WEB接客ツールの最新相場調査:2017年6月版

2017年6月18日

これまでWEBサイト上の購買プロセスでは、基本的に購入希望者が自分で情報を得ながら検証・比較をし、決断をするという流れで決済に進みました。これを実店舗のショッピング体験のように、店員とのやりとりのような感覚で見込み客をWEBサイト上に留まらせ、購入まで導くという仕組みがWEB接客ツールです。また 価格が高価だったり、購入決定までのプロセスがB to Cよりも多いB to Bビジネスでも、見込み客とのやりとりを密にできるこの仕組みが注目され、ニーズが高まっています。WEB接客ツールは、どれだけコンバージョン率アップに貢献する有効な手段となり得るのでしょうか。実際のサービスを比較しながら検証しました。

おさらい:WEB接客ツールとは?

WEBの世界でもマーケティングが当たり前となり、一人ひとり異なる志向を持つサイト訪問客に対して、異なる対策を施してコンバージョンに結びつけるという展開が望まれるようになりました。その役割を果たすのが、WEB接客ツールです。

WEB接客ツールとは、 WEBサイトを訪れた見込み客の属性や閲覧・購入履歴、滞在時間などから判断し、会員登録用のバナーやおすすめ商品をPOPで表示したり、チャットで見込み客の疑問に瞬時に答えたりという手法で、いわば店舗さながらの接客をしてくれるシステムです。

その効果がもっとも期待されるのが離脱率の低下。バーチャルの世界であっても、訪問者と運営側の「意志のやり取り」というプロセスが加わることで、訪問者の興味はより惹きつけられ、結果として滞在時間は長くなります。 また、買おうか、買うまいかという最終的な判断時に、お得な情報をポンと提示して背中を押し、それが購買率を高めることにもつながります。

種類としては、見込み客に最適なバナーを画面に表示する形の「ポップアップ型」、訪問客とオペレーターの直接対応や事前に用意したシナリオをシステムが自動活用して接客する「チャット型」の大きく2つに分けることができます。AI技術の発展により、今後さらにより適切なコミュニケーションを自動で行うシステムが続々登場してくることも予想されます。

そんなWEB接客ツールを提供する5社を調査してみました。

WEB接客ツールの最新相場調査

1.KARTE

株式会社プレイドが提供。現在WEBサイトに来訪している一人ひとりのアクセス情報、来訪パターン、ユーザー情報(会員情報や購買履歴)等を瞬時に可視化し、それぞれに最適なアクションを施すことができます。アクションは文字や写真の変更だけで、専門知識がなくてもすぐに活用が可能。導入実績は約1,430社。ECサイトのほか、金融、不動産系にも導入企業があります。

特長

申し込み後、接客したいページにJavascriptタグを設置することでサービスを利用することが可能。最短で数分で完了します。計測タグやコンバージョンタグのみであれば、管理画面からコピー&ペーストすればすぐに利用可能。コンサルタントによるトレーニングサポートサービスも多数用意されています。

価格、導入イメージ

  • 料金:月額¥98,000から(10万UUまで)。
  • 10万UU以上の場合、MA/CRMツール連携、LINE連携などのオプション機能をつける場合は料金が変動。
  • 最低契約期間は1年間。

→ 詳しくはこちら(KARTEのサイトへ)

2.Flipdesk

Supership株式会社が提供。来訪経路、閲覧・購入履歴、滞在時間などの情報から、メッセージ、バナー、クーポン、チャットなどの最適な手法で接客を行います。サイト分析から施策の提案、設定代行、レポーティングなどの運用を任せることができるサービスも提供しています。出版、ファッション、通信、教育など、500社1000サイト以上での運用実績があります。

特長

かつてはスマートフォン向けという特徴を打ち出していましたが、現在はパソコン、タブレットなども含めたマルチデバイスに対応しています。 導入方法はタグを設置するだけ。直感的に理解しやすい、ユーザーフレンドリーな管理画面も、導入のハードルを下げることに一役買っています。

価格、導入イメージ

初期費用は
エントリー(月間PV0〜100万/¥50,000)
ベーシック(月間PV100万1〜500万/¥150,000)
プロ(月間PV500万1〜/¥300,000)
の3タイプ。

・10万PVごとに¥5,000の月額料金が発生。

→ 詳しくはこちら(Flipdeskのサイトへ)

3.Zendesk Chat

日本ではフォー・フュージョン株式会社が提供するチャットツール。対応の自動化だけでなく、オペレーターがチャット、電話、メール、Web、SNS、LINEなど、さまざまなチャネルでリードとコミュニケーションする活動をサポートしてくれます。訪問者の言語を自動翻訳する多言語対応機能も装備。EC、クラウドサービス、求人など、大手有名企業でも活用されています。

特長

標準のチャットウィジェットを活用するのであれば、チャットを表示したいページにタグを貼り付けるだけで利用開始となります。設置されるサイトやユーザーニーズに合わせ、より多くのUXカスタマイズが可能な「J-ウィジェット」を選ぶ際には、デフォルト設定のデザインのほか、オリジナルデザイン制作を依頼することもできます。

価格、導入イメージ

料金:初期費用無料。

  • エージェント(オペレーター)1名に対し月額¥¥3,780、¥6,480、¥13,500の3プラン(いずれも12ヶ月契約の場合)。
  • 契約は3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月更新が選べる。

→ 詳しくはこちら(Zendesk Chatのサイトへ)

4.Chatoport

ミームグライダー株式会社が提供するチャットツール。在席時にはチャット、不在時はメールフォームに自動で切り替わる新規顧客獲得サービスです。SOHOや個人事業者、スタートアップなどのスモールビジネスを対象としており、小規模ECや店舗のサイト、士業やコンサルトのサイトなどに、シンプルで使いやすい機能を充実させています。

特長

お試し1ヶ月間つきの無料登録をすると、動画でチャットポートの使い方を見ることができます。それに従い、メニューからスクリプトをコピーして、HTML内に貼り付ければ使用開始。必要な機能を厳選して「使いやすさ」「始めやすさ」をコンセプトとしているので、導入は個人事業主や中小企業がメインとなっています。

価格、導入イメージ

  • 料金:初期費用無料。年間¥11,760(月¥980)
  • 価格はWEB上で確認することができます

→ 詳しくはこちら(Chatoportのサイトへ)

5.CODE Marketing Cloud

code marketing cloud

株式会社エフ・コードが提供するポップアップ型のWEB接客ツール。訪問したユーザーの条件に応じて、効果的なタイミングと位置によるバナー表示を行います。導入企業の業種はさまざまですが、サイト離脱率が13.1%改善し、コンバージョンが3倍になった高速バス予約サイトや、ひと月で150件以上の体験レッスンを獲得したオンライン英会話などの事例があります。

特長

  • 豊富なテンプレート、カラーにより、希望するバナーを自分で作成可能
  • 上記特長により、コスト削減(人的負担・時間的負担ともに)につながる
  • 専門コンサルタントによる運用フォローあり(別料金)

「申込後、管理画面により表示ロジック(どのような時に、どのようなバナー表示を行うか)の設定とバナー作成、タグの貼り付けを行うことで使用開始できます」。(株式会社エフ・コード 担当者)

価格、導入イメージ

システム初期設定料金:10万円

  • アカウント開設作業
  • ミーティングによる設定支援
  • 設定後のフォローアップ

システム利用料金:10万円~/月

  • 10万UU/月まで、以降1UUあたり1円

→ 詳しくはこちら(CODE Marketing Cloudのサイトへ)

編集部のまとめ

ひと口に「WEB接客ツール」といっても、ポップアップ型にするのか、チャット型にするのか。チャット型でも基本はオペレーターによる対応にするのか、ボットタイプの自動をメインにするのか…など特徴はさまざま。自社で解決したい課題に応じて適切な選択をすることがポイントです。 ただし、顧客とのコミュニケーションという目的に絞っているWEB接客ツールは、MA(マーケティングオートメーション)ツールなどと比較して、案外リーズナブルな価格で導入できるサービスがみられます。無料期間を設けているものもあるので、まずは実際使ってみて本格導入の検討をしてみてもよいでしょう。

調査実施概要

  • 期間:2017年5月31日〜2017年6月2日
  • 調査方法:インターネット調査及び電話取材にて実施

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Web担当者のための見積もり相場ガイド編集部

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