(2018年4月版のレポートに追加調査を行い、更新したものです)
LP(ランディングページ)は、コンバージョンに直結する重要な存在です。LP制作を社内で内製化できるツールもありますが、デザインの自由度を求める場合や、社内にリソースが不足している場合などは、LP専門の制作会社のサービスを利用するのも1つの方法です。本記事では、コストを抑えたいと考える企業Web担当者向けに、構成案を自社で作成し、LPのデザインとコーディングだけ依頼するというケースを想定して、その制作費用の相場感を調査しました。
LPの特徴・制作メリット
LPとはランディングページのこと。ユーザーが最初に訪問するWebページのことを意味しますが、WebマーケティングにおけるLPとは、多くの場合、商品の購入や資料請求、問い合わせなどのコンバージョンを獲得することに特化として広告から流入させる、縦長1ページのWebページのことを指します。
もともと、美容・健康食品や化粧品などのB to C商品・サービスのマーケティング施策としてよくLPが制作されていましたが、そのコンバージョン効果の高さから、ほかのジャンルやB to B商品・サービスでもLPの活用が増えています。
LPの特徴・制作メリットとしては、次のような点が挙げられます。
デザインの自由度が高い
通常のWebサイトではメニューやコンテンツの配置がある程度決まっていますが、それに比べるとLPは縦長1ページのなかで自由なデザインができます。ただし、制作会社に依頼せずに、自社で何らかのLP制作ツールを使う場合は、ツールによってデザインに制限があることもあります。
コンバージョンに直結する
通常のWebサイトでは、コンバージョンのほかにも、さまざまな目的でコンテンツが制作されますが、LPはコンバージョンを獲得することに特化した構成、キャッチコピー、画像、テキストで作られます。コンバージョンアップが課題の場合、LP制作は効果的です。
ユーザーに合わせたコンテンツを表示できる
LPは通常、広告から流入させますが、複数のパターンのLPを制作し、キーワードやユーザー属性に合わせて検索結果ごとにLPの表示を分けるということもできます。また、A/Bテストにより訪問ユーザーにより適したページへと改善していくこともできるので、PDCAがしやすいという点もあります。
スマートフォンとの相性が良い
縦長1ページのLPは、スマートフォンで閲覧しやすいWebページでもあります。モバイルファーストが推奨されているなかで、LPの重要性は今後更に増してくるでしょう。
LP制作会社選定のポイント
LP(ランディングページ)制作を外注する場合、信頼できる制作会社を選ぶためのポイントとして、次のような点があげられます。
同じような業界、商材・サービスのLP制作実績がある
LPは縦長1ページのWebページという点はすべてに共通するものの、業界・業種、商材・サービス、購入・資料請求・問い合わせなどなにをコンバージョンとするかにより、効果的なLPのデザイン、構成、画像、キャッチコピーなどが異なります。
1ページのみでコンバージョンに特化してコンテンツを制作する分、ユーザーのニーズにマッチしていないとすぐに離脱され、直帰率が高くなってしまいます。そのため、制作実績は、LP制作を発注する際の重要な判断基準になります。
なぜその価格で提供されるのか
予算が限られていると、つい安さ重視で制作会社を選んでしまいがちです。しかし、価格が安い理由として次のような条件が付く場合がありますので、事前によく確認しましょう。
- コンテンツ・デザイン制作に制限がある
- 納品後の修正に対応できない
- 制作期間によって料金が変動する
- リスティング広告とセットになっている
効果的な構成案やデザイン、キャッチコピーの提案ができる
これは特に、自社で構成案(ワイヤーフレーム)を作成した上でデザインとコーディングのみを依頼する場合に重要な点です。提出した構成案に則ってそのまま制作するのではなく、効果的なLPとなるようにチェックし、修正提案をしてもらえる制作会社のほうが、多少コストはかかったとしても、良い結果となる確率が高まります。
LPデザイン&コーディングの最新相場調査
1.ランディング制作.JP(株式会社Ryuki Design)
LP制作に特化した会社。数千ページのLP制作実績があり、大手企業のLP制作も多数手掛ける。リーズナブルな価格でハイクオリティなデザインが特徴。
特長
- デザイン・コーディングのみの依頼可能
- ワイヤーフレームのサポートあり(レイアウトや、コンテンツアイデア案)
- スイーツ、美容、健康食品、サービス商材、オリジナル商材の実績多数
「デザイン、ディレクションなどすべて内製化で行っており、外注はしていません。低価格でありながら高いクオリティが強みです」(株式会社Ryuki Design 緒方氏)
価格、導入イメージ
中心価格帯:14万円~15万円
※中心価格帯は、次の内容依頼ケースに基づき算出
- デザイン・コーディングのみ依頼
- 5000ピクセルのLPの場合
- 制作期間による価格変動なし
「ページの長さによって価格が変動します。ページの長さは商材によって変わります」。(株式会社Ryuki Design 緒方氏)
2.株式会社ウォルトメディア
健康食品、化粧品のEC定期(単品)通販のサポートに特化した会社。スタートアップ~売上10億円前後の規模を中心に、LP制作だけでなくリサーチ、商品開発、クリエイティブ、プロモーションなど幅広くサポートしている。
特長
- デザイン・コーディングのみの依頼可
- ワイヤーフレームのサポートはテキストの薬事法チェックなど
- ネット通販の中でも健康食品
- 化粧品の定期通販に特化
「弊社ではLP制作だけでなくコンサルティングも提供しています。他社にない点としては、健康食品の原料調達など商品設計からご依頼いただくことが可能です」(株式会社ウォルトメディア 小川氏)
価格、導入イメージ
中心価格帯:60万円
※中心価格帯は、次の内容依頼ケースに基づき算出
- デザイン・コーディングのみ依頼
- 5000ピクセルのLPの場合
- 制作期間による価格変動なし
「弊社では1万ピクセルのLPがメインとなっており、5000ピクセルでも1万ピクセルでも価格は変わりません。クライアント様からの修正依頼に対応した際、最初に修正依頼を頂いた箇所以外に追加で修正箇所が発生した場合に、料金が変動します」(株式会社ウォルトメディア 小川氏)
3.株式会社ジオコード
LP制作だけでなく、コーポレートサイトやECサイト、CMS構築などWEBサイトに関する制作全般を行う。LP制作に関しては、ただデザインするだけでなく、リスティング広告との関係性を検証した上で行っているのが特徴。
特長
- デザイン・コーディングのみの依頼可
- ワイヤーフレームから制作する場合がほとんど
- 最近はB to B商材のLP制作が増えている
「基本的に、LP制作のジャンルはB to C商材も含め多岐に渡ります。弊社はリスティング代行も行っているので、合わせてご利用いただくケースも多いです」(株式会社ジオコード 富安氏)
価格、導入イメージ
中心価格帯:50万円
※中心価格帯は、次の内容依頼ケースに基づき算出
- デザイン・コーディングのみ依頼
- 5000ピクセルのLPの場合
- 制作期間による価格変動なし
「ワイヤーフレームは基本的に弊社側で作成することが多くなっています。クライアント様に作成いただいても対応できますが、どちらも料金は変わりません」(株式会社ジオコード 富安氏)
4.株式会社シード
LP制作だけでなく、WEBサイト制作全般、広告代行、SEO対策など幅広い事業を展開。LP制作についても「売れるデザイン」にこだわって制作を行っている。
特長
・デザイン・コーディングのみの依頼可 ・ワイヤーフレームから制作する場合がほとんど ・特に美容・健康商材のLP制作が多い 「基本的にLP制作のジャンルは多岐に渡りますが、CVを高めるということを重視しています」。(株式会社シード 担当者)
価格、導入イメージ
中心価格帯:30万円
※中心価格帯は、次の内容依頼ケースに基づき算出
- デザイン・コーディングのみ依頼
- 5000ピクセルのLPの場合
- 制作期間による価格変動なし
「LPのコンテンツに何を入れるかによって価格は変動します。WFは基本的には弊社側で作成することがほとんどです」(株式会社シード 担当者)
5. ZERO式ランディングページ制作(株式会社ZERO)
Web制作を中心に、SEO対策・記事作成代行・広告運用代行など、Webマーケティング業務を幅広く展開している。Web制作では、特にランディングページ制作を得意としおり、延べ300件以上の実績がある。
特長
- デザインコーディングのみの依頼可能
- マーケティングから企画構成、セールスコピー、デザインコーディング、広告運用、SEO施策まで一気通貫で対応可能
「LP制作はデザインコーディングをいくら綺麗に作ってもCVに結びつきません。CVを出すために重要なことは、マーケティング、企画構成、セールスコピーの要素がとても重要になってくるため、弊社ではそこをしっかりやらせていただきます。その上で、打ち出すポイントを明確にした上で、デザインをするというイメージとなります」。(株式会社ゼロ 担当者)
利用者の特徴
- 化粧品や健康商品の通販系、不動産系が多い
- 通販系や不動産の場合、10000ピクセル以上の長いケースが多い
- その他、金融系や接骨院、車屋さんなど、様々な業界の利用あり
価格、導入イメージ
中心価格帯:40万円~60万円前後
※中心価格帯は5,000ピクセルのLPを想定、次のように依頼内容により異なる
- デザインコーディングのみ:30~40万円
- 企画構成・デザインコーディング:40〜50万円
- セールスコピー・企画構成・デザインコーディング:50〜80万円
- セールスコピー・企画構成・デザインコーディング・漫画制作:70〜100万円
「LPの活用方法は、次の3点が主です。
1.リスティング広告からLPへの誘導
2.SNS系の記事広告からLPへの誘導
3.オウンドメディアからLPへの誘導
特に2、3については弊社でも執筆を行なっているため、記事〜LP〜CVまでのストーリ作りがしやすいと考えております」。
(株式会社ゼロ 担当者)
6.戦略型ランディングページ制作(株式会社ラヴィゴット)
「ベストなWebソリューションでクライアントを元気にする」をモットーとして掲げるWebコンサルティング会社。過去1,500社以上のWeb診断・分析を手がけたノウハウや蓄積データを活用し、Web制作や広告運用なども手掛けている。
特長
- デザインコーディングのみの依頼可能
- リスティング広告・SNS広告の運用代行にも対応
- デザインクオリティが高い
「弊社はただの制作会社ではなく、広告代理店として集客面も得意としております。LPは必ず何かしらの集客施策が必要になってきます。その集客施策に合わせて最適なLPを御提案し制作しております。また、デザインのクオリティにも自信があり、過去に制作したお客様からリピートで違うLPやホームページ制作のご依頼を頂くことが多いです」。(株式会社ラヴィゴット 担当者)
利用者の特徴
- 業種・業態・規模感はさまざま
- CV率改善のためのLPリニューアル依頼が多い
- CV数・CV率の上昇事例多数
「事例として紹介できるのが、『サニクリーン様のディスティオ』のLP制作+動画です。企画構成から提案しております。LPに世界観が詰め込まれていて、動画を入れて興味がわく構成にしております」。(株式会社ラヴィゴット 担当者)
価格、導入イメージ
中心価格帯:240,000円(税抜)
- レスポンシブ対応
※中心価格帯は、次の内容依頼ケースに基づき算出
- デザイン・コーディングのみ依頼
- 5000ピクセルのLPの場合
7. 株式会社エムハンド
株式会社エムハンドは、2003年設立の、京都・大阪・東京に拠点を置く会社。ウェブサイト事業とメディア事業を展開している。ウェブサイト事業では、LP制作にとどまらず幅広いウェブサイト制作が可能。コンサルティングから制作、運営まで手掛ける。
特長
- 複数の自社サイトを運用しており、自社の集客も、専任の営業部署を設けず自社サイト経由のインバウンド型で行う。そのノウハウをクライアントのWebサイトに活用し集客できるサイト作りを実現
- クライアントの真の要望を見つけ出し、クライアントの成果へと結びつける提案力とその内容をクリエイティブに落とし込む力
「『“集客し、結果が出せる”Web制作会社として、選ばれ続ける存在に』。私たちが追及しているのは、ウェブサイトそのものではなく、それによって得られる「効果」です。単にデザイン面が優れているだけのウェブサイトでは、充分な効果は期待できません。そこで私たちは、「ウェブサイトを通して何を実現したいのか」を出発点に、クライアントと徹底的に話し合いを行なった上で、ご提案を行なっています。さらに、クライアントのビジネスモデルにまで深く切り込み、課題解決の糸口を探っていきます」。(株式会社エムハンド 担当者)
利用者の特徴
<制作実績の一例>
法人専門移転プロ:株式会社ワンナップクリエイティブサービス
コンタクトCHATサポート:株式会社AIサポート
R-TIME:Rグループ株式会社
「当初は歯科医院や士業事務所様が多かったのですが、現在は業界・業種問わずお問い合わせを頂いております。規模としましてはミニマムのサイトから上場企業様の大規模案件まで幅広くございます」。(株式会社エムハンド 担当者)
価格、導入イメージ
35~50万円
- 構成はエムハンド社から提案することがほとんど
「一部、クライアント様から構成を頂いて、デザインから制作させて頂く案件もございますが、クライアント様の求める効果が最大化されるよう、改善案のご提案をさせて頂くことが多いです」。(株式会社エムハンド 担当者)
編集部のまとめ
今回の調査概要
- 調査母数(問い合わせした企業数):13社
- 有効回答数(調査にご協力いただいた企業数):7社
- LPデザイン&コーディングの中心的価格帯は次の通りとなりました。
30~50万円
※構成案を自社で作成する場合をベースに算出
調査を行った制作会社には、LP制作に特化した会社のほか、LP以外のWeb制作も幅広く行う制作会社、制作だけでなく広告運用などのマーケティング施策まで支援する会社などもありました。
LP制作に特化した会社の場合、平均よりも低コストでLP制作が可能な場合があります。LP以外のWeb制作も行う会社の場合、コストは平均的でも、デザインに優れていたり、Web制作と合わせた提案が可能だったりというメリットがあります。広告まで支援できる会社では、広告の制作・運用支援も合わせることで、全体的なコストを抑えられる場合もあります。
それぞれにメリットがあるので、LPを制作した後、どのように活用したかまで考えて制作会社を選ぶことで、コスト以上の効果につなげることができるのではないでしょうか。
今回の調査は、構成案(ワイヤーフレーム)を自社で作成して、制作会社にLPデザイン&コーディングを依頼するケースを想定して行いましたが、調査をするなかでは、LP制作は制作会社が構成案から作成するほうが多い印象でした。
また、料金が変動するポイントとしては、構成案をどちらが作成するかということも影響はしますが、どのようなコンテンツを作るかというところが大きいようです。
コストを抑える目的で構成案を自社で作成する場合は、それを制作会社に伝えた上で、どの程度のチェックまで行ってもらえるのかを確認してみましょう。
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調査実施概要
- 期間(初回):2018年3月23日〜2018年3月29日
- 期間(更新):2018年10月22日〜2018年10月31日/2020年3月3日~2020年3月24日
- 調査方法:インターネット調査及び電話・メール取材にて実施
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