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オンライン商談ツールの最新相場調査:2020年12月版

2020年12月17日

2020年、コロナ禍においてさまざまな業務がオンラインにシフトする中、商談シーンも様変わりしています。相手先へ実際に訪問しての商談を代替・補填する形で、さまざまなオンラインツールが登場しています。本記事では、そんなオンライン商談ツールを導入することで可能になることをご紹介するとともに、主要なオンライン商談ツールと費用相場を調査しました。

オンライン商談ツール導入のメリット

オンライン商談ツール導入のメリットとしては、次のような点があげられます。

訪問が難しい状況でも営業ができる

オンライン商談はインターネット環境と対応機器さえあれば、距離など物理的な制約を取り払ってくれます。遠方などなかなか訪問が難しい商談先や、コロナ禍のような外出が難しい状況でも、オンライン商談であれば取引を止めることなく商談を進めることができます。

営業の効率化

オンライン商談は、商談先への移動時間が必要ないため、対面での商談より数をこなせます。また、移動時間を考慮に入れなくて良いので、時間の調整をしやすく、対面での商談よりもアポ取りをしやすくなります。さらに、オンライン商談ツールを活用することで、商談で使用するトークスクリプトや営業資料、商談の進捗などを関係者や部署全体で簡単に管理・共有でき、業務の効率化にもつながります。

ノウハウの蓄積・人材育成

オンライン商談ツールを活用することで、過去の商談の録画や、商談に使用したトークスクリプト、営業資料を整理された状態で残すことができ、誰でも参照しやすくなります。これにより、属人化しがちな営業ノウハウを蓄積して、人材育成に役立てることができます。

【参考記事】受注につながるオンライン商談のコツ・準備から商談後のフォローまで

オンライン商談ツールとWeb会議ツールの違いは?

オンライン商談ツールは、その名の通り、商談シーンに特化した機能が揃っていることが特長です。例えば

  • 所属部署・肩書き・氏名の表示
  • トークスクリプトの表示・共有
  • 営業資料の保存・管理
  • 録画、過去の録画の保存
  • チャット

このような機能は、これからご紹介する主要なオンライン商談ツールには備わっています。

一方、ZoomやMicrosoft Teamsなど、無料でも使えるWeb会議ツールには、このような機能がありません。ビデオ通話・チャット・録画などの機能は備わっているため、一時的に商談をオンラインに置き換える場合や、営業が小規模の場合はWeb会議ツールでも支障はありませんが、複数のメンバーが所属する営業部署がある場合や、中長期的にオンライン商談で営業戦略を立てる場合は、オンライン商談ツールも検討してみると良いのではないでしょうか。

また、Web会議ツールの多くが、使用時に専用アプリのインストールや、アカウント登録を行う必要がありますが、オンライン商談ツールは、商談先にそういった手間を求めることがありません。商談先には、URLを送ってクリックしてもらうか、指定のフォームに特定の番号やパスワードを入力するだけで、即座に商談スタートすることが可能です。

【参考記事】コロナ禍で機能充実が進む!WEB会議ツールの最新情報:2020年11月版

オンライン商談ツールの最新相場調査

1.B-Room(ブルーム)

B-Roomは、株式会社Bloom Act(ブルームアクト)が開発・提供するオンライン商談システム。同社は2018年設立、茨城県に本社を置く会社。東京にもオフィスがある。B-Roomを事業の中心として、導入・運用サポートにも力を入れている。また、別途コンサルティングも行っている。

ツールの特長

  • オンライン商談を追求した機能設計:資料共有やメモ機能など商談ツールの基本機能は全て実装
  • 録音・録画:商談中の画面全てをそのまま記録
  • 2通りの入室方法:8桁のルームキー入力とURL送付を状況に合わせて選択可能
  • 音声自動テキスト化:AIが参加者の発言を自動認識して文字起こし
  • 全端末でインストール不要:スマホ・タブレットを含め全端末でアプリは不要
  • 複数人商談でも同一条件で参加可能:3人以上の商談もブラウザや端末は1対1と同様の環境で対応可能です。
  • 音声も共有できる画面共有:画面共有では動画の音声やナレーションも一緒にお客様へ共有可能
  • 資料への書き込み・ページ保存:表示中の資料に参加者全員が書き込み、その内容をそのままPDFファイルとして保存可能

利用者の特徴

  • 広く「提案型の営業」を行う企業
  • Web会議ツールでの商談から成約率・成約数を向上させたい企業
  • 来店型営業を中心としたB to C企業

「導入企業様の最近の傾向として、オンライン商談自体の成果向上のために、Web会議ツールでのWeb商談を脱却してB-Roomを導入いただくケースが増えています。その背景には、Web会議ツールでの商談における次の3点の課題を推測しています。

・スマートフォンやタブレットの場合にアプリのインストールが必要なため、お客様によっては商談にうまく入れない
・対面と違いお客様は資料に触れらないため、一方通行の説明の押しつけ感が拭えずお客様からも評判が良くない
・商談記録が残っていないため、営業スタッフの商談管理やアドバイスがしづらく、営業部門の責任者から見て商談がブラックボックス状態になる

こういった課題を解決できるツールとして弊社B-Roomにお声掛けいただくことが増えています。

コロナ禍が長引く中で、『とりあえずのオンライン商談』から『本格的なオンライン商談』への意識の切り替えの傾向がうかがえます」(B-Room 担当者)

料金体系

月額35,000円(税抜)~

  • 初期費用・従量課金の追加料金なし

→ 詳しくはこちら(B-Roomのサイトへ)

2.RemoteOperator Sales (リモートオペレーター セールス)

RemoteOperator Salesは、株式会社インターコムが開発・提供するオンライン商談ツール。同社は1982年設立、東京に拠点を置く会社。RemoteOperator Sales以外にも、企業の運用マネジメントやリモートワークを支援するさまざまなBtoB向けソフトウェアの開発・提供を行っている。

ツールの特徴

  • 1ライセンス1万円とリーズナブルに利用できる
  • プレゼンテーションや画面共有など営業に必要な機能がすべてそろっている
  • 環境に縛られず利用可能(営業はPC用アプリ/Webブラウザー/iPadアプリで接続可能)
  • 接続が簡単で安定している
  • 「RemoteOperator」シリーズは、金融業界の導入実績No.1(※自社調べ)の安心設計

「1ライセンスから契約できるため、特に、まずは試しに 使ってみたい 、スモールスタートで始めてみたいという企業様に選ばれています。接続は、Webブラウザーでワンタイムの接続番号を入力する2ステップだけと簡単です。お客様側で事前のアプリインストールなど面倒な操作がないため、新規のお客様にも案内しやすい設計です」(RemoteOperator Sales 担当者)

利用者の特徴

【利用者に多い課題】

  • お客様との接点強化のため
  • 営業の効率化のため(人員不足、移動コスト削減)

(以下、コロナ禍において増えた課題)

  • テレワーク実施のため
  • 対面営業ができないため
  • 従業員を守るため(経営層)
  • お客様への配慮のため
  • 展示会などお客様との接点がなくなったため

「元々、WebサービスやソフトウェアメーカーなどIT系を中心にご導入いただいていました。新型コロナウイルス感染症拡大(緊急事態宣言発令)に伴い、IT系以外にも、人材系、サービス系など様々な業種でご導入いただいています」(RemoteOperator Sales 担当者)

中心価格帯

月額1~3万円

  • 最低利用期間:3カ月
  • 1ライセンス1万円/月~利用可能
  • サポート付帯、追加費用なし

→ 詳しくはこちら(RemoteOperator Salesのサイトへ)

3.bellFace(ベルフェイス)

bellFaceは、ベルフェイス株式会社が開発・提供するオンライン会議ツール。同社は2015年設立、東京に本社を置く会社。bellFaceは、電話を使ったオンライン商談システムとして国内No.1の導入数があり、事業の柱となっている。その他、インサイドセールスやビッグデータに関するコンサルティングなども行っている。

※公式サイト・公式資料より調査

ツールの特長

  • オンライン営業システム国内No.1(ショッパーズアイ調査:2020年5月7日時点)
  • 営業補助機能が充実:名刺プロフィール、共有議事録、営業資料ストレージ、クラウドプレゼンテーション、営業トークスクリプト、レコログ、電子契約(クラウドサイン)など
  • 電話型とWeb商談型の2つの接続方法を利用できる
  • 導入支援サービスが充実
  • クラウドサイン、salesforce、slack、Chatworkなど各種ビジネスツールと連携
  • 営業特化の音声テキスト化エンジンを自社開発

利用者の特徴

  • 累計営業契約数2,500社突破(2020年10月)
  • ジャンルを問わず利用されている

【導入事例の一例】

  • アソビュー株式会社
  • Sansan株式会社
  • NTT東日本
  • 株式会社クラシファイド
  • インプレックスアンドカンパニー株式会社 など

料金体系

基本料金:月額90,000円~

  • 営業担当とレコログ閲覧者のユーザー数に応じて見積り

→ 詳しくはこちら(bellFaceのサイトへ)

4.ZEN TALK(ゼントーク)

ZEN TALKは株式会社Scene Live(シーンライブ)が開発・提供するWebプレゼン営業ツール。同社は2011年設立、大阪に本社を置く会社。ZEN TALK以外に、コールセンター関連のさまざまなシステムを開発・提供、また督促業務支援や放棄呼受付も行っている。

※公式サイトより調査

ツールの特長

  • 画面共有、資料設定、トークスクリプト、プレゼンログなどプレゼン機能に特化
  • プロフィール、ニックネーム、チャット、マーカーなどコミュニケーション機能が充実
  • ゲストはナンバー入力だけで接続可能
  • 詳細プロフィール、写真掲載、会社のキャンペーン表示なども可能
  • 接続状況チェッカーによりルーム内の接続者の状況確認が可能
  • SSL方式、資料保護機能によるセキュリティ対策あり

利用者の特徴

【導入効果】

  • 交通費・交際費・宿泊費などのコストを大幅削減
  • スケジュールの効率化により商談数2倍以上
  • プレゼンの効率化

料金体系

初期費用:0円
月額費用:6ルーム 30,000円

  • 1ルームあたり5人(プレゼンター含む)の入室が可能
  • 利用時間・回数・アカウント作成数無制限

→ 詳しくはこちら(ZEN TALKのサイトへ)

5.ホットプロファイル リーチ

ホットプロファイル リーチは、株式会社ハンモックが開発・提供する名刺管理・営業支援ツール。同社は1994年設立、東京に本社を置く会社。札幌、名古屋、大阪、福岡にも営業所がある。ホットプロファイル リーチ以外にも、IT資産管理、情報漏洩対策、データエントリー業務の効率化するソフトウェアを開発・提供している。

※公式サイトより調査

ツールの特長

  • オンライン名刺管理・営業支援機能を中心としたツール
  • オプションでオンライン商談(Zoom商談)を利用可能
  • オプションで営業支援のためのさまざまな機能を組み合わせ可能

利用者の特徴

【利用者に多い課題】

  • 名刺や顧客データを一括管理したい
  • 人脈を活かした営業活動を行いたい
  • 新規アポイントの獲得数を増やしたい

料金体系

  • 基本パック 月額3,000円/ユーザー
    ―オンライン名刺交換+名刺管理
  • SFAパック 月額5,000円/ユーザー
    ―基本パック+営業支援
  • オンライン商談(Zoom商談) 月額3,000円/ユーザー
    ※5ユーザー~

→ 詳しくはこちら(ホットプロファイル リーチのサイトへ)

6.VCRM(ブイシーアールエム)

VCRMは、ナレッジスイート株式会社が開発・提供するオンライン商談ツール。同社は2006年設立、東京に本社を置く会社。大阪、福岡にも営業所がある。VCRM以外にも、営業支援・顧客管理やテレワークなどを支援するさまざまなクラウドソリューション、システムの開発・提供を行っている。

※公式サイトより調査

ツールの特長

  • URL発行・番号発行の2種類の接続方法を選べる
  • 営業電話中にオンライン商談への誘導を実現
  • プレゼン資料の事前セットアップが可能
  • 商談の録画が可能、ニーズの再確認や新人教育への活用にも
  • ユーザー登録数無制限、最大10人までの同時接続

利用者の特徴

【導入事例の一例】

  • 広告代理店・HP制作代行会社:訪問・出張コスト1/3削減、商談数2倍に
  • ソフトウェアの開発提供会社:訪問営業ができない時期も従来と同様の営業活動を実現、受注までのリードタイムの短縮も
  • 新築・リフォーム会社:1都3県のみの対応エリアを全国に拡

中心価格帯

初期費用:98,000円
月額費用:36,000円/4ルーム

  • 追加1ルームあたり9,000円
  • 契約期間12カ月~

→ 詳しくはこちら(VCRMのサイトへ)

編集部のまとめ

  1. .調査母数(問い合わせした企業数):6社
  2. 有効回答数(調査にご協力いただいた企業数):3社
  3. 電子契約ツールの中心的価格帯は次の通りとなりました。
    月額費用:3~5人の商談で3~4万円

オンライン商談ツールは、ユーザー数に応じて料金が変動するのが一般的です。ユーザー1人あたりの料金設定となる場合と、1ルーム〇人までというルームあたりの料金設定となる場合があります。少人数の商談が多い場合は前者、多人数が関わる商談が多い場合は後者の料金体系のツールのほうが料金を抑えられます。

また、商談の録画や自動テキスト化、各種営業支援機能など、高機能になるほど当然料金は高くなります。単純にオンライン商談ができれば良いのであれば、シンプルな機能のツールで十分ですが、オンライン商談ツール導入を機に営業の効率化などを行う目的があれば、予算内でできるだけ活用できる機能を備えたツールを検討したいところです。

https://www.webtanguide.jp/contact

調査実施概要
  • 調査機関:2020年12月1日〜2020年12月15日
  • 調査方法:インターネット調査及び電話・メール取材にて実施

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