こんな課題をお持ちのWebマーケティング担当者向けの記事です
Webマーケティング領域で新規事業を立ち上げたい、または新規事業を立ち上げようとしているが思うようにいかないことに悩んでいる企業の担当者の以下の課題にお答えする記事です。
- 新規事業のアイデアを発想する方法を知りたい
- 新規事業のアイデアを考える際のポイントを知りたい
この記事では新規事業の基となるアイデアを発想する際に参考になるフレームワークや発想法と、これらを基にした新規事業を発想する際のポイントをご紹介します。
その他新規事業を立ち上げる際に参考になるフレームワークや国内外の成功事例など、新規事業立ち上げの全体像を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
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新規事業を立ち上げたい、または新規事業を立ち上げようとしているが思うようにいかないことに悩んでいる企業の担当者の以下の課題にお答えする記事です。 新規事業を立ち上げる方法を知りたい 新規事業を立ち上げ ...
目次
新規事業の立ち上げアイデア発想法10選
ブレインストーミング
「ブレインストーミング」は複数人でアイデアを出し合い、議論しながらアイデアをより良い物にする手法です。
ブレインストーミングを行う際は、人数は4人から8人、時間は30分から60分が適当と言われています。
ブレインストーミングを行う際は「批判することは禁止」などのルールに基づいた上で、ホワイボードや付箋を使いながら行なうと効果的です。
KJ法
「KJ法」は日本人の川喜田二郎氏が考案した手法で、情報やアイデアを付箋またはカードに記入してホワイトボードなどに貼り付け、付箋またはカードをグルーピングしたり、矢印などを追記することで、アイデアを整理することができます。
KJ法では、付箋などをグルーピングした際はグループに名前をつけ、関係性や優先順位をつけていくことが重要です。
情報整理がしやすい点や、グループで実施したときにスムーズに合意形成が行なえることがメリットとして挙げられます。
マインドマップ
「マインドマップ」は、新規事業のアイデア発想に役立つ視覚的手法です。
メインとなるアイデアを中心に置き、関連する要素を放射状に展開します。
これにより、発想の幅が広がり、複雑な情報を整理しやすくなります。
異なる要素の関連性を発見することで新しい視点を得られ、チームで共同作業を行なうことで認識の共有を強化する際にも最適です。
具体的には、顧客ニーズや競合分析、新サービスのアイデア出しに活用できます。
XMind、MindMeisterなどのデジタルツールを使用することで、効率的にマインドマップを作成・共有が可能です。
マンダラート
「マンダラート」は新規事業のテーマが決まっているものの、どう広げていけば良いかわからない場合などにおすすめの手法です。
3x3の9マスを基本とした81マスを用意し、中央に新規事業のテーマを記入します。
それを中心として、残りの8マスに中期目標などの具体的な目標やアイデアを副テーマとして書き込み、副テーマも同様に、派生するアイデアや施策を記入できれば完成です。
81マス埋まらない場合は中央に記入する新規事業のテーマが本当に正しく、達成すべきテーマなのか、別の言葉で表せないかなどを再検討してみましょう。
オズボーンのチェックリスト
「オズボーンのチェックリスト」は、初心者でも簡単にアイデアを出すことができるフレームワークです。
ある商品をもとに新しい商品を生み出すことを想定し、以下の9つの観点から商品を見つめ直すことで、よりよい商品のアイデアを発想する方法です。
転用(新しい使い道はないか)
応用(他にお手本になるものがないか)
変更(色、形、機能などを変えられないか)
拡大(追加できる機能はないか、物理的に大きくできないか)
縮小(削減できる機能はないか、物理的に小さくできないか)
代用(他のもので置き換えられる部分がないか)
置換(内部構造や部品などの配置を変えられないか)
逆転(上下左右や順序を逆にできないか)
結合(別の商品と組み合わせたり1つにできないか)
SCAMPER法
オズボーンのチェックリストを、創造性開発の研究家ボブ・エバールが覚えやすいように改良したものが「SCAMPER法」です。
以下の7つの方法の頭文字をとって「SCAMPER法」と呼ばれています。
Substitute(代用する):何か別の物に置き換えることはできますか?
Combine(組み合わせる):別のものと組み合わせることはできますか?
Adapt(応用する):過去の事例などから応用できることはないですか?
Modify(修正する):物理的またはサービスの内容を修正したらどうなりますか?
Put to other uses(転用する):業界やターゲットを変えたらどうなりますか?
Eliminate(削ぎ落とす):機能やサービスを最小化できませんか?
Reverse/Reaarange(再構成する):弱みを強みに転換できませんか?
リバースエンジニアリング
「リバースエンジニアリング」は、既存の製品を分解したり、既存サービスを徹底的に研究することで、そこから新しいアイデアを生み出す手法です。
基本的には顧客層が近く、成功しているビジネスモデルが対象となりますが、プロダクトの特徴だけでなく、配送、流通などのオペレーションやマーケティングの部分も研究対象となります。
対象ビジネスモデルの独自の強みを分析し、自社の強みと組み合わせることが可能かを検討し、自社のビジネスモデルを検討しながらテストと改善を行ないます。
フィールドワーク
「フィールドワーク」は、顧客による店舗訪問時や購入後の商品利用シーンなど、行動や使用状況を直接観察し、潜在ニーズや課題を深く理解する手法です。
フィールドで得られるインサイトを基に顧客のニーズを深く分析することで、新規事業のアイデア発想に活かすことができます。
例えば、アメリカのP&G社は家庭内での製品の使用状況を観察し、より日常生活に密着した製品へと改良を実現しました。
このように、現場視点でのインサイトを得ることで、顧客に共感しやすく、実用的かつ価値ある商品・サービスの開発に繋がります。
なぜなぜ分析(5 Whys)
顧客の課題を発見できたら、その課題を解決する手段を模索することから、新規事業のアイデアとすることも可能です。
課題解決のためのフレームワークとしてはトヨタ自動車で生み出された「なぜ」を5回繰り返す「なぜなぜ分析」が有名です。
英語圏では「5 Whys」と呼ばれ、世界中で活用されている手法となっています。
抽象的なアイデアを具体的なアイデアに落とし込みたい場合や、チーム内で議論してビジョンを共有したいときに活用することをおすすめします。
6W3H
「6W3H」は5W1H(Who,What,Where,Why,When,How)に「Whom(誰のために)」「How many(どのくらいの量で)」「How much(いくらで)」を追加することで、アイデアを網羅的に検討することができます。
「Whom」は顧客の視点に立つことができ、「How many」と「How much」は収益性や実現可能性について考察することができるため、構想を具体化できるメリットがあります。
事業構築のフレームワークを活用したアイデア発想法
SWOT分析
SWOT分析は、組織や事業の現状を評価した上で、内部要因の「強み(Strength)」と「弱み(Weakness)」、外部要因の「機会(Opportunity)」と「脅威(Threat)」を整理し、新規事業アイデアを発想するためのフレームワークです。
このSWOT分析を活用することで、「自社の強みを活かす」「弱みを克服する」「リスク分散策を模索する」など、事業戦略を明確化し、競争優位を築くための具体的な施策やアイデアを導き出すことができます。
リーンキャンバス
「リーンキャンバス」はベンチャー企業や中小企業に向けた、新規事業を9つの要素に整理して可視化し、検証・改善するためのフレームワークです。
9つの要素それぞれから、アイデアを発想するヒントを得ることができますが、その中でも以下の3つの観点からアイデア発想に結びつけることが可能です。
- 顧客セグメント:特定の顧客層に絞ることで戦略が立てやすい
- 独自の価値提案:他社にはない強みであれば競争力のある新規事業のアイデアとなる
- チャネル:ターゲット層に適したチャネルを選び無駄なくアプローチする
3C分析
「3C分析」は「Company(自社)」「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」の3つの観点から市場を分析するフレームワークです。
自社の強みやリソース(資源)を見直すなど、各要素を分析する中で、新規事業のヒントを得ることができます。
自社の強みからアイデアが思いつかない場合は、顧客セグメントを分析したり、より顧客のニーズを分析することや、競合分析を詳しく行なってみることをおすすめします。
ペルソナ法
ペルソナ法は、ターゲット顧客を象徴する架空の人物像を設定し、その視点からニーズや課題を深掘りする手法です。
顧客データや市場調査を基にペルソナのプロフィールを作成し、年齢、職業、趣味などを詳細に描写した上で、ペルソナが抱える課題やニーズを分析し、どのような価値を求めているかを理解します。
ペルソナ法の活用により、ターゲット顧客のリアルな声に寄り添ったアイデアを生み出しやすくなります。
具体的なペルソナを設定することで、日常生活の中での課題を見つけやすく、ニーズに応じた価値提案が可能になります。
オープンイノベーション
「オープンイノベーション」は外部の技術やアイデアを取り入れて自社の新規事業やサービス開発を加速させるアプローチ方法です。
外部の企業、大学、研究機関などと連携することで失敗する可能性(リスク)を軽減させることができます。
共同開発以外にも、技術提供を受ける「アライアンス」契約や、ユーザー参加型のアイデアコンテストなど、様々な方法があります。
新規事業のアイデアを考える際のポイント
顧客の課題やニーズを深く理解する
新規事業のためのアイデアをまとめる上で、顧客の課題を明確にし、顧客が求める価値を深く理解することは必要不可欠です。
顧客のニーズを探る手段としては、購買履歴の分析や顧客インタビューなど、さまざまな方法がありますが、新規事業として重要なのは、顧客がまだ自覚していないニーズ(潜在ニーズ)を掘り起こすことです。
潜在ニーズを見つけることができれば、他者がまだ気づいていないビジネスチャンスを掴める可能性があります。
社会が抱える問題(マイナス)から考える
スマートフォンなどのように、従来の商品と全く異なる新製品を思いついた場合、顧客インタビューを実施しても、自分の潜在ニーズに気づかないことがあります。
また、多くの顧客は「利益になること」よりも「損失を回避したい」気持ちが強いため、新規事業を立ち上げる際は社会が抱える問題に焦点を当て、それを解決するものを考案することでビジネスの機会創出に繋げることができます。
顧客のニーズについて悩んでいる場合は、社会生活の中で無駄なことや不満が溜まっている課題に注目してみましょう。
小さくはじめ、スピーディに検証する
新規事業を立ち上げる際は「小さくはじめ、スピーディに検証し、フィードバックをもとに改良する」ことが重要となります。
事業の中核となるアイデアをMVP(Most Viable Product)として作成し、顧客が求める価値提供ができているか、ニーズがあるかを見極め、方針転換するか、より規模の大きな投資に移行するかを検討しましょう。
差別化要素を明確にする
他社の製品が先行して発売されている場合など、他社との差別化が重要となる場面においては、以下のような具体的差別化ポイントを作れないかを検討してみましょう。
- 他社が解決できていない新しい価値を提供する
- 独自の技術や特許を活用する
- デザインやブランディングで差別化する
- アフターサポートなど、顧客体験全体を強化する
- 価格帯を変え、高級路線もしくは安価路線で差別化する
ビジネスモデルの持続可能性を検討する
考案したアイデアについて、より長期的に利益を生み出し、変化する事業環境に対応しながら継続的なビジネスに成長させるためには、以下の点を満たせるかを検討しましょう。
- 収益源が複数確保できるか
- 固定費や初期費用など、適切なコスト構造となっているか
- ビジネス環境やニーズの変化に柔軟に対応できるか
- ビジネスが成長することで利益が比例的に増加するか
- 社会的・環境的に負荷がかかる商品になっていないか
まとめ
新規事業のアイデアは0から発想するよりも、現在置かれているビジネス環境や、顧客インタビューなどから得たフィードバックを得ることから生まれるケースが多くあります。
さらに、他社と差別化できるアイデアにするためには、潜在ニーズを深掘りしたり、外部企業などとの連携も効果的です。
顧客の潜在ニーズにいち早く気付けたり、社会的な課題を解消することができるアイデアは、大きなビジネスにつながる可能性が高くなります。
新規事業の担当者に任命された場合、より成功確率を高めるためにも、ぜひ今回ご紹介したフレームワークや発想法を活用してください。
ディレクターバンクでは新規事業立ち上げの経験をもつWebディレクター人材も多数在籍しております。
「自社の強みを活かした新規ビジネスを検討している」「Webマーケティング戦略を相談したい」などお悩みがありましたら、ぜひご相談ください。
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