こんな課題をお持ちのWebマーケティング担当者向けの記事です
BtoB企業でこれからコンテンツマーケティングを始めたい、またはコンテンツマーケティングで思うように成果が出ないことに悩んでいる企業のWebマーケティング担当者の以下の課題にお答えする記事です。
- コンテンツマーケティングとは何か、なぜ注目されているかを知りたい
- コンテンツマーケティングを始める際の具体的なステップを知りたい
この記事ではBtoB企業がコンテンツマーケティングに注目している理由、これからコンテンツマーケティングを始める企業に向けた具体的なステップと成功させるために必要なポイントを紹介します。
BtoBコンテンツマーケティングについての概要はこちらのページもご覧ください。
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BtoBコンテンツマーケティングとは?メリット、最新事例、実践方法、おすすめ学習方法を解説
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コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、「その時々の顧客の知りたいことと、自社が伝えたいことの接点を探り、コンテンツとして提供することで、自社商品の購入を促進していくマーケティング手法」です。
顧客が抱えている課題の解決に手助けとなる情報を提供することで、自社を認知してもらい、自社の商品やサービスの購入につなげていきます。
コンテンツマーケティングにおける「コンテンツ」とは記事や動画などで提供される有益なコンテンツを指し、オウンドメディア、ランディングページ、音声や動画コンテンツなど様々な提供形態があります。
コンテンツマーケティングが注目される背景
大量かつ一方的な情報発信が氾濫している現在、ターゲット顧客に「選ばれるコンテンツ」を発信する、コンテンツマーケティングの考え方はますます重要になってきています。
コンテンツマーケティングは期間が限られた従来型の広告掲載とは異なり、長期的に効果を発揮します。
このようなコンテンツマーケティングのメリットに注目が集まり、近年コンテンツマーケティングが注目されています。
<コンテンツマーケティングを実施するメリット>
- 場所や時間に縛られないマーケティング手法である
- 広告とは異なり長期的なマーケティングにおける資産になる
- ブランディングやLTVの向上も期待できる
コンテンツマーケティング設計の進め方
ディレクターバンクでは、コンテンツマーケティングの企画・設計の進め方について、以下のような5つのステップを前提として企画検討を行なったり、コンテンツマーケティング活用のサポートを行なっています。
STEP1:課題設定(目的・目標・予算の策定)
STEP2:アプローチ設計(顧客設計と施策選定)
STEP3:コンテンツ設計(コンテンツ企画・制作プラン策定)
STEP4:運用設計(コンテンツカレンダーとPDCA運用設計)
STEP5:推進体制構築(役割分担と人材調達)
STEP1:課題設定(目的・目標・予算の策定)
■コンテンツマーケティングの目的を設定する
コンテンツマーケティングは認知の獲得から購入まで、どのプロセスでも有効であり、どのような施策を行なうかは、自社が何を「課題」と捉えているかが重要です。
課題の解像度を高めるためには以下のポイントを押さえる必要があります。
1.現場把握していること【定量化】
2.ゴールを明確にすること【言語化】
3.ゴールまでの期限を決めること【スケジュール化】
課題が設定できたら、具体的な目標を決めていきましょう。
■コンテンツマーケティングの目標(KPI、KGI)を設計する
認知獲得か売上向上かなど、コンテンツマーケティングを行なう目的によって目標は変化します。
目標を決める際に必要なのは他社が同様の施策を行なっている場合のベンチマークです。
また、過去に似たような施策を行なっていれば、それらの情報を参考に目標となるKPIやKGIを決めていきます。
■KPI/KGIとは?
KPIは「Key Performance Indicator」の略で、「重要業績評価指標」と訳されています。
KPIは期限のある具体的な数値目標を設定するようにしましょう。
KPIは以下の5点のポイントを押さえた数値目標にすると効果的です。
それぞれの頭文字から「SMART」と呼ばれる目標設定のフレームワークです。
- Specific(明確であること)
- Measurable(計測可能であること)
- Achievable(達成可能であること)
- Result-oriented or Relevant(結果が出ること、KGIと関連性があること)
- Time-bound(目標に期限が定められていること)
KGIは「Key Goal Indicator」の略で、「重要目標達成指標」と訳されています。
KGIは成約数やWeb経由の売上など、直接業績となる数値的な目標を設定するようにしましょう。
■コンテンツマーケティングの予算を策定する
コンテンツマーケティングはすぐに成果が出ないケースが多く、長期的に施策を実施することで大きな成果を得ることができるため、予算設定の際は成果と連動した金額であることと、長期的な運用を考慮した予算にすることをおすすめします。
STEP2:アプローチ設計(顧客設計と施策選定)
■ターゲット顧客の設計その1:ペルソナの設計
具体的なコンテンツを検討する前に、ターゲットとなる顧客像である「ペルソナ」分析を行ないましょう。
ペルソナは「架空の人物像」ではありますが、年代や性別以外にも勤務先や年収、生活スタイルなどを詳細に設定する必要があります。
このペルソナ分析をもとに、施策内容を検討し、定期的にペルソナ自体も見直すことになります。
■ターゲット顧客の設計その2:カスタマージャーニーの設計
カスタマージャーニーとは、顧客が商品を購入するまでの思考や行動の流れのことです。
ペルソナ分析を詳細に行なっていれば、どのような状況でどのような思考を行ない、どのような経路でアクセスするか、どのような心理状態になるかが想像できるようになります。
顧客インタビューや社内関係者にヒアリングを行なうと、ペルソナやカスタマージャーニーの仮説が適切かを見直すことができます。
■現状のボトルネックの抽出とアプローチ仮説の設計
カスタマージャーニーを図式化したものを「カスタマージャーニーマップ」といいます。
カスタマージャーニーマップを作成すると、自社のマーケティング施策の現状分析を行なうことができます。
競合他社の施策を分析しつつ、自社がアプローチできていない顧客がいる場合にはその顧客にアプローチできる施策を企画しましょう。
■着手すべきコンテンツマーケティング施策の選択
カスタマージャーニーマップを作成することで見えた自社の弱点や強みをもとに、施策の優先度を決定します。
施策の選定の際は予算感だけでなくスピード感も重要になります。
一例としてSNSアカウントの運用は早期に開始できるのに対し、動画コンテンツを作成する場合は撮影などの期間が必要になります。
また、オウンドメディアの構築やマーケティングツールの導入が必要となる場合は着手するまでに1~2ヶ月かかることもあるため注意が必要です。
STEP3:コンテンツ設計(コンテンツ企画・制作プラン策定)
■コンテンツマップの作成
コンテンツ設計を行なう際は「コンテンツマップ」を作成します。
コンテンツマップはWebサイト全体のコンテンツについて、ツリー状でつなげることにより、全体のコンテンツの構造を見やすく可視化し、認識を共有させるために作成するものです。
運用を始める前にコンテンツマップを作成すれば、必要のないコンテンツを作成することを防止できたり、どんなコンテンツが必要かを整理することができます。
コンテンツマップは手書きで作成した場合でも、共有や更新がしやすいようExcelやマインドマップツールなどにまとめておくと良いでしょう。
■制作コンテンツの洗い出し、コンテンツ制作計画の策定
どのようなコンテンツが必要かを検討する場合、「ペルソナが必要としている情報」がどのような情報かを調査分析してみましょう。
必要としている情報をグルーピングして、その情報が集客獲得に必要か、信頼獲得につながるものか、成約を後押しするコンテンツかを判別して分類していきます。
ただし、コンテンツマーケティングにおけるゴールは売上などのコンバージョンの増加であることから、ペルソナが求める情報であっても、コンバージョンの増加につながらないコンテンツは制作の優先度が下がります。
STEP4:運用設計(コンテンツカレンダーとPDCA運用設計)
■コンテンツカレンダーの策定
運用を始める前に、コンテンツ制作に関する年間スケジュール表(コンテンツカレンダー)を作成することで、関係者間のコミュニケーションがスムーズになったり、今月(週単位で管理する場合は今週)行なうべきタスクを整理することが可能です。
コンテンツカレンダーは記事の公開日やセミナーの開催日だけではなく、原稿作成や予約完了日など細かい作業でもカレンダーに入力することで、運用スケジュールの遅延を防ぐことができます。
■PDCAをまわすための分析環境の設計
KGIやKPIを達成するためには、毎月の目標を数値化して管理することが有効です。
例えば「資料ダウンロード数」がKGIである場合、以下のようなKPIを設定することで、未達の場合に行なうべき施策を明確にすることが可能です。
- PV数、UU数=新規コンテンツ作成、既存コンテンツ改善
- CPA(Cost Per Action)=広告出稿した場合の収益性を上げる施策
- 回遊率=サイト内で内部リンクを増やす
- CV数=コンバージョンにつながるCTAを増やす、フォーム最適化(EFO)
■ワンソース、マルチユースを心がける
オウンドメディア、ホワイトペーパー、ウェビナーなど複数のコンテンツマーケティング施策を行なっている場合、作成するコンテンツは複数の施策で利用できることを想定すると効率的にコンテンツを作成することができます。
STEP5:推進体制構築(役割分担と人材調達)
■制作、運用業務の洗い出しと役割分担
最適な運用体制はコンテンツマーケティングのフェーズ(段階)によって変化します。
企画段階では少数の人員で企画検討を行なうことができますが、運用フェーズではコンテンツ制作者が複数人必要になったり、施策ごとに担当者を設けることもあります。
運用フェーズにおいて、ディレクターバンクでは、PDCAサイクルのうち、「Plan(計画)」と「Action(改善)」をコア領域と呼び、社内人材育成を進めることをおすすめしています。
「Do(実行)」と「Check(測定)」のノンコア領域については、運用代行などのアウトソーシングや自動化ツールなどを活用することが可能な領域になります。
■外部人材の活用
これからコンテンツマーケティングを始める場合、豊富なノウハウを持つ企業からコンサルティングを受けることで市場調査やペルソナ分析などのサポートをしてもらったり、作業を代行してもらうことも可能です。
前項における「ノンコア領域」については運用代行や自動化ツールで効率的に運用し、「コア業務(Plan、Action)」については自社人材で行なうことが理想ですが、外部企業のコンサルティングや運用代行を活用すると、定期的に振り返りミーティングを行なうことでアドバイスを受けることができます。
まとめ)コンテンツマーケティング設計を成功させるポイント
1.ゴールに近いボトルネックから改善する
コンテンツマーケティングにおける施策の優先順位については、ゴールに近い部分から改善することをおすすめします。
カスタマージャーニーを作成すると認知段階、興味・関心段階、比較・検討段階、購入段階それぞれで改善施策を洗い出すことができますが、最も即効性が高いのが入力フォーム最適化などのゴール(購入)に近い部分になります。
工数が限られる場合やすぐに結果を出したい場合は購入段階における離脱防止などを優先しましょう。
2.有益なKPIを作成するための「4つのA」
KPIはKGIの目標を達成するために必要な項目である必要があります。
一例として、検索キーワードから自社Webサイトにアクセスしたユーザーが1ページだけを観て離脱する「直帰率」について、その数値だけではユーザーが満足して帰ったかを判断できないため、現在では満足度を測る指標としては適切ではないと言われています。
KPIを設計する際には以下の4つのAを満たすものであることが重要と言われています。
Available=数値を定量的に計測できる
Accountable=ゴールとの因果関係を説明できる
Actionable=KPIの改善に対してアクションができる
Accessible=数値を誰もがすぐに確認できる
3.予算や人員が限られる場合はツールを積極的に活用する
コンテンツマーケティングに大きな予算をかけられない場合は積極的に効率化、自動化に寄与するツールの活用が重要です。
週次や月次のレポート作成にかかる工数は、Looker StudioなどのBIツールを活用すると自動的に集計し可視化することができます。
また、コンテンツマーケティングを支援する企業の中には、SEO対策やSNS運用、記事作成など様々な作業を効率化するツールを提供する企業も存在します。
無料または低額で利用できるツールなどもあるため、自社のコンテンツマーケティング戦略を効率的に行ないたい場合は最適なツールを探してみましょう。
4.USPを活かすコンテンツづくり
コンテンツマーケティングで成果を上げるためには、自社商材にしかない強み、「USP」(Unique Selling Proposition)を把握することが重要です。
ただし、品質や機能性が高いこと自体はUSPにならず、他社が真似できないものであることと、キーワードがわかりやすいものになることに注意が必要です。
USPをコンテンツ作成に活かす場合、下記の「過去」「現在」「未来」の3つの視点から検討すると効果的です。
過去=過去の取り組み、実績
現在=保有するノウハウ、提供体制
未来=今後の展開、ビジョン
5.広告ではアプローチできない層に届けることを意識する
集客にWeb広告を活用する場合、最大限の費用対効果を得るためには広告を配信するターゲットを限定する必要があります。
それに対しコンテンツマーケティングでは、SEO対策などを通じ、広告配信のターゲットとなるユーザー以外にも自社コンテンツを見つけてもらうことができます。
このことから、コンテンツマーケティングを行なう際は「課題を認知していない」「自社を認知していない」「メリットを認知していない」など様々な状態にある見込み顧客に対応する、幅広い切り口でコンテンツを提供することをおすすめします。
オウンドメディアのサイト改善、記事コンテンツ制作をワンストップで代行
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