Webマーケティングを効率的に実施することを目的として、「マーケティングオートメーションツール(MAツール)」を導入する企業が増えています。
今回は、
- マーケティングオートメーションについて知りたい
- MAツールの導入を検討している
- MAツールの機能や料金を比較したい
このようなWeb担当者の方に向けて、MAツールを導入することで得られる効果、具体的なサービスの特徴や利用料金についてご紹介します。
業種や売上規模によって最適なMAツールが異なりますので、ぜひ今回の記事を参考にMAツールを選択してください。
MA(マーケティングオートメーション)とは?
「マーケティングオートメーション(マーケティングの自動化)」とは、見込み顧客(リード)を獲得した後のユーザー分析や、企業が実施するマーケティング施策で対象となるリードをデータベースから抽出する作業などを自動的に行なうことです。
具体的には、自社のWebサイトを訪問したユーザーの閲覧履歴や所属している組織を把握し、どの施策を打てば商談に繋げることができるかをデータベースに記録したり、その後の営業支援の補助ツールとして活用することを目的としています。
BtoB企業向けのツールでは、アクセス元のIPアドレスからユーザーの所属組織だけでなく、その組織の業種や売上などを合わせてデータとして活用できます。
多くのMAツールにおいて、Webサイトの分析のためには、Webサイトに各社が指定するタグを埋め込む必要があります。
人気MAツールの機能と料金比較・タイプ別選び方解説:2022年11月版
HubSpot Marketing Hub
「HubSpot Marketing Hub」は米HubSpot社が提供しているマーケティング用ソフトウェアです。
無料で利用することができますが、使える機能が限られており、MAツールとして使用したい場合はProfessionalプラン以上の有料プランをおすすめします。
「Sales Hub」など他のHubSpot製品と連携することでより効果を高めることが可能です。
HubSpotの具体的な導入事例についてはこちらの記事をご覧ください。
【ツールの特徴・主な機能】
無料で利用できる機能
・Webサイトを訪れたユーザーとのウェブチャットが可能
・ランディングページ作成ツール
・ブログ機能、フォーム作成機能、メール配信機能など
有料プランで利用できる機能
・オムニチャネルのマーケティングオートメーション
・ABM(アカウントベースマーケティング)
・予測リードスコアリング
【こんな顧客向け】
・無料でMAツールを体感したい中小企業
・本格的にマーケティングオートメーションを活用したい企業
・HubSpot製品に興味がある企業
【料金】
Professionalプランは月額106,800円、年間一括払いの場合月額96,000円から
Enterpriseプランは月額432,000円
BowNow(バウナウ)
「BowNow」はクラウドサーカス株式会社が提供している国産のMAツールになります。
Webサイトを訪問したユーザーの企業名を自動的に判別することができ、BtoBビジネスを展開している企業にとってはマーケティング活動を行なう貴重なデータとして活用することができます。
Webサイトに所定のタグを追加するだけでサイトを分析できるので、マーケティング専門部署がない企業でも活用することができます。
【ツールの特徴・主な機能】
・国産MAツールで導入社数No.1
・無料でずっと使える
・IPアドレスから企業を判別し、その企業の売上高や何人アクセスしているかなどを自動的に表示
【こんな顧客向け】
・MAツールにコストをかけられない中小企業
・マーケティングのために割ける時間が少ない企業
【料金】
無料(別途有料プランを利用する場合は契約の必要あり)
List Finder
「List Finder」は株式会社Innovation&Co.が提供しているMAツールです。
2010年にサービス提供開始されており、これまでに国内で1,600社以上の導入実績があります。
IT導入補助金の対象ツールに選ばれており、導入費用の最大50%が補助されます。
【ツールの特徴・主な機能】
・月額料金39,800円からの価格設定
・コンサルティング費用の追加料金なし
・メール配信代行など運用サポートも対応可能
・シンプルな操作性
・Sansan、Salesforceなどと連携可能
【こんな顧客向け】
・導入費用を抑えたい中小企業、小規模事業者
【料金】
初期費用:10万円
月額料金:39,800円、59,800円、79,800円の3プラン
SHANON MARKETING PLATFORM
「SHANON MARKETING PLATFORM」は株式会社シャノンが提供するMAツールになります。
株式会社シャノンは現在東証グロース市場に上場しており、2011年に「SHANON MARKETING PLATFORM」をリリース後、統合型マーケティング支援SaaS市場で6年連続シェアNo.1を獲得しています。
MAツールの提供だけでなく、イベントやセミナーに関する支援も行っています。
【ツールの特徴・主な機能】
・動画視聴履歴の管理機能
・ユーザーの行動履歴をスコアとして可視化
・ユーザーの属性に応じてWeb上のコンテンツをパーソナライズ
【こんな顧客向け】
・BtoBマーケティングを推進したい企業
・短期間でMAツールが稼働できる状態にしたい企業
・ツール導入後のサポートを希望している企業
【料金】
初期費用:企業毎に異なる(平均的には10万円前後)
月額料金:10万円~(マーケティングツールとして使用する場合)
※株式会社シャノン ご担当者への取材結果
b→dash
「b→dash」は株式会社データXが提供しているマーケティングプラットフォームです。
誰でも簡単に使えることをコンセプトとしており、600社以上の導入実績があります。
Web接客、LINEや広告連携などの機能があります。
【ツールの特徴・主な機能】
・メール、LINE、SMSなどを活用したユーザーとのコミュニケーションが可能
・充実したシナリオテンプレート
【こんな顧客向け】
・データベース系のエンジニアがいない企業
・BtoC企業でMAツール活用を考えている企業
【料金】
月額数万円から(要問い合わせ)
Kairos3 Marketing
カイロスマーケティング株式会社が提供している「Kairos3」というサービスの中の「Marketing」という製品がMAツールとなっています。「Kairos3」は「Marketing」の他にも商談管理などの「Sales」、日程調整などを行なえる「Timing」などの製品があります。
【ツールの特徴・主な機能】
・初期費用、月額費用ともに低価格で始められる
・申込翌日にアカウント発行、導入コンサルや研修が不要
・セミナー管理や名刺管理ツールとの連携が充実
・Sansan、Salesforceの他、Zoomやkintoneなどとも連携可能
【こんな顧客向け】
・営業機能を強化したい企業
・名刺やイベント参加者情報を活用してこなかった企業
【料金】
初期費用:10,000円
月額費用:保有リード数、月間PV数、月間メール送信数のうち該当する最大費用のものを適用
(例)
保有リード数1,000件、月間PV数5,000PV、月間メール送信数45,000通の場合、最も月額費用が高い月間メール送信数の「34,000円」が適用されます。
また、API連携やシナリオ設定については有料オプションとなっています。
SATORI
「SATORI」はSATORI株式会社が提供しているMAツールです。
イベント・セミナーからの集客だけでなく、Webサイトでのリード獲得・育成に特化したツールで、特定のセグメントに対してリターゲティング広告を配信したり、メールマガジンのクリックなどを記録するなど必要な機能が備わっています。
【ツールの特徴・主な機能】
・セミナー開催時に必要なフォーム作成から開催後のフォローまでを一貫してデータ管理
・リードナーチャリングを目的としたメールマガジンの配信
・シナリオ機能を活用したステップメール(例:資料請求後21日間にかけて3回メールを配信)
【こんな顧客向け】
・広告を活用した集客と連動した施策を検討している企業
・MAツールの活用にある程度の時間をかけられる企業
【料金】
初期費用:300,000円
月額料金:148,000円/月(年間契約)
Adobe Marketo Engage
「Adobe Marketo Engage」は2006年にアメリカで設立されたMarketo Inc.が開始したMAツールです。
Marketo Inc.は2018年にAdobe Inc.の子会社となり、サービス名称が「Adobe Marketo Engage」に変更されました。
全世界で5,000社以上の導入実績があり、世界で最も有名なMAツールの1つと言えるでしょう。
【ツールの特徴・主な機能】
・AIを活用したコンテンツ配信や顧客データ分析が可能
・ツールの表記はほぼ和訳されていて英語が不得意でも利用可能
・ユーザーコミュニティでの情報交換が活発(ユーザー会、オンラインコミュニティ)
【こんな顧客向け】
・グローバルなビジネス展開を進めたい企業
・ユーザー同士の情報交換を積極的に行いたい企業
【料金】
要問い合わせ(データベースのサイズによって価格変動)
Salesforce Marketing Cloud Account Engagement
「Salesforce Marketing Cloud Account Engagement」は世界最大のCRMサービスを展開する米Salesforce社が提供しているMAツールです。
以前は「Pardot」というサービス名称でしたが、2022年に現在のサービス名称に変更となりました。
既にSalesforceを利用している場合はこのMAツールを利用するとSalesforceと簡単に連携させることができます。
【ツールの特徴・主な機能】
・Webトラッキング、LP作成、フォーム作成などの必要な機能を網羅
・AIを活用したリードの分析およびスコアリング
・アカウントベースドマーケティング機能
・Salesforceの純正サービス
【こんな顧客向け】
・Salesforceを利用している企業
・これからSalesforceを活用しようと検討している企業
【料金】
Growthプラン:150,000円/月
Plusプラン:300,000円/月
Advancedプラン:480,000円/月
Premiumプラン:1,800,000円/月
(全て税抜・年間契約)
まとめ
MAツールは国産のツールも多数提供されており、インターフェイスが日本語であることや、サポート体制について日本人スタッフであることを重視したい場合は国産のMAツールを検討するとよいでしょう。
海外製のツールは英語表記が多く使いづらいイメージがあるかもしれませんが、利用者が多く、機能が豊富などのメリットもあります。
初めてMAツールを利用する場合は、イメージを掴むため国産のMAツールの中でも無料・低額で利用できるものを導入してみることをお勧めします。
ディレクターバンクではHubSpotの公式パートナーとして多数の実績があり、HubSpotの導入、Webサイト作成から活用サポートまで、さまざまな導入支援を行なっております。
「HubSpotに興味がある」「MAツールの使い方についてもっと知りたい」「自社で導入する場合の費用を知りたい」などご相談、要望などありましたら是非弊社まで一度ご相談ください。
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