こんな課題をお持ちのWebマーケティング担当者向けの記事です
オウンドメディアをこれから構築する、もしくは既に運用しているWebマーケティング担当者の以下の課題にお答えする記事です。
- ペルソナって言葉は聞いたことがあるけど具体的に何か知りたい
- 自社のターゲット顧客のペルソナの具体的な設計方法を知りたい
- 事例をベースにペルソナ設計のノウハウを知りたい
このような課題をお持ちの方に、ペルソナの作り方について、設計するメリットや具体的な設計方法、失敗しないためのポイントを解説します。
また、当サイトではペルソナ設計の際に利用できる「ペルソナシート」を無料で提供しており、こちらのリンクからダウンロードできます。
オウンドメディアのペルソナ設計でお困りの方はぜひご活用ください。
なお、オウンドメディア構築の全体ステップやBtoB、BtoCに分けた事例紹介など、オウンドメディアの効果的な構築方法と最新事例については、以下の記事も合わせて参考にしてください。
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ペルソナとは?
BtoBビジネス、BtoCビジネスを問わず、オウンドメディアを構築する上で、ターゲットとなる読者や顧客を明確にすることは非常に重要です。
どのようなユーザーを集客したいか、そしてビジネスに繋げるかを検討するために役立つのが「ペルソナ」という考え方です。
ペルソナを設定することで、読者のニーズや関心に沿ったコンテンツを企画・制作しやすくなり、より効果的な情報発信が可能になります。
漠然としたターゲット設定ではなく、具体的な人物像を想定することで、記事や動画の内容がより響くものとなり、エンゲージメントの向上や成果の最大化につながります。
ペルソナの基本的な概念

Webマーケティングにおけるペルソナの定義とは「ターゲットとなる顧客の特徴を細かく設定したモデルユーザー・顧客像」のことです。
「ペルソナ」と「ターゲット」の違いについては、ターゲットは年代、性別、居住地などで分類することが一般的であるのに対し、ペルソナは趣味やライフスタイル、消費行動、価値観などを加えることでより詳細な人物像を設定します。
例えば「30代の男性会社員」「東京で一人暮らしをしている独身女性」などはターゲットであり、ペルソナではありません。
一昔前までは、このようなざっくりとしたターゲット設定でも十分マーケティング活動ができていましたが、最近はライフスタイルが多様化しているため、属性情報だけでは顧客のニーズを把握することが難しくなっています。
ここで注目されるようになったのが、ペルソナ設計の考え方です。
ペルソナの役割と重要性
ターゲット設定において、既存顧客に関する属性情報を分析するだけでも、今後顧客になりやすい「ターゲットユーザー」を想定することは可能です。
しかし、オウンドメディアを運用する中でユーザーが興味のあるコンテンツを作成するためには、ペルソナを設計してペルソナの行動や心理に沿ったコンテンツを作成することでオウンドメディアとしての目的、成果を達成しやすくなり、運用効果が大きくなります。
また、コンテンツ設計の場面だけでなく、ペルソナを定期的に見直すことで新しいコンテンツを企画するきっかけとなったり、集客施策を検討する際のヒントになるという効果もあります。
ペルソナ設定のメリット
ペルソナを設定するメリットとしては以下の3点があげられます。
- メンバー間での情報共有を実現できる
- 意思決定プロセスを最適化できる
- 真にユーザー視点に立つことができる
メンバー間での情報共有を実現できる
女性向けのオウンドメディアを運用する際、ターゲットを「30代女性」としか設定していない場合、プロジェクトメンバーが思い描く人物像はバラバラである可能性があります。
想定する女性がキャリア志向か、プライベート充実派かによってキャッチコピーやコンテンツの切り口が変わったり、普段見ている雑誌やメディア、ファッションの好みが違えば、好まれるサイトデザインも変わるため、誰のためのWebページなのかを定義づけ、イメージを共有した状態でプロジェクトをスタートするためにペルソナ設定は有効な手段と言えます。
意思決定プロセスを最適化できる
ペルソナイメージをメンバー間でしっかり共有できていない場合、デザインや機能毎にペルソナが異なるなど、チグハグなWebページが完成してしまうことがあります。
これは、異なるペルソナイメージをもつメンバーの意見を全て取り入れようとした結果です。
または、メンバー間で持っている共通認識を最終決裁者に伝えられず、上長から「これも追加したい」「もっとこんな風にできないか?」と想定外のリクエストを出されてしまったということも考えられます。
明確なペルソナ設計をし、要件定義や意思決定の判断基準とすることで、議論が堂々巡りしてしまったり、作り手の視点だけで判断を下してしまったり、ということを防ぐことができます。
真にユーザー視点に立つことができる
プロジェクトに携わる期間が長くなると客観的な視点が薄れていき、無意識にユーザー視点で考えている「つもり」な状況に陥っていることがあります。
アンケートやインタビューで実際のターゲットに話を聞いた上で、ペルソナを設定したり定期的に振り返ることで、思い込みのユーザー像を作り上げてしまうことを避けることができます。
また、ペルソナを作成して訪問ユーザーを詳しく設定することで、精密なカスタマージャーニーマップを作成することも可能です。
カスタマージャーニーマップとは、オウンドメディアを訪問するユーザーがどこから流入し、どのような思考や経路をたどりコンバージョン(成果地点)に到達するか、そのプロセスを可視化した図で、サービス利用や購入までの体験をユーザー視点で把握、検討するのに役立ちます。
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ペルソナのパターン設定について
ライフスタイルが多様化した現代において、ターゲットとなる顧客像が1パターンに収まることはほとんどありません。
オウンドメディアを構築する際は一般的には、3〜4パターン、多いときには6〜8パターンのペルソナを設定します。
ただし、設定したからといって、全てのペルソナのニーズがかなった商品・サービスを目指すわけではありません。
ペルソナを一旦全て把握した上で、
「メインはこのペルソナ」
「直近の3ヶ月はこのペルソナに注力してみよう」
「このペルソナを狙うのは断念しよう」
と優先度をつけ、施策検討に生かしていくことをおすすめします。
Web担ガイドにおけるペルソナ分析
当サイト(Web担ガイド)では、訪問するユーザーを所属部署や担当業務、興味があるテーマをもとに、以下のA~Dの4タイプに分類し、それぞれについてペルソナ分析を行なっています。
■タイプA「マーケティング部門や広報部門の現場マネージャー」
LP制作、サイトリニューアル、コンテンツマーケティングなどのWebマーケティング施策に興味がある
■タイプB「Webでの新規リード獲得のための施策を探しているBtoBの中小企業経営者、またはBtoB企業であり中堅企業以上の事業部門の現場マネージャー」
HubSpot、マーケティングオートメーション(MA)などのマーケティングツールの導入・活用に興味がある
■タイプC「コンテンツマーケティング施策やオウンドメディア立ち上げを検討している新規事業部門のマネージャーや現場担当者」
オウンドメディアの構築や運用に関するノウハウに興味がある
■タイプD「SNSマーケティングに興味関心がある中小企業の経営者、BtoC企業であり中堅企業以上のWebマーケティング担当者」
SNSを最大限活用するためのツールやアカウント運用ノウハウに興味がある
この記事はどのペルソナに向けたものか?
オウンドメディア全体でペルソナを設定するだけでなく、記事を作成する際に「どのペルソナに向けて記事を書いているのか?」を念頭において検討することが重要です。
この記事では「タイプC」のコンテンツマーケティング施策やオウンドメディア立ち上げを検討している新規事業部のマネージャーや現場担当の皆さんを想定しています。
ペルソナを設計してから記事を作成するとコンテンツの内容や方向性についてオウンドメディア運用チームの中で認識を共有させることができるためおすすめです。
ペルソナ設計に必要な情報とは?
ペルソナ設計のアウトプットは、以下のようなものになります。

ペルソナに関する情報をまとめたシートは、上記のようにA4またはA3出力で1ページに収まるよう作成することをおすすめします。
1ペルソナ・1ページにすることで複数のペルソナシートをホワイトボードに貼り俯瞰してみることができ、会議の際にも有効です。
ペルソナを設計するにあたり、以下のような項目を洗い出し、アンケートやインタビューを行なう際のヒアリング項目として利用します。
基本情報
まずは性別や職業などの基本的なデモグラフィック情報です。
オウンドメディアを訪問するユーザーの属性について、家族構成や年収などについて考察します。
「既婚・未婚」や「同居家族」などはBtoCビジネスにおける接触ポイントを検討する際に効果的です。
-名前
-性別
-年齢
-職業
-学歴
-収入
-既婚・未婚
-同居家族構成
-居住地域
仕事に関する情報
勤務先企業の従業員数や担当業務、役職などは特にBtoBビジネスのオウンドメディアを構築する際は特に重視したいポイントです。
このユーザー分析をより進化させて、個別具体的な企業を想定した「アカウントベースドマーケティング:ABM」というマーケティング手法も存在します。
-事業規模(売上規模や従業員数など)
-業種
-業態
-所属部門、役職
-企業の課題
-仕事上の役割
-意思決定権の有無、または意思決定における役割
-1日の過ごし方(通勤、出社から帰社まで)
-接触するメディア、情報収集の仕方
-社外での活動(キャリアに関するもの)
行動情報
行動情報はその人の行動範囲や接触するメディアを想像するために必要です。
また、広告出稿する際のメディア選定、SNSの投稿時間などを決める判断材料にもなります。
-平日・休日の基本的な流れ
-よくいく場所
-友達の数(リアル、SNS)
-趣味
-好きなWebメディア、SNS
-好きなテレビ番組、雑誌
-使用デバイス
購買検討時の情報
購買行動を想定した時に商品・サービスであれば購買までの行動、コンテンツであれば購読までの行動を詳しくヒアリングすることで、流入元やオウンドメディア内での遷移などについて必要な情報を得ることができます。
-購入前の不安
-商品・サービス認知のきっかけ
-検索キーワード
-比較検討した商品・サービス
-購入を決めた理由
-購入しなかった理由
-購入後に感じた効果や変化
-商品やサービスへの要望
目標と課題(仕事/プライベート)
ペルソナとなる人物のやりたいこと、解決したい課題解決を検討することで、その課題解決をサポートできる商品・サービス・コンテンツかどうかの参考とすることができます。
-今、もっとも課題だと感じていること
-それ以外に把握している課題
-今、チャレンジしていること
-いつかチャレンジしてみたいと思っていること
-チャレンジしたいが無理だろうなと思っていること
-現状チャレンジできていない、無理だと思わせる障壁は何か
価値観
価値観を理解することで、避けるべき表現や伝えるべきメッセージが決まります。
-優先する価値観
-言われたり、されたりすると嫌なこと
-尊敬する人
ペルソナ設計に必要な情報収集

ペルソナシートに記載する項目の精度を上げるためには、実際の顧客にヒアリングして、どのような傾向があるかを把握する必要があります。
ヒアリングの流れとしては、まずは購買データなどをもとにヒアリングを行う対象とヒアリング項目を検討します。
そして、顧客データベースや取引先データベースの中から、ヒアリングを実施する対象を選定します。
そしてヒアリングに応じてもらえる人が決まったら、実際のターゲットにヒアリングを開始します。
その手段は、いくつかありますので順にご紹介します。
Webアンケート
ペルソナ分析の調査においてよく行われるのが、既存顧客を基本属性を対象として絞り込み実施されるWebアンケートです。
新規事業の場合などは、ターゲットグループの中にどんな人物像がいるのか把握でいていないことが多いので、まずは、広くターゲットにアンケートをとり、その回答結果をまとめながら、数パターンのペルソナを見つけていきます。
デプスインタビュー
デプスインタビュー(DI)とは、対象者1人に対して、モデレーター(インタビュアー)が「1対1」でインタビューする調査手法です。
対話形式でインタビューすることで、Webアンケートだけでは得られない対象者の本音や心理まで掘り下げて理解し、より深い意思決定プロセスの周辺情報を得ることができます。
細かい質問が続くので、対象者は普段の記憶を辿るのに時間がかかることも多いですが、回答者が自由に語ってもらえることがメリットです。さらに、大勢の前では話しづらいトピックについても話しやすくなります。
平均的なインタビュー時間は40~90分で、インタビューの人数としては10~20人にヒアリングすることが一般的です。
DI成功のポイントは、モデレーターが聞き上手であり、対象者が安心して話せるよう打ち解け、答えやすい質問を投げることが重要です。
回答内容を誘導することなく、うまく引き出すにはある程度の経験も必要になるので、DIを実施する場合はプロのモデレーターに依頼することも有効です。
ソーシャルリスニング
SNSやブログなどで商品やサービスに対する声を収集する「ソーシャルリスニング」はインタビューと比較して自然な声を集めやすい調査方法になります。
ソーシャルリスニング機能を持つツールを利用すれば、様々な投稿を見やすく整理された形で調べることが可能です。
SNSのプロフィール情報や前後の投稿などから属性に関する情報を類推するなど、ペルソナ設計に必要な情報を収集することができます。
アクセス解析などのツール活用
すでにオウンドメディアを運用している場合は既存顧客の情報と合わせて、Webサイトを分析することでペルソナのヒントを得ることが可能です。
自社サイトを訪問しているユーザーや企業担当者の属性については、Googleアナリティクスや各SNSで提供されているアナリティクス機能で性別や年代などの属性、リピート訪問の手段やタイミング、サイト内での回遊状況、利用デバイスなどの情報を取得することができます。
また、BtoBビジネスの場合は、マーケティングオートメーション(MA)ツールを活用することで所属企業および想定売上高を分析することが可能です。
ペルソナシートを作ってみよう
ペルソナ設計に関する情報収集が終われば、ペルソナに関する情報を資料にまとめて完成になります。
ペルソナに関する情報をまとめる際はテンプレートを用意して情報を記入していく必要がありますが、当サイトではPowerpoint形式で利用できるペルソナ設計の無料テンプレートを提供しています。
オウンドメディアのペルソナ設計でお困りの方はぜひ活用してください。

また、ペルソナ設定で利用できるテンプレートについて、他社が公開しているテンプレートを以下の記事でまとめています。
様々な企業のテンプレートを比較検討したい場合はこちらの記事をご参照ください。
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マーケ担当者のためのペルソナ作成テンプレート8選:2020年6月版
企業のマーケティング担当で、ペルソナ作成のためのテンプレートを探している方向けの記事です。 この記事の目的企業のマーケティング担当者さんのためのペルソナ作成テンプレート集め 当記事では、ペルソナ作成の ...
ペルソナシートの作成方法
当サイトが提供するペルソナシートは、大項目として基本情報、行動情報、心理情報の3つに別れています。
1ページにつきペルソナを1つ作成する形となっているため、複数ペルソナを用意する場合はコピーして利用してください。
記入項目はオウンドメディアのテーマやコンテンツによって変わるため、ダウンロード後自由に編集可能な状態になっています。
■基本情報
基本情報は画像や氏名、年齢、職業などを入力することで、ペルソナとなる人物をより具体的に想像できるようにしています。
<項目例>
氏名、性別、年齢、居住地、勤務地、職業、学歴、年収、家族構成、趣味
■行動情報
行動情報はよくいく場所、休日の過ごし方などを想像することでオウンドメディア以外の接点がないかを検討する際の手掛かりとなります。
<項目例>
よく行く場所、接触メディア、SNS、使用デバイス、平日の過ごし方、休日の過ごし方
■心理情報
心理情報は悩みや価値観を検討することで、新しいサービス企画などの材料にすることができるでしょう。
<項目例>
課題・悩み、チャレンジしていること、チャレンジしたいこと、価値観
このペルソナシートはBtoB、BtoCを問わず様々なオウンドメディアで活用できますので、ぜひ無料でダウンロードしてください。
まとめ:効果的なペルソナ設計とは?
オウンドメディアを運用する上でペルソナを分析、設計することは成功のための要素として非常に重要です。
想定する読者について、性別や居住地などの属性情報以外の行動・心理などについても深く考察することで運用メンバー間の意識を揃えたり、新しい施策を検討する可能性を広げることができます。
また、「どのペルソナに向けたコンテンツなのか」を意識しながら記事などを作成することで読者に深く刺さるコンテンツを作成することができます。
ペルソナ設計に困ったら?:外部パートナーを活用しよう
ペルソナ設計は基本的に「売上が大きい顧客」「顧客になりやすい業種」「問い合わせ時の情報」など既存顧客データの分析から始める方法が一般的ですが、新規サービス立ち上げなどの場合は0から設計することもあります。
その場合、競合企業の顧客像などを調査したり、アンケートやDIを実施して情報を得る方法もあります。
また、オウンドメディア運用のノウハウを持つ企業はペルソナ設計の経験も豊富ですので、オウンドメディア立ち上げでお困りの方はぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
ディレクターバンクはオウンドメディアの構築から運用サポートまでのあらゆるフェーズで多くの中小企業のご相談をお受けしており、300名以上のWebマーケティングに特化した人材が在籍しています。
オウンドメディアを立ち上げを検討している企業の方や構築しても「思うようにアクセスが増えない」などお困りのことがありましたら、弊社までご相談ください。
オウンドメディアのサイト改善、記事コンテンツ制作をワンストップで代行
ディレクターバンク(株)のオウンドメディア記事制作は、ターゲットユーザー選定、キーワード分析から、オウンドメディアのコンテンツ企画、記事制作まで、オウンドメディア運営の必要なサポートをワンストップで提供させていただきます。