期施策と中長期施策をそれぞれ走らせる
コーポレートサイトでWebマーケティング施策を行なう場合、顕在化したニーズを持った見込み顧客(リード)を獲得する「狩猟的アプローチ」と、ニーズが顕在化していない見込み顧客に向けてコンテンツを提供することで徐々に自社の商材に興味を持ってもらう「農耕的アプローチ」の2つの手法があります。
狩猟的アプローチはリスティング広告を活用して短期間に集客を集客を行なう為「短期施策」、農耕的アプローチは徐々に効果が表れるため「中長期施策」となります。
この2つを同時並行で行なうと、よりマーケティング効果が高いコーポレートサイトに育てることが可能です。
Web制作会社からよりよい提案を引き出すコツ
リニューアルの成功には質の高いRFPの作成が欠かせませんが、その他にも品質と精度が高い提案を受けるためのコツが存在しますので、ご紹介します。
以下の4つの視点に注意して商談を進めてみてはいかがでしょうか。
魅力的なクライアントを目指す
有名企業や大企業であれば、取引実績としてアピールすることが可能であり、取引を持ちたいWeb制作会社は多くなります。
中小企業で予算が限られる場合でも、長期的な取引が期待できたり、他部署への紹介など取引が広がる可能性があれば、制作会社にとって魅力的な取引先となり、良い関係を築ける可能性があります。
自社担当者の人となりを知ってもらう
コーポレートサイトリニューアルはプロジェクトが完了するまで長期間にわたるため、自社のリニューアル担当者と、制作会社とのコミュニケーションが多くなります。
Webサイト担当者からやる気を感じられないケースや、決裁者とコミュニケーションが不足していると制作会社が判断すれば、失敗のリスクを考慮して良い提案を受けられないことも懸念されます。
社内の立ち位置や相性、仕事の進め方について不信感を持たれないことも重要です。
プロジェクトの戦略を明確にする
担当者がやる気に満ちていても、不可能なほどの短納期であったり、スケジュールが柔軟でない場合には、プロジェクトの成功確率が低くなってしまいます。
無理のないスケジュールを組んだ上で、リニューアルの目的や戦略を明確にすれば、制作会社も具体的な提案を行ないやすくなります。
現実感や煮詰まり具合を見極める
サイト構築などを発注するWeb制作会社を相見積もりなどを通じて選ぶ際の選定基準についても、重視するポイントが全体の金額なのか、コストパフォーマンスなのか、施策の具体性なのか不明確であれば、制作会社からの提案も漠然としたものになる危険性があります。
まとめ
コーポレートサイトリニューアルの成功に向けて、 Web制作会社から精度の高い提案を受けるためには、リニューアルの目的や予算感などを記した「RFP(提案依頼書)」を作成する必要があります。
RFPを作成するためには、リニューアルの目的や予算のほか、現在のアクセス状況など、現時点の情報を整理し、目的に沿って具体的な依頼事項(範囲や要件)をまとめる必要があります。
そして、RFPを元にWeb制作会社は、発注側のWeb担当者の力量や、今後一緒に仕事を進めていくにあたって、どれくらいのコミュニケーションコストがかかりそうな人なのか、見極めをしながら、見積書や提案書を作成します。
コストパフォーマンスのいい提案をもらうために、 Web制作会社が想像する不安要素(リスク要素)をいかに排除していくか、というのが、RFPを作成する大きな目的になります。
ディレクターバンクでは、コーポレートサイトリニューアルを検討している企業のWeb担当者の方からのご相談をお受けしたり、RFPの作り方やオウンドメディア運用など、Webマーケティング全般をテーマとしたウェビナーを定期的に開催しています。
「もっと詳しいRFPの作り方を知りたい」など、コーポレートサイトのリニューアルにお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。
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