Web担当者のためのマーケティング・ノウハウガイド

インスタ集客のための企業アカウント設計入門

2024年5月30日

認知獲得や集客を目的として、Instagram(インスタグラム)を運用することを検討している、またはインスタグラムアカウントを運用しているが思うように効果が出ずに悩んでいるWebマーケティング担当者の以下の課題にお答えする記事です。

  • 企業がインスタグラムで集客する際のステップを知りたい
  • 企業がインスタグラムを運用する際のポイントを知りたい

この記事ではこれからインスタグラム運用を始める企業のSNS担当者に向けて、インスタグラムの設計から運用開始後までの4ステップと効果的な運用を行なうためのポイントを紹介します。

インスタ集客に関してはこちらのページでも網羅的に解説しています。

インスタ集客の始め方解説!成功のコツから最新事例まで紹介

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インスタアカウント設計・運用の4ステップ

企業がインスタグラムで集客を行なう場合は以下の4ステップで行なうことをお勧めします。

  • 運用目的、戦略の設計
  • アカウント設計
  • コンテンツ運用
  • 分析・改善

運用目的、戦略の設計

アカウントを作成する前にインスタグラムアカウントを運用する目的を定義して、ターゲットや投稿するコンテンツの方向性を決めていきます。

運用目的やフォローしてほしいユーザー(ターゲット)をあらかじめ想像することで、コンテンツの方向性を定めていきます。

競合アカウントの運用などを参考に運用開始後の目標フォロワー数や目標いいね数など、運用を始める際に必要となるKPIも決めておきましょう。

インスタ企業アカウント設計

アカウント設計はプロフィール設計やコンテンツ運用方針が中心となります。

フォロワーを増やすためにはインスタグラムアカウントの世界観を表現するプロフィール画面をどのように設定するかは非常に重要です。

また、ストーリーズを保存してカテゴリ別に表示する「ハイライト」機能や「プロフィールグリッド」と呼ばれる過去の投稿の全体の色使いなどにも配慮しましょう。

「プロフィールグリッド」で複数の投稿で一枚の画像を表現するグリッド投稿と言われる手法もフォロワーが増える効果的な方法の1つです。

インスタコンテンツ運用

インスタグラムでは主に「フィード投稿」「ストーリーズ」「リール」の3種類の投稿形態があります。

それぞれの投稿形態の特徴を把握し、日々投稿するコンテンツがユーザーの目を惹く投稿になっているか、試行錯誤しながら毎日投稿するようにしましょう。

インスタライブはフォロワーとのコミュニケーションツールとして位置付け、商材や採用などに関する双方向のコミュニケーション手段として活用することをおすすめします。

フォロワーを増やしたい場合やキャンペーン実施時に認知を広げたい場合の施策として、インフルエンサーを活用したり、広告を出稿することも有効です。

インスタアカウントの分析・改善

アカウントを「プロアカウント」に変更することで利用できるアナリティクス機能を活用すれば投稿毎のリーチしたアカウント数やいいねなどのアクション数などを確認できます。

専門の分析ツールを利用すれば、より詳細なデータやグラフ、競合アカウントの状況を簡単に調査することができます。

最低でも週に1度は現状の数値を確認し、目標となるKPIの進捗状況を確認しましょう。

ステップ1)インスタアカウントの運用目的、戦略の設計

インスタアカウント運用の目的の明確化

インスタグラムアカウントの中には商品やサービス紹介に特化したアカウントや、採用に特化したアカウントがあります。

自社がインスタグラムを始める場合、どのような運用目的で始めるかを最初に決めておくことが今後の運用方針を定める上で重要です。

【インスタグラムを運用すると得られる効果(例)】

  • 認知獲得
  • 売上貢献
  • 問い合わせの増加
  • ユーザー(顧客)とのコミュニケーション強化
  • 採用活動の強化

成功している企業アカウントや競合アカウントの分析

フォロワーが多い国内企業のアカウントや、同業他社でインスタグラムアカウントを運用している場合は自社が運用を始める前にどのような運用がされているかを確認しておきましょう。

フィード投稿、ストーリーズ、リールの投稿回数や投稿時間、どのような投稿が多いかなどを確認し、自社の運用の参考としましょう。

同業他社アカウントのフォロワー数も自社が運用する際の目標フォロワー数の目安になります。

注意点として、インスタグラムではX(旧Twitter)と異なり「いいね」の数を非表示にできるため、非表示設定のアカウントも含め注目されている投稿を調べるには分析ツールを利用する必要があります。

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ターゲットユーザーの設定と投稿コンテンツの戦略

自社の商材が若年層や女性をターゲットにしている場合、特にインスタグラムアカウントを運用することは効果があります。

自社の商材がある場合やすでに顧客に関するデータを保有している場合は、購買データなどからターゲットユーザーを検討します。

ターゲットを新しく設定する場合や、より深掘りしたターゲットを設定したいときは、ペルソナ分析に基づき、性別や年齢だけでなく、年収や生活スタイルなども考えた具体的でリアルな人物像を設定してみるとより効果的です。

効果的なKPIの設計と目標設定

インスタグラムのアカウント運用において目標となるKPIは運用目的により異なります。

フォロワー数やいいねの数だけでなく、自社Webサイトへのリンククリック数なども指標となります。

インスタグラム運用においてKPIを設定する際は以下の数値に注目することをおすすめします。

【インスタグラムにおける主要KPI】

  • 投稿毎の新規フォロワー数
  • 投稿毎のいいね数およびいいね率(いいね数/表示回数)
  • 投稿毎の保存数および保存率(保存数/表示回数)
  • リーチアカウント数
  • プロフィール遷移率(プロフィールへの遷移数/表示回数)
  • ストーリーズのリンククリック率(リンククリック数/表示回数)
  • リールの再生回数

ステップ2)インスタ企業アカウントの設計

アカウントの世界観、プロフィールコンテンツ設計

ユーザーが自社アカウントをフォローするか否かを判断する際に、プロフィール画面はフォローするかの判断に大きく影響するため、アイコンやプロフィールテキストなどが重要となります。

ハイライト機能を使って過去のストーリーズを活用したり、フィード投稿の1枚目の色彩を統一することでアカウント全体の世界観を演出することができます。

また、プロフィール画面では、ユーザーとの接点を増やす観点から、インスタグラムではプロアカウントに変更することでプロフィール上に「電話をかける」ボタンや「メールを送る」ボタンを置くことができます。

インスタ投稿コンテンツの設計(テーマ、頻度、投稿時間帯など)

企業がインスタグラムアカウントを運用する際の方向性として

  • 会社の公式アカウント
  • 商品、サービスなどの商材紹介アカウント
  • 採用や社会貢献などの特化アカウント

などがあります。

その方向性によって、どのような投稿をどのような頻度で投稿するかは変化します。

その投稿をフィード投稿で行なうべきか、ストーリーズで行なうべきかなどを考慮する必要があるため、事前にコンテンツ設計シートや投稿スケジュール表(計画表)を作成することもおすすめです。

ストーリーズは最低1日1回は投稿し、その投稿時間帯は、インスタグラムを見ているユーザーが多い朝(午前7〜9時)やお昼(午後0〜1時)、帰宅時間帯(午後7〜9時)などに投稿して反応を確認してみましょう。

インスタコンテンツ運用のコンセプト設計(フォロー、リプライ等の運用ポリシー設計)

インスタグラムのコンテンツ運用においては、ストーリーズを毎日更新するなど多くのコンテンツを運用するため、コンセプト設計として、どのようなコンテンツをどのように投稿していくかを事前にまとめる必要があります。

そのため、事前にコンテンツ毎にターゲットや目的を明確にすることができる「コンテンツ設計シート」を作成することをおすすめします。

さらに、担当者が今後変更になった場合でも継続して運用ができるよう、アカウントの運用ポリシーをマニュアル化してまとめたり、トラブルが発生した際の対応マニュアルなども整備しましょう。

【運用ポリシーの主な内容】

  • フォローする基準
  • フォローバックするか否か
  • フォローバックしない対象(スパム、非公開アカウントなど)
  • ユーザーからの返信(リプライ)への対応方針
  • ダイレクトメッセージの対応方針
  • トラブル時の報告手順(炎上マニュアル)
  • 社内公式用語や使用NG表現のまとめ

ステップ3)インスタコンテンツ運用

アルゴリズムを重視して投稿する

インスタグラムを利用しているユーザーは気になるテーマや投稿を検索するだけでなく、ホーム画面やリールなどさまざまな画面で表示される「おすすめ」投稿から新しいアカウントを発見します。

検索画面で検索フィールドの下に表示される発見タブに表示されるコンテンツも独自のアルゴリズムに基づき決定されています。

インスタグラムのアルゴリズムは日々変化していますが、「おすすめ」に掲載される投稿はいいねや保存された数、リールであれば最後まで視聴された回数などが総合的に判断されています。

インフルエンサーマーケティングを活用する

インスタグラムには多くのフォロワーを持ち大きな発信力を持つ「インフルエンサー」が数多く存在します。

アカウント運用を始めた当初など、フォロワーを増やしたいタイミングなどではインフルエンサーを活用した企画が有効です。

自社の商材を利用した感想を投稿してもらったり、商材を宣伝してもらう形で自社アカウントの認知を広げるなどの活用方法があります。

インフルエンサーを活用する際は、広告であることを隠してPRする「ステルスマーケティング」に関する法規制が強まっているため、PR表記を忘れないことなどに注意が必要です。

インスタグラム広告を出稿する

キャンペーン告知など、自社の投稿を幅広いユーザーに届けたい場合は広告を出稿することができます。

インスタグラム広告は1日の予算を設定できるなど低予算でも利用でき、SNS広告の中でも人気のある広告媒体となっています。

人気のある広告としてはタイムラインに表示される「カルーセル広告」、ストーリーズに挿入される「ストーリーズ広告」などがあります。

インスタグラムで広告出稿を行なう場合はインスタグラムの「広告マネージャー」というツールを使用します。

「広告マネージャー」では広告を配信するターゲットの設定や課金方法などを決定することができます。

課金形態はインプレッション課金、クリック課金、アプリダウンロード課金、動画再生課金などがあります。

また、広告マネージャーの機能を使いA/Bテストを行なうことも可能です。

ステップ4)インスタアカウントの分析・改善

Instagramインサイトを活用する

インスタグラムではプロアカウントに変更すると「Instagramインサイト」(アナリティクス機能)を無料で利用することができます。

【アナリティクスで取得できる情報(例)】

  • リーチしたアカウント(フォロワー/フォロワー以外)
  • アクションしたアカウント(フォロワー/フォロワー以外)
  • インプレッション(表示された回数)
  • プロフィールへのアクセス数
  • 外部リンクのタップ数
  • 投稿毎のリーチアカウント、アクションしたアカウント、プロフィール遷移数

企業アカウントとして運用する場合は、このアナリティクス機能を活用することを強くおすすめします。

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分析ツールで詳細を分析する

Instagramインサイトで取得できないデータや、競合他社を調査する際には分析ツールを利用することで自社のアカウントとの比較などが可能です。

分析ツールを利用すると競合アカウントの様々な情報を取得することができます。

【取得できるデータ(例)】

  • フォロワーの増減グラフ(日別、月別)
  • 日々のフィード投稿数、ストーリーズ投稿数
  • 投稿平均いいね数、投稿平均コメント数
  • ハッシュタグの使用回数
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効果的なインスタ企業アカウント設計を行うポイント

最適な時間帯での投稿を心がける

インスタグラムで投稿を行なう際は以下の時間帯がSNSにアクセスするユーザーが多い時間帯であることから投稿に適した時間帯と言えます。

  • 通勤通学の時間帯(午前7〜9時)
  • お昼休みの時間帯(午後0〜1時)
  • 帰宅中や家でくつろぐ時間帯(午後7〜9時)

インスタグラムでは標準で予約機能が備わっているため、営業時間外の投稿はあらかじめ予約しておくことができます。

また、実際にアカウント運用を始めた後は自社アカウントで閲覧されている時間帯を分析し、競合アカウントと比較することが重要です。

投稿コンテンツの定期的な分析と最適化

投稿後はアナリティクス機能(インサイト)や分析ツールを利用してコンテンツを定期的に分析します。

アカウント運用初期はいいねやコメント数よりもリーチしたアカウント数を重視し、自社または自社の商材に興味がある多くの人に見てもらうことを重視するとよいでしょう。

フォロワーが増えてきたらいいねやコメント、保存、ダイレクトメッセージなど、エンゲージメントの多い投稿を参考により多くのエンゲージメントをもらえる投稿になるよう改善していきましょう。

インスタグラムは投稿毎に機能や効果が異なります。

フィード投稿は長期間プロフィールで表示される投稿であり、有益な情報が詰まった保存されやすい投稿を目指しコンテンツを改善していきましょう。

ストーリーズでは24時間限定で表示される特徴を活かし、キャンペーンの告知や質問箱、アンケート機能を使いながらユーザーとのコミュニケーションツールとして利用しましょう。

リールは動画を作成する前に台本を作成し、人気のリール動画を参考にしながら動画を最後まで見てもらえる構成になるよう工夫しましょう。

ユーザーフィードバックの活用とコミュニケーション

インスタグラムはダイレクトメッセージ(DM)のやりとりがユーザー同士の親密度を測る指標となっている点が特徴です。

運用ポリシーとしてユーザーからのDMに返信しない場合はプロフィールで明記し、メール問い合わせ窓口などDM以外の問い合わせ先を案内するようにしましょう。

ユーザーとのコミュニケーションという観点としては、他のユーザーのフィード投稿を自社のフィード投稿やストーリーズなどで再投稿する「リポスト」機能も活用しましょう。

「リポスト」機能を利用するとコンテンツ作成の工数を削減できるだけでなく、顧客を意識した企業だという認識が広まり、フォロワーの愛着度が高まります。

まとめ

企業がインスタグラムで集客を始める際は運用目的やターゲット、KPIなどを事前に定めることで全体の方向性が定まります。

フォロワー数の多い人気アカウントや競合アカウントを調査しつつ、投稿するコンテンツの質を高めていくことが重要です。

フォロワー獲得のためにはインスタグラム独自のアルゴリズムを理解し、「おすすめ」に出やすい投稿にしていくことや、ハッシュタグの使い方を工夫するなどして、リーチするアカウント数を増やしましょう。

また、最低でも週に一度は無料のインサイト(アナリティクス機能)や専門の分析ツールを確認して、日々の投稿の振り返りと改善策を検討しましょう。

ディレクターバンクではインスタグラムやX(旧Twitter)をはじめとした各種SNSに関する様々なお悩みやご相談をお受けしています。

「インスタグラムの運用を代行してほしい」「フォロワーを増やすための施策を相談したい」などインスタグラム運用でお困りの方はぜひ一度ご相談ください。

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