(2018年3月版のレポートに追加調査を行い、更新したものです)
企業の新卒採用にWebマーケティングを取り入れるケースが多く見られます。なぜなら、新卒採用の方法が、従来の求人媒体に頼ったものから、エージェントなどを介して、自社Webサイトをメインに展開していく方法に変化していく流れが見られるからです。そこでよく活用されるのが、社長や社員にインタビューを行った動画。実際、動画・映像制作サービスを提供する企業では、人材採用向けインタビュー動画の事例が増えているようです。そこで本記事では、2~3分のインタビュー動画を、動画・映像制作サービスを利用して制作する場合の主要なサービスと相場観を調べました。
インタビュー動画の導入による効果とは
(1)インタビュー動画導入によるメリット
- 画面をスクロールしたときに目に留まりやすい
- テキストや画像よりも多くの情報を短時間で伝えることができる
- 企業の想いや社風、雰囲気などテキスト化しにくい情報を伝えられる
(2)活用事例
1)採用動画
人材採用の目的で制作。経営者や社員のインタビューなど。活用事例が増えている。
2)事例動画
見込客に、製品やサービスを理解してもらうための動画。顧客インタビューなどが多い。
3)ノウハウ動画
製品やサービスをより良く使ってもらい、継続使用してもらうための動画。社内コンサルタントや開発者のインタビューなど。
インタビュー動画制作を依頼する前に自社で準備しておくこと
-
- 目的:動画を見たユーザーにどのようなアクションを起こしてほしいか
- 目標:動画によりどのような成果を出したいか
- ユーザーに伝えたいこと:企業や商品の特徴、訴求ポイント
- 自社にある素材:差し込みたい画像や文言などがあれば素案を用意しておくと良い
- 動画のイメージ:世界観、「こういった動画を制作したい」という参考動画など
インタビュー動画制作の最新相場調査
1.はぐくむ
インタビュー動画の中でもマーケティングに活用されることの多い、顧客事例・お客様インタビューを得意とする。クライアントの立場に立った、販促・集客のためのマーケティング視点でのコンテンツ制作が強み。動画だけでなく、Web記事、紙媒体のコンテンツ制作も、企画から編集までワンストップで対応できる。
特長
- 女性ディレクターが担当
- 美容やエステ系のユーザーインタビューに強い
「お客様インタビューの実績が多く、特に、高額商品や目に見えにくい商品に関するインタビュー動画のニーズが高いです。また、採用活動に使うための社員の方へのインタビューの依頼も多いです」(はぐくむ 高橋氏)
価格、導入イメージ
中心価格帯:15万円
※2~3分のインタビュー動画制作
「マイクやカメラなど撮影に使う機材や、動画に素材をどのぐらい挟むかによって料金は変わってきます。インタビュー動画制作は、どういう目的で使うかを考えて依頼することが大切です」(はぐくむ 高橋氏)
2.Somethingfun(サムシングファン)
国内では東京・大阪の二拠点があり、出張撮影にも柔軟に対応できる。実績が豊富でサイト上にも多く掲載。インタビュー動画以外にも、動画広告やラジコンヘリ空撮、ムービーサポートセルフなどサービスの幅が広い。「IT飲み会」というIT業界懇親会も開催している。
特長
- 動画制作後の活用方法まで含めた提案ができる
- 動画制作を内製化するためのノウハウ提供が可能
- 文化放送と提携した「ラジオ番組出演+プロモーションムービー制作の一括サービス」あり。
「中小企業から大企業まで、弊社ではこれまで16年間の動画制作の実績があり、カメラマンを始め必要なスタッフを自社で手配できます。動画制作にあたっては、ディレクターが同席してヒアリングを行いながら、制作した動画をどう活用するかまで考えたご提案します。動画制作とは別料金になりますが、動画の撮影や編集など動画の制作を内製化するためのノウハウをお教えできる点や、広報支援が行える点も、他の会社とは違う特長です」(サムシングファン イイヅカ氏)
価格、導入イメージ
中心価格帯:30万円~50万円
※2~3分のインタビュー動画制作
「音楽やナレーションを入れるなど、企画演出をしっかりと行う場合は70万円~100万円程度かかりますが、シンプルなインタビュー動画制作であれば30万円程度から制作が可能です」(サムシングファン イイヅカ氏)
3.ビデオ屋ドットコム(合同会社SENTIC)
3つの動画制作プランがあり、プランによりカメラ台数とスタッフ数が違う。作業工程がパターン化されていることで、低価格での動画制作が可能。オプションも全て価格が明確化されているので、予算取りもしやすい。日本全国出張撮影が可能で、無料出張エリアも拡大中。
特長
- 動画制作をパターン化することで料金を固定、低コストを実現
- あらかじめプランが決まっているので申込~撮影までが早い
- 運営元の合同会社SENTICでは都度見積もりの動画制作にも対応
「インタビュー動画の利用層は大部分が法人で、商品レビューの他、リクルート向けの社員紹介にも多くご利用いただいています。制作した動画は、Webや展示会などの場で活用されています」(ビデオ屋ドットコム 田中氏)
価格、導入イメージ
中心価格帯:5万円~10万円
※2~3分のインタビュー動画制作
- 基本プランとしては、ライトプラン(税込38,000円)、スタンダードプラン(税込54,000円)、プレミアムプラン(税込84,000円)がある。基本のプランにオプションを追加する形となる
- 運営元の合同会社SENTICでは、都度見積もりで動画制作に対応しており、人件費と撮影規模、取り扱う形式により大幅に変動するが、中心価格帯としては80万円程度
「動画制作は『家を建てる』イメージに近いかと思います。費用をかければそれだけ良いものができる可能性が上がりますが、基本的に金額に関しては、お客様予算の範囲での制作規模で提案させていただいています。動画制作の際は、『見積もり依頼の際にできるだけ予算を伝える』ということが大事になってくるかと思います」(ビデオ屋ドットコム 田中氏)
4.ヒーローガレージピクチャーズ(ヒーローガレージ)
動画制作の他、Webサイト制作・CMS構築、SNSマーケティングなどWebサイト運営に関わる幅広いサービスを展開している。インタビュー動画制作の経験豊富。他にも、企業PVやイベント、Eラーニングの撮影編集も手掛ける。整音できるMAスタジオを完備、東京(渋谷・都立大学)の他、大阪にも編集スタジオあり。
特長
- 1時間1万円~という格安の時間清算
- 渋谷、都立大学、大阪に立会い編集スタジオあり
- 自社管理のBGMを2000曲所有
「動画制作サービスは通常1本いくらという料金体系が多いですが、弊社の場合は、もともとは個人のお客様を対象にサービスを提供していたこともあり、時間清算で細かい作業にも対応できます。現在は大企業様の利用者が多く、中小企業様の動画マーケティングの活用はまだこれからといった状況です」(ヒーローガレージ 佐藤氏)
価格、導入イメージ
中心価格帯:10万円
※2~3分のインタビュー動画制作
- セッティング・撤収含め1時間の撮影の場合の目安
- 撮影、編集に関する作業、機材手配、運搬などそれぞれ時間清算となる
「ユーザーインタビューなどは数カ所を回る案件が多いので、それによっても料金が変わってきますが、2~3分のインタビュー動画であれば、10万円に収まるぐらいが中心です。動画編集は、立会か持ち帰りか、テロップやBGMによっても料金が変わってきます」(ヒーローガレージ 佐藤氏)
5.PROOX(プルークス)
経営コンサルティング出身メンバー陣が立ち上げた動画マーケティング会社。インタビュー動画はもちろん、アニメーションから実写・CG制作まで多種多様な幅広い動画に対応可能。制作だけではなく、コンテンツの企画からYouTubeやFacebook等への広告配信まで動画マーケティング全体を支援する。
特長
- 1,000人以上のクリエーターの登録がある
- プランナーが提案からディレクションまでワンストップで対応
- マーケティング設定に基づく効果の出る動画制作
「データベース上に1,000人以上のクリエーターの登録があり、幅広いご要望に対応できます。その上で、プランナーが提案からディレクションまで一貫して対応します。利用企業様はベンチャー企業様から大企業様まで様々ですが、インタビュー動画では、導入事例やお客様の声などが多くなっています」(プルークス 硲氏)
価格、導入イメージ
中心価格帯:30万円~40万円
※2~3分のインタビュー動画制作
「撮影の質やカメラの台数によっても料金が変わってきますが、2~3分のインタビュー動画であれば、30万円~40万円ぐらいの予算をくんでいただければ対応が可能です」(プルークス 硲氏)
6.ジェットン
CMのような広告性・表現性の高い動画制作から、営業資料や研修資料のような情報訴求型の動画制作まで、幅広い動画制作の実績がある。
特長
- CM的な短時間に要点を分かりやすく伝える動画と、会社案内のような情報訴求型の動画、どちらの実績も豊富。双方の要素を互いに活用することも可能
- 予算や要望に合わせて企画からの提案を行う
「弊社ではCM的な動画とB to B型の動画を2本の柱にしています。どちらの実績も豊富で、たとえば、会社案内の動画にアニメーション型の映像などCM的な要素を入れるといったことも柔軟に対応できます」(ジェットン 寿時氏)
価格、導入イメージ
中心価格帯:30万円
※2~3分のインタビュー動画制作
「弊社では撮影だけは行っておらず、編集まで含んだ動画制作になります。平均的には30万円程になりますが、たとえば会社紹介であれば、会社周辺の映像を足したり、グラフィックを足したりなど、内容によって料金が変わります」(ジェットン 寿時氏)
7. ペイレスプラス(ペイレスイメージズ株式会社)
広告撮影やテレビ番組制作、ストックフォトなど、20年以上の撮影経験がある。インタビュー動画制作の他に、WEB動画制作サービスや定額制ストックフォトサイトの運営、自社ストックフォトブランドの制作・販売、スマホ写真・動画のフリマアプリ「キャッシュレンズ」の運営なども行っている。
サービスの特長
- プロデュース力とキャスティング力
「動画制作の過程では、表明的には『撮影』や『編集』が目立ちがちですが、その他にもいろいろな制作業務があります。弊社では、主要スタッフにテレビ番組やCMなどの豊富な経験があり、それに基づいた案件に最適なスタッフアサインやディレクションを行います」。(ペイレスイメージズ株式会社 松崎氏)
利用者の特徴
- 業界、業種は多岐に渡る
- 代表的なインタビュー動画は求人用動画
「求人用のインタビュー動画では、主に社長が出演されることが多いですが、社長の人柄や会社の理念、求職者へのメッセージが写真構成の静的なwebページより動画を埋め込んだ方がより伝わりやすいのではないかということで、動画を選択される会社様が多くなってきていると思います」。(ペイレスイメージズ株式会社 松崎氏)
中心価格帯
25万〜35万円
「価格の主な変動要素は、カメラ台数や収録時間、それによる編集費です。例えば、カメラ1台と2台、あるいは収録時間が30分と1時間では、収録素材が2倍になります。素材のボリュームによって編集の工数はかなり変わってきます」。(ペイレスイメージズ株式会社 松崎氏)
8. Crevo(クレポ)株式会社
動画制作プラットフォームを利用した実写からアニメーション、3DCGまであらゆる動画制作・映像制作を手がける会社。動画制作サービス「Crevo」では、累計850社以上の実績あり。製作会社や広告代理店向けに、動画制作プラットフォーム「Collet」の提供も行っている。
※公式サイト・資料より
サービスの特長
- 国内外約5,000名のクリエイターネットワークを持ち、案件ごとに専属チームを作る
- 比較的短納期の案件にも対応
- 制作から納品まで、コミュニケーションを1つのツール内で完結
- メリハリのある効果的な演出、購入意欲を刺激する効果的なシナリオを提案
- ローカライズや翻訳対応で、多言語化対応が可能
利用者の特徴
- 動画の利用目的としては、ブランディング、学校・施設紹介、新卒・中途採用などが多い
料金体系
要問い合わせ。これまでの実績では、以下のような料金とそれに応じた動画になる。
〜49万円:メッセージをしぼったシンプルな動画。
ウェブサイト掲載商品・サービス紹介動画での活用向き。
50〜99万円:ストーリー性をもたせた表現。
ウェブ広告や営業ツールなどに活用しやすい。
100〜299万円:表現の幅が広がり、クオリティが大きく変わる。
アニメーションではデザイナーのアサイン、オリジナルキャラクターの制作が可能。
実写ではキャストや撮影場所をCrevo社が手配、より目的に合った映像制作が可能。
300万円〜:テレビCMとして活用できるハイクオリティ動画制作が可能。
さまざまな表現技術を活用可能。
動画の活用提案も含めた企画段階からのトータルプランニングも。
9.株式会社ゆるりと
「短期動画制作サービス」を強みとする、動画制作専門の会社。企画・ディレクション、撮影・編集、デザインやイラスト制作もすべて社内在籍スタッフで対応できる体制となっており、短納期・高品質の動画制作が可能となっている。
※公式サイト・資料より
サービスの特長
- 平均3週間で納品(撮影日からの納品期間)
- 企画・ディレクターチーム、撮影・編集チーム、制作チームすべてが社内に在籍
- 企画専門チームがあり、ロケーション・キャスティング手配も対応
- Webプロモーションを見据えた動画制作
利用者の特徴
- サービス紹介、導入事例、人材採用、SNS広告など多岐に渡る
料金体系
エコノミープラン:150,000円 例)採用動画インタビュー2名
スタンダードプラン:450,000円 例)採用動画インタビュー4名
プレミアムプラン:700,000円
10. 株式会社LOCUS(ローカス)
動画マーケティングコンサルティングを手掛ける会社。動画企画制作だけでなく広告代理業やメディア運営、WEB・グラフィックの企画制作なども行っている。年間1500本以上、累計1万本の動画制作実績あり。その確かなノウハウと柔軟な映像制作体制で、費用対効果の高い課題解決を実現する。
※公式サイト・資料より
サービスの特長
- 活用シーンを見据えた企画
- 1,000社を超える取引実績、毎年1,500本以上の動画制作・映像制作実績
- 600名に及ぶ映像クリエイターのネットワークを活用した高品質&幅広さ
- 360度動画・VR、ドローン撮影、インタラクティブ動画など最新の動画手法にも対応
利用者の特徴
- 動画の活用用途は多岐に渡り、業界業種・規模感ともにさまざま
- 新卒採用向けのインタビュー動画事例として、カルビー株式会社があげられている。制作期間3カ月、インタビュー撮影およびインサート撮影を1日で行い、構成・撮影・編集担当で50万円~100万円程度
中心価格帯
人材採用のためのインタビュー動画は50万円~100万円が目安
編集部のまとめ
今回の調査概要
- 調査母数(問い合わせした企業数):初回13社/更新6社
- 有効回答数(調査にご協力いただいた企業数):初回6社/更新1社
- インタビュー動画制作の中心的価格帯は次の通りとなりました。
2~3分のインタビュー動画の中心価格帯は30万円程度
インタビュー動画制作は、カメラの台数や撮影にかかる時間・日数、動画に差し込む画像・映像やテロップなどの素材によって、料金が大きく変動します。
インタビュー動画が活用されることの多い人材採用のための動画制作では、インタビュー対象者の日程調整や差し込む素材など、自社で都合をつけられる部分が多いので、比較的価格を抑えられるのではないかと考えられます。
また、オリジナリティにそこまでこだわらずに固定プランを利用したり、時間清算による料金体系で撮影時間をできるだけコンパクトにしたりすることで、10万円程度から制作が可能なサービスもあります。
世界観を作り込む必要のある企業・商品のブランディングやマーケティングのための動画は料金が高くなりがちですが、採用やセミナーのための動画であれば、比較的気軽に制作を検討できるのではないでしょうか。
調査実施概要
- 期間(更新):2019年4月22日~2019年5月7日
- 調査方法:インターネット調査及び電話・メール取材にて実施
編集部では、調査にご協力いただける企業を随時募集しています。
調査協力に関する問い合わせは以下のフォームよりご連絡ください。
https://www.webtanguide.jp/contact
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