Webマーケティングに欠かせない存在であるGoogle Analytics(Googleアナリティクス)。Webサイトへのアクセス解析から、広告、施策立案など、Webサイト運営に役立つ膨大なデータを取得できる一方で、Webサイトログ解析レポート作成に時間がかるという声もよく聞きます。そこで、必要な情報を取捨選択して、会議や打ち合わせでわかりやすいようレポート作成を自動化してくれるのがGoogleアナリティクスレポート自動生成ツールです。今回は主要なツールの特徴と相場観を調査しました。
無料版、有料版の違い
GoogleアナリティクスはGoogleが提供しているアクセス解析ツールで、基本的に無料で利用できます。無料でありながら、Webサイトへのアクセス情報や、ユーザーに関する情報やコンバージョンの状況など、さまざまなデータを取得することができます。
Googleアナリティクスには、「Googleアナリティクス360(旧:Googleアナリティクス プレミアム)」という有料版も存在します。これは、利用料金が月10億ヒットまで月額130万円という、大企業向けのサービスとなっています。
無料版と有料版の大きな違いは、以下の点です。
- 1カ月のヒット数上限:無料版は1,000万、有料版は10億
- サンプリングの対象となる訪問数:無料版は50万以上、有料版は5,000万以上
- データ更新頻度:無料版は24時間以上、有料版は4時間
- サポート:無料版はサポートなし、有料版はサポートあり
有料版のほうが、扱うことのできるデータが大きく、より正確になり、処理も速くなります。有料版のサポートでは、通常の問い合わせの他、導入設定や緊急時の時間外サポートなどもおこなっています。
ただし、よほど大規模なWebサイトでない限りは、無料版で必要なデータの取得、分析、解析は十分におこなうことができます。
Googleアナリティクスレポート自動生成ツール
1.revio! (レヴィオ)(株式会社アイカ)
株式会社アイカが提供するGAレポートサービス。同社は愛知県に本社を置き、東海地方随一の設備力を備える印刷会社として印刷事業をおこなっている。revio!の提供は印刷事業とはまったく別の事業として展開している。
サービスの特長
- 価格とレポートの質が最適なバランス
- Googleアナリティクスでよく使われる20項目を抽出
「Google アナリティクスは専門的で情報量が多くすばらしいサービスですが、ビジュアル的に少々解りにくいという面があります。また、Google アナリティクスのレポート作成サービスは多くありますが、レポート量が多すぎたり値段が高かったりと、意外と敷居が高いのが現状だと考えております。revio! では、必要なデータを簡単に選択でき、誰にでもわかりやすいシンプルな Excel レポートが作成できます」。(株式会社アイカ 担当者)
利用者の特徴
- 自社サイト、ECサイト担当者が社内提出用の資料として利用
- Web制作、システム開発、マーケティング業界の企業・個人事業主なども多い
- 施策後の効果測定、改善提案の元データとしての利用
- Webサイト構築後の顧客サポートを含むストックビジネスとしての利用も
「revio! は、Google アナリティクスのコードが埋め込まれているWebサイトのオーナーまたは管理者で、Google アナリティクスの権限があれば誰でもご利用いただけるサービスではありますが、管理者がオーナーに対して提出する資料とされるケースが多いです」。(株式会社アイカ 担当者)
中心価格帯
- Googleアナリティクスのレポートビュー(※)毎の価格
- 14日間の試用期間あり
- 毎月2日に自動レポート作成、メール通知の設定可能
- 任意のタイミングでも、ボタンひとつでレポート作成可能
※Googleアナリティクスアカウントでレポートや分析ツールを利用するための場所。Googleアナリティクスは「アカウント>プロパティ>ビュー」という構造になっています。プロパティは、たとえばひとつのWebサイトで収集できる全データなど、大きなデータ群。そこから必要な情報のみを収集するよう設定するのがビューです。
2.GArepo(ガレポ)(株式会社プルーブ)
株式会社プルーブが提供するアクセス解析レポート作成ツール。同社は、リスティング広告運用代行サービスなどリスティングに特化して事業を展開。GAレポート作成の他に、リスティング広告レポート作成システムも提供している。
サービスの特長
- 性別、年代、新規・リピーター、デバイス別変化を過去データと比較して把握できる
- 日別、月別、曜日別、デバイス別、属性別などで分析がしやすい
- 社内の共有メールアドレス宛に自動でレポートを一斉自動送信できる
- サービスアカウントIDを登録するAPI接続方式(Googleアカウントを紐付ける必要がない)
- レポート作成したエクセルファイル上でプルダウンにより様々なデータ見られる
- 毎月1日など決まった日に自動でレポート作成するようスケジュールを設定できる
- 改善点がわかりやすく、行動につなげやすいお客様目線のレポートを開発
利用者の特徴
- WEBマーケティング会社、WEBサイト制作会社、中堅印刷会社、インターネット広告代理店などが多い
- ガレポ導入前は手動でGAレポートを作成していて、時間と手間がかかるという課題が多い
「自社のレポート作成よりもお客様先のレポート作成を複数お持ちの会社様が多い印象です」。(株式会社プルーブ 担当者)
中心価格帯
月額5,000円(税込)
- 1アカウント(1ビュー)あたりの価格
- 1カ月ごとの契約
3.FARO REPORT(株式会社 ADDIX)
株式会社 ADDIX(アディックス)が提供するGoogleアナリティクスレポート作成ツール。同社は、ツールの提供だけでなく、デジタルマーケティングに関するコンサルティング、さまざまなソリューションを提供している。また、CMS開発、スマホアプリ開発などもおこなっている。
サービスの特長
- 業界最安値
- Webサイト登録数の上限なし
- 約1分でPowerPointフォーマットのレポート作成が可能
- グラフ・表を活用したわかりやすいレポート作成
- 30~60ページに及ぶ多角的な分析レポート作成(有料プラン)
- ECサイト専用のテンプレートあり
「弊社はコスメやアパレル関連の企業様向けマーケティング事業から出発し、現在は事業会社様と新デジタルビジネスの共創も行っております。そこで得たノウハウをADDIX独自のサービスに落とし込み、さまざまな企業様に簡単かつ低価格で利用していただけるように開発されたのがFARO REPORTです」。(株式会社 ADDIX 担当者)
利用者の特徴
以下のようなニーズを持つ事業者におすすめ。
- 事業会社・制作会社・告代理店に大きく分けられる
- 自社・クライアントのWebサイトの分析レポート作成に時間がかかるという共通課題がある
中心価格帯
月額4,000円(税込)
- 7日間無料トライアルあり
- 年間契約(月契約、半年契約ではやや料金が上がる)
4.Trust Monitor(トラストモニター)(株式会社サードパーティートラスト)
株式会社サードパーティートラストが提供するGoogleアナリティクス解析レポート作成ツール。同社はアクセス解析を中心としたオンラインビジネス支援サービスを展開している。現在はツールの提供よりも、戦略的な分析業務に重点を置いている模様。/p>
サービスの特長
- 解析のプロフェッショナル
- Adobe AnalyticsもGAと同様に扱える
- ドキュメントとしてのレポートが10~15分以下で入手できる
- 一般的な自動解析レポートツールよりも細かな条件指定が可能
「データを確認するだけであれば、リアルタイム性のあるダッシュボードのほうが優れていますが、現実問題、ビジネスの場ではドキュメントが必要になるシーンがありますので、『ドキュメントがすぐできる』という点が価値になってきています」。(株式会社サードパーティートラスト 担当者)
利用者の特徴
- 中規模以下の事業者が多い
- 広告代理店がクライアント向けのレポート作成を効率化のために利用することも多い
「現在、弊社は解析のプロフェッショナルとして、ナショナルクライアント層の解析業務サポートが中心となっており、ツール提供よりも戦略的な分析業務が多くなっています。理由としては、自動レポートは業種ごとに共通するテンプレートレポートであるため、それだけでは不十分な場合も多いからです。また、Webサイトの健康診断的な目的であれば、最近ではダッシュボードツールでカバーでき、スピードも速くなります。とはいえ、現在もトランスモニターをご利用いただいているケースもあります」。(株式会社サードパーティートラスト 担当者)
中心価格帯
月額5万円前後
「GAレポート作成のためのツールは5,000円程度の安価なものも多く存在しています。しかし、弊社としてはB to Bの商品でそのような価格で提供しても、開発費用もまかなえないですし、満足のいくサポートもできないと考えており、低価格帯で競うつもりはありません」。(株式会社サードパーティートラスト 担当者)
編集部のまとめ
今回の調査概要
- 調査母数(問い合わせした企業数):5社
- 有効回答数(調査にご協力いただいた企業数):4社
- Googleアナリティクスレポート自動生成ツールの相場は次の通りとなりました。
月額5,000円前後
Googleアナリティクスレポート自動生成ツールに関しては、5,000円前後の比較的手頃な価格のツールが多くなっています。
ツールを検討する際は、Googleアナリティクスで取得できるデータを、ツールを使うことでいかにわかりやすく、自社の事業や施策に必要な軸で表示できるのかがポイントです。
過去データとの比較や、ユーザー属性ごとの分析など、活用頻度の高いデータをわかりやすい形で表示することが、GAレポート自動作成ツールに求められる点です。
チーム内や関係部署とデータを共有する場合や、会議でデータを報告する場合などは、共有しやすい機能や、グラフなど説明しやすい表示ができることも重要になります。
また、複数のアカウントがある場合や、管理するWebサイトの数が多い場合、あまり料金が上がらないツールを選ぶことも必要です。
そして一番重要なことは、レポート作成ではなく、そのレポートをどうPDCAとして生かしていくか。リソースが足りない場合は、Googleアナリティクスの分析やPDCA担当のWEBマーケティング専任者を置くことも効果に繋がるでしょう。
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調査実施概要
- 期間:2018年12月27日〜2019年1class="st-css-no"月10日
- 調査方法:インターネット調査及び電話・メール取材にて実施
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